EPSON EB-Z8455WU/Z8450WU/Z8355W/Z8350W/Z10005/Z10000/Z8150 User’s Guide

プロジェクター取扱説明書:警告・注意表示解説

文書情報

言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 4.55 MB
会社

エプソン

文書タイプ ユーザーガイド

概要

I.安全に関する警告と注意事項

このエプソン製プロジェクターの取扱説明書では、安全な使用方法について説明しています。誤った取り扱いは、人身事故(死亡または重傷傷害)や物的損害につながる可能性があります。電源プラグのアース接続の確認、プロジェクターの正しい設置方法(天吊り設置を含む)、レンズユニットの取り扱い、電源コードの接続方法などに注意が必要です。特に、パスワードプロテクト機能の設定方法と、誤ったパスワード入力による動作停止についても理解しておきましょう。

1. 電源とアース接続に関する注意事項

このセクションでは、電源コンセントのアース接続の重要性について強調しています。アース端子の種類として、電源コンセントのアース端子、地中に65cm以上埋めた銅片、接地工事(第3種)を行っている接地端子などが例示されています。アース線の取り付けや取り外しは、必ず電源プラグをコンセントから抜いた状態で行うべきであり、使用している電源コンセントのアースの有無を確認することが重要だと述べられています。アースが取れていない場合は、販売店への相談を推奨しています。これは、感電事故防止と機器の安全な動作のために不可欠な手順であることを示唆しています。 誤ったアース接続は、感電事故や機器の故障、さらには火災などのリスクを高める可能性があり、安全な使用方法を遵守することが強く求められています。

2. プロジェクター設置と取り扱いに関する注意事項

プロジェクターの設置方法、特に天吊り設置に関する具体的な指示が記載されています。天吊り設置を行う際は、天吊り用ねじ穴の4箇所を使用し、ハンドルの取り外しは絶対にしないよう警告しています。ハンドルを取り外した状態で使用すると故障の原因となるためです。また、着脱式のフットについても、10mm以上伸ばすと外れるため注意が必要であり、フットを外した際には必ずフットカバーを取り付けるよう指示しています。フットを取り外した後のねじ穴にプロジェクターを固定したり、他のネジを取り付けることも禁止されており、これらはいずれも機器の故障につながる可能性があるためです。安全で確実な設置と取り扱いによって、機器の寿命を延ばし、事故を防ぐことが目的だと考えられます。

3. レンズユニットの取り扱いに関する注意事項

レンズユニットの取り扱いに関する注意が複数記載されています。不要な限りレンズユニットを取り外さないよう指示しており、内部にホコリやゴミが入ると投写品質の劣化や故障の原因となるためです。レンズユニットの交換作業は、必ず電源をオフにした後に行う必要があり、レンズシフト機能を使用している場合は、事前にシフト位置を中央に戻してから交換作業を行うよう指示されています。さらに、レンズ部分に手や指が触れないよう注意深く作業を行うべきであり、指紋や皮脂が付着すると投写品質が劣化すると警告しています。これらの注意事項は、プロジェクターの光学系を保護し、高画質の投影を維持するために不可欠な手順であると認識できます。細心の注意を払うことで、機器の性能を最大限に活かすことができ、長期的な使用に繋がると考えられます。

4. その他の機器取り扱いと安全に関する注意

プラグの向きや形状が異なる状態で無理に押し込まないよう警告しています。機器の破損や故障の原因となるためです。また、電源コードと接続ケーブルを束ねるとノイズが発生する可能性があることも指摘されています。これらの注意は、機器への物理的な損傷を防ぎ、安定した動作を確保するための基本的な注意事項です。さらに、誤ったパスワードの連続入力によるプロジェクターの動作停止についても説明されています。これは、不正アクセスや悪意のある使用を防ぐためのセキュリティ対策の一環であると解釈できます。これらの注意事項を遵守することで、機器の安全な使用と長期的な維持管理に貢献すると考えられます。

II.プロジェクターの基本設定と調整

本機は、レンズシフト機能による投写映像の位置調整フォーカスズーム調整、幾何学歪み補正機能などを備えています。電源投入直後は映像が安定しないため、これらの設定は30分後に行うことを推奨します。また、自動調整機能を用いて、アナログRGB信号入力時の画面位置ずれを修正できます。エッジブレンディング機能を使用したマルチプロジェクションも可能です。液晶アライメント調整で画素の色ずれを補正できます。さらに、背景表示設定で、映像信号入力がない際の画面表示(青、黒、ロゴ)を選択できます。設置角度の設定も可能です。

1. 投影映像の位置調整とフォーカス ズーム調整

このセクションでは、プロジェクターの投影映像に関する調整方法について説明しています。特に、レンズシフト機能を用いた投写映像の位置調整が重要なポイントとして挙げられています。 電源投入直後は映像が安定しないため、フォーカス、ズーム、レンズシフトの設定は、投影開始から30分以上経過してから行うことを推奨しています。これは、機器の初期状態における不安定性を考慮した上で、正確な調整を行うための時間的猶予を設ける必要があることを示しています。また、投影映像の形状にゆがみが出ないように、投写位置の調整を行う必要性も指摘されています。幾何学歪み補正機能を用いてゆがみを補正することもできますが、複数の投影映像を重ね合わせる際には、映像の位置合わせが困難になる可能性があるため注意が必要です。正確な調整によって、鮮明で歪みのない高品質な投影を実現することが期待できます。

2. 画面表示設定と自動調整機能

この部分では、プロジェクターの画面表示に関する設定項目について解説しています。具体的には、コンピュータからのアナログRGB信号入力時に画面位置がずれる場合の対処法として、自動調整機能の利用が提案されています。自動調整機能をオンにすると、入力信号の切り替え時にトラッキング、同期、表示位置が最適な状態に自動調整されますが、まれに画面表示位置がずれる可能性があるため、その場合は自動調整をオフにするなど、状況に応じた調整が必要となる場合があります。さらに、映像の遮断(シャッター)の復帰速度を調整する設定についても言及されています。シャッターボタンを「ブランク」に設定すると瞬時に遮断/表示を切り替えられますが、スクリーンに若干の光が投影される可能性があり、「電動シャッター」では光を完全に遮断できますが、遮断/表示に数秒かかる場合があります。これらの設定は、使用環境や目的に合わせて最適な状態に調整することで、より快適な視聴体験を提供することを目的としていると考えられます。

3. 画質調整と設置角度設定

このセクションでは、画質と設置に関する設定項目が説明されています。ポイント補正機能の補正範囲は、各方向に0.5画素ずつ、上下方向に最大7画素、左右方向に最大32画素と明確に示されています。具体的な設定方法は取扱説明書を参照するよう指示されています。画素の色ずれを調整する際には、液晶アライメント調整機能を使用します。メニューボタンから拡張設定、表示設定、液晶アライメントの順に選択することで、調整画面にアクセスできます。また、プロジェクターを傾けて設置したい場合、設置角度を調整する機能も提供されています。初期値は正置きとなっており、必要に応じて設定を変更することで、様々な設置環境に対応できるようになっています。これらの機能を利用することで、最適な画質と設置状態を実現し、快適な投影環境を構築することが期待できます。

4. 背景表示設定とその他設定項目

背景表示の設定項目では、映像信号が入力されていない状態での画面表示を、青、黒、ロゴから選択できると説明しています。ロゴが登録されていない場合は、EPSONロゴが表示されます。スタートアップスクリーンの設定では、電源オン時にユーザーロゴを表示するかどうかを選択できます。初期値はオンになっています。これらの設定は、ユーザーインターフェースのカスタマイズや、起動時の表示内容の調整に役立ちます。さらに、プロジェクターの設置に関する注意点として、排気口と吸気口、壁との間に50cm以上のスペースを確保する必要があること、複数台のプロジェクターを並べて使用する際は、プロジェクター間を50cm以上離し、排気口から出た熱が吸気口に入らないように注意することが重要だと強調されています。これらの情報は、適切な設置環境を確保し、機器の故障や火災などのリスクを軽減することに繋がります。

III.無線LAN接続設定

本機は無線LAN接続に対応しています。アドホック接続設定(かんたんモード)インフラストラクチャー接続設定(マニュアルモード)の2つの接続方法が用意されています。接続には、EasyMP Network ProjectionまたはEasyMP MultiPC Projectionアプリケーションソフトを使用します。プッシュボタン方式またはPINコード方式による簡便な設定方法も提供されています。セキュリティには**WPA2-PSK(AES)**を使用し、パスフレーズの設定が重要です。WEPはサポートされていません。接続エラー(エラーコード 0893, 0894, 0898, 0899など)発生時は、対処法を確認するか、販売店またはカスタマーサポートに連絡してください。

1. 無線LAN接続方法 アドホック接続設定 かんたんモード とインフラストラクチャー接続設定 マニュアルモード

このセクションでは、プロジェクターを無線LANで接続するための二つの方法が説明されています。一つ目はアドホック接続設定(かんたんモード)で、添付のアプリケーションソフト「EasyMP Network Projection」を使用し、コンピューターとプロジェクターを無線で直接接続する方法です。これは、コンピューターとプロジェクターを直接接続したい場合に便利な方法です。二つ目はインフラストラクチャー接続設定(マニュアルモード)で、無線LAN環境下でアクセスポイント経由でコンピューターとプロジェクターを接続する方法です。「EasyMP MultiPC Projection」を使用する際には、この方法を用いる必要があります。アクセスポイントを経由することで、より広範囲なネットワーク接続を可能にしています。それぞれの接続方法を選択することで、利用環境に最適な接続形態を選択できるようになっています。

2. 接続設定方法 プッシュボタン方式とPINコード方式

無線LAN接続の設定方法として、プッシュボタン方式とPINコード方式の二つの方法が紹介されています。プッシュボタン方式は、プロジェクター操作パネルの[Enter]ボタンとアクセスポイント機器の専用ボタンを押すことで、SSIDとセキュリティの設定が自動的に行われる方法です。プロジェクターとアクセスポイントが近接している場合に適しており、手軽に設定を行うことができます。一方、PINコード方式は、プロジェクターに割り当てられた8桁の数字をコンピューターを介してアクセスポイント機器へ入力することで、SSIDとセキュリティの設定が自動的に行われる方法です。この方法は、プッシュボタン方式に比べて、より安全性の高い接続を実現できる可能性があります。それぞれの方式の特徴を理解し、利用環境に応じて最適な設定方法を選択することが重要です。

3. セキュリティ設定と接続エラーへの対処

セキュリティ設定においては、WPA2-PSK(AES)暗号化方式が推奨されています。自動SSID設定がオンの場合のみ利用可能です。コンピューターからプロジェクターに接続する際には、設定したパスフレーズを入力する必要があります。セキュリティ強化のため、パスフレーズの定期的な変更が推奨されており、ネットワーク設定の初期化を行うことで、初期状態のパスフレーズに戻すことができます。ただし、WEP暗号化方式はサポートされていない点に注意が必要です。接続エラーについては、エラーコード0893(WEP/TKIP/AESの暗号化方式が一致しない)、0894(不正なアクセスポイント接続による通信切断)、0898(DHCP取得失敗)、0899(その他接続エラー)などが挙げられており、それぞれのエラーコードに対応した対処法、または販売店やサポートへの問い合わせが推奨されています。これらの情報は、安全かつ安定した無線LAN接続を実現するために重要です。

IV.メンテナンスとトラブルシューティング

エアフィルターの清掃または交換は定期的に行いましょう。エアフィルター清掃通知機能を利用できます。インジケーターの点灯や点滅は、機器の状態を示します。赤色点灯/点滅は内部異常を示し、修理が必要です。高温警告が出た場合も、エアフィルターの確認を行い、それでも改善しない場合は修理を依頼してください。ランプの破損にも注意し、必要に応じて交換または修理を依頼しましょう。高地モードは標高1500m以上の場所で使用する場合に有効です。

1. エアフィルターの清掃と交換

このセクションでは、プロジェクターのメンテナンスとしてエアフィルターの清掃または交換の重要性を強調しています。エアフィルターが目詰まりすると、機器の内部温度が上昇し、故障や火災のリスクが高まる可能性があるためです。エアフィルターの清掃または交換は、電源プラグをコンセントから抜いた状態で行う必要があり、目詰まりしている場合は、清掃または交換後も異常が発生する場合は、販売店または問い合わせ先に修理を依頼するよう指示されています。エアフィルター清掃通知機能が搭載されており、インジケーターやメッセージで清掃時期を知らせることで、ユーザーによる適切なメンテナンスを促しています。エアフィルターの適切な管理は、プロジェクターの長寿命化と安全な運用に直結する重要な要素です。

2. インジケーターによる異常検知と対処法

プロジェクターの動作状態を知らせるインジケーターについて、赤色点灯/点滅、高温警告、その他インジケーターの状態と原因、対処法が記述されています。赤色点灯/点滅は内部異常を示し、電源プラグを抜いて販売店または問い合わせ先に修理を依頼する必要があります。高温警告は、エアフィルターの詰まりなどが原因として挙げられており、エアフィルターの清掃/交換、それでも改善しない場合は、電源プラグを抜いて修理を依頼するよう指示されています。エアフィルター未装着を検出した場合も、約1分後に自動的に電源がオフになり、エアフィルターを取り付けてもエラーが続く場合は、エアフィルターセンサーの故障を疑い、修理依頼を行うべきです。これらのインジケーターは、機器の異常を早期に検知し、適切な対応をとるための重要な情報源として機能しています。

3. ランプの交換と高地モード設定

ランプの異常についても言及されており、ランプが割れている場合と割れていない場合で対処法が異なります。割れていない場合は、ランプを再セットし、それでもエラーが続く場合は新しいランプに交換するよう指示されています。それでもエラーが解決しない場合は、修理を依頼する必要があります。ランプが割れている場合は、販売店または問い合わせ先に相談する必要があると明記されています。これは、ランプの交換ができないと投影ができないことを意味します。また、標高1500m以上の場所で使用する場合には、高地モードをオンにする必要があると説明されています。メニューボタンから拡張設定、動作設定、高地モードの順に選択することで、設定を変更できます。これらの情報は、機器の適切な運用と保守管理を行う上で重要な情報を提供しています。

4. その他の注意事項と免責事項

輸送時の注意点として、衝撃を与えないよう適切な梱包を行う必要性が強調されており、精密機器であることを運送業者に伝えるよう指示されています。また、本製品の不適切な使用、本書に従わない取り扱い、無許可の修理などによる損害については責任を負いかねるとの免責事項が明記されています。エプソン純正品以外の部品を使用した場合のトラブルについても、同様に責任を負いかねると記載されています。さらに、本書のイラストや画面図は実際と異なる場合があるとの注意書きも添えられています。これらの注意事項は、ユーザーの安全と機器の保護を目的としており、責任ある機器の運用を促すための重要な情報です。

V.その他重要な情報

本製品は、航空機や医療機器など、高い信頼性・安全性が求められる用途には適していません。不適切な使用や本書に従わない取り扱い、無許可の修理による損害は、責任を負いかねます。エプソン純正品以外の部品の使用によるトラブルも自己責任となります。輸送時は衝撃に注意し、適切な梱包が必要です。

1. 使用上の制限と免責事項

このセクションでは、プロジェクターの使用に関する制限事項と、エプソン株式会社の責任範囲について説明しています。本製品は、航空機、列車、船舶、自動車などの運行に直接関わる装置、防災防犯装置、各種安全装置など、機能や精度に高い信頼性と安全性が求められる用途には適していないと明記されています。これらの用途に使用する場合は、システム全体の安全設計を十分に考慮し、フェールセーフ設計や冗長設計などの対策を講じる必要があります。また、航空宇宙機器、幹線通信機器、原子力制御機器、医療機器など、極めて高い信頼性と安全性が求められる用途への使用は意図しておらず、これらの用途での使用は、お客様ご自身の責任において適合性を十分ご確認の上、ご判断いただくよう求めています。 さらに、お客様による不適切な使用、本書に記載された内容に従わない取り扱い、エプソン株式会社およびエプソン指定者以外による修理や変更などが原因で発生した損害については、責任を負いかねると明記されています。エプソン純正品、およびエプソン品質認定品以外のオプション品、消耗品、交換部品の使用によるトラブルについても同様です。これは、安全な製品使用を促すとともに、責任範囲を明確にするための重要な記述です。

2. 海外持ち出し時の注意事項

このセクションでは、プロジェクターを日本国外へ持ち出す際の注意事項が記載されています。電源コードは販売国の電源仕様に基づいて同梱されているため、販売国以外で使用する場合には、事前に使用する国の電源電圧とコンセントの形状を確認し、その国の規格に適合した電源コードを現地で調達する必要があります。これは、海外でプロジェクターを使用する際に、電力系統の違いによる機器の故障や火災などの事故を未然に防ぐための重要な注意喚起です。使用国の電源規格を事前に確認し、適切な電源コードを使用することで、安全かつ安心してプロジェクターを利用できることを保証するための記述と言えます。 異なる国での使用を想定した注意喚起であり、国際的な利用を考慮した配慮が示されています。

3. その他の重要な情報

このセクションには、取扱説明書全体の補足的な情報が記載されています。具体的には、本書に記載されているイラストや画面図は実際と異なる場合がある旨の注意書きや、梱包と輸送に関する注意が挙げられます。輸送の際には、衝撃を与えないよう、本機の周囲を保護し、堅固なダンボール箱に入れて輸送を依頼するべきです。これは、プロジェクター内部にガラス部品や精密部品が数多く使用されているため、輸送中の衝撃による故障を防ぐための重要な注意事項です。これらの注意を遵守することで、機器の安全な輸送を確保し、故障のリスクを軽減することができます。 製品全体の取り扱いに関する注意であり、安全かつ適切な使用方法を促すための補足的な情報を提供しています。

文書参照

  • Kensington のホームページ