
オブジェクト脳のつくり方
文書情報
言語 | Japanese |
ページ数 | 59 |
フォーマット | |
サイズ | 1.24 MB |
概要
I.オブジェクト指向教育における初心者の課題
オブジェクト指向言語の学習において、初心者は入門書よりも基礎的な内容が求められます。しかし、多くの教材では、重要な部分や必要な部分が十分に解説されないまま、他の知識が詰め込まれてしまいます。その結果、学習者が「わかった」と感じ始めるまでに時間がかかり、習得に数年かかる可能性があります。さらに、正確さを重視するため、敷居が高く感じられます。
II.オブジェクト脳化とは
オブジェクト脳とは、オブジェクト指向の概念を直感的に理解し、実際にコードに反映できる能力です。オブジェクト脳化は、継続的な学習意欲と、コンピュータの動作や業務での利用を意識しない、純粋に概念的な理解を深めることが不可欠です。
1. オブジェクト脳化とは
オブジェクト指向開発の概念を、コンピュータの動作を意識することなく理解し、コードに置き換えて説明でき、そのメリットを説明できるようにすること。また、デザインパターンについて理解できるようにすること。オブジェクト指向とは、人間の都合で人間の世界をモデル化したもの。
III.オブジェクト指向システムの特徴
オブジェクト指向システムでは、従来のコンピュータ中心の開発から、人間の都合に合わせたモデル化を行うことが重視されます。システムの構成要素は「オブジェクト」と呼ばれ、それぞれが明確に定義された役割を持ち、他のオブジェクトとメッセージを交換して連携します。
1. オブジェクト指向システムの動作方
従来型では、システム内のモジュールが相互に密接に依存していましたが、オブジェクト指向では、モジュール(オブジェクト)が独立し、メッセージ(メソッド)をやり取りして動作します。
2. カプセル化
オブジェクトの内部動作を他のオブジェクトから隠蔽し、外部からはオブジェクトが提供するインターフェースを通じてのみアクセスできるようにすることで、変更を局所化し、システムの保守性を向上させます。
3. ポリモーフィズム
同じインターフェースを持つ異なるオブジェクトに対して、異なる動作を呼び出すことができます。これにより、コードの再利用性と柔軟性が向上します。
IV.カプセル化の重要性
カプセル化とは、オブジェクトが持つデータや処理を内部に隠蔽し、外部から直接アクセスできないようにすることです。これにより、システムの変更や拡張が容易になり、保守性と柔軟性が向上します。
V.ポリモーフィズムの仕組み
ポリモーフィズム(多態性)とは、同じインターフェイスを持つオブジェクトに対して、それぞれ異なる処理を実行できる性質です。これにより、プログラムの汎用性と拡張性が向上し、保守性も高まります。
VI.オブジェクト指向の理解に必要なスキル
オブジェクト指向プロジェクトに参加するためには、オブジェクト、クラス、メッセージ、継承、カプセル化、ポリモーフィズムの概念について、コンピュータの動作イメージを意識しない説明と、コードに置き換えた説明、そのメリットについて説明できる必要があります。
文書参照
- オブジェクト脳オンライン