MZ-N910

ポータブルMDレコーダー取扱説明書

文書情報

言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 1.59 MB
会社

ソニー株式会社

文書タイプ 取扱説明書

概要

I.安全に関する注意事項と故障時の対応

ソニー製の【ポータブルMDレコーダー】は安全に設計されていますが、誤った使用は火災や感電の危険があります。故障や異常動作時は、直ちに使用を中止し、お買い上げ店またはソニーサービス窓口へ修理を依頼ください。水や異物混入時も同様に、電源を切り、ACパワーアダプターとUSBケーブルを抜いてご相談ください。また、大音量での長時間使用は聴力に悪影響を与えるため、注意が必要です。 【ミニディスク】や機器への損傷を防ぐため、正しい取り扱いをお願いします。

1. 製品安全に関する基本事項

このマニュアルは、ソニーのポータブルMDレコーダーの使用方法を説明するものです。 本製品は安全に配慮して設計されていますが、電気製品全般に言えることとして、誤った使用方法による火災や感電などの事故の危険性があります。そのため、安全に使用していただくために、以下の注意事項を必ず守ってください。 特に、機器の故障や異常動作に気付いた場合は、直ちに使用を中止し、お買い上げ店またはソニーサービス窓口に修理を依頼することが重要です。 ACパワーアダプターや充電スタンドの破損も同様です。 また、万が一、水や異物が本体内部に侵入した場合も、すぐに電源を切り、ACパワーアダプターとパソコンからのUSBケーブルを抜き、速やかに販売店またはソニーサービス窓口へご相談ください。 これらの注意を守らないと、使用者への怪我や周辺家財への損害につながる可能性があることを十分に認識してください。

2. 大音量使用と聴力保護

本製品の使用において、大音量での長時間使用は聴力に悪影響を与える可能性があります。 特にヘッドホンを使用する際は、注意が必要です。 周囲の音声が聞き取れる程度の音量を保つように心がけ、音量を上げる際には徐々に上げていくことを推奨します。 雑音の少ないデジタル機器(MD、CD、DATなど)をヘッドホンで聴く際には、特に音量に注意し、急激な音量変化による聴覚へのダメージを避けるべきです。 快適なリスニング環境を保つために、音量調整は適切に行い、聴覚への負担を軽減するよう注意を払いましょう。 長時間使用による聴覚への負担を避けるため、こまめな休憩を挟むことも効果的です。

3. 液体接触時の対処法

本体内部に液体が侵入した場合、すぐに電源を切り、ACアダプターをコンセントから抜いてください。 液体によっては、機器内部の腐食や故障につながる可能性があります。 また、目に入った場合は、失明の危険性があるため、目をこすらず、すぐにきれいな水で洗い流し、直ちに医師の診察を受けてください。 液体接触後の適切な処置は、機器の損傷や健康被害を防ぐ上で非常に重要です。 液体侵入の可能性がある場所での使用は避け、万が一侵入した場合は、迅速な対応を心がけてください。 ソニーサービス窓口への相談も重要なステップです。

II.録音 再生機能と操作方法

この【MDレコーダー】は、【デジタル録音】と【アナログ録音】に対応しています。【Net MD】機能により、パソコンからのデータ転送も可能です。 録音レベル調整、一時停止、曲の追加、上書き録音など、様々な操作が可能です。 【光デジタル入力】による高音質録音もできます。 再生時は、リピート再生機能など便利な機能があります。 【ATRAC/ATRAC3】コーデックによる高圧縮・高音質再生が可能です。

1. 録音機能の概要と操作

このポータブルMDレコーダーは、アナログ入力とデジタル入力の両方から録音できます。デジタル入力は光デジタルケーブルを使用し、CDプレーヤー、DAT、DVDプレーヤー、BS/CS放送などから高音質で録音可能です。アナログ入力は、マイク、レコードプレーヤー、チューナーなどから録音できます。録音レベルは調整可能で、ヘッドホンジャックからの録音時は、音が歪まないよう接続機器の音量を調整する必要があります。録音開始位置は「REC-Posi」の設定で「From Here」と「From End」を選択でき、「From End」を選択すると、常に録音済み部分の後ろから録音が開始されます。既に録音済みのディスクに録音をすると、上書きされますが、上書きせずに録音する設定も可能です。 また、録音中に「TOC Edit」表示が点滅している間は、ディスクへの書き込み中なので、衝撃を与えたり、電源を切ったりしないよう注意が必要です。 Net MD機能を使うことで、パソコンからUSBケーブル経由で音楽データをMDに録音することも可能です。

2. 再生機能と操作

録音したMDは、通常の再生に加え、リピート再生機能も利用できます。リピート再生を解除するには、本体のジョグダイヤルまたはリモコンのボタンを使用します。再生中にディスクを取り出す際は、[x]ボタンを押してから本体のOPENつまみをずらしてふたを開けます。「TOC Edit」表示が消えるまでふたは開きません。 パーソナルディスクメモリーに登録している場合を除き、ふたを開けると次の再生はディスクの最初から開始されます。 シンクロ録音機能を使うと、光デジタルケーブルで接続されたCDプレーヤーなどのデジタル機器の音に合わせて、録音の開始と停止を自動的に行うことができます。この機能を使用するには、光デジタルケーブルでの接続が必須です。 LP4ステレオ録音は長時間録音モードですが、録音元の音源によってはノイズが発生する可能性があるため、高音質を重視する場合は、ステレオ録音またはLP2ステレオ録音を選択することを推奨します。

3. 録音に関する注意事項と制限事項

本機は、音楽ソフトの著作権保護のため、「シリアルコピーマネジメントシステム(SCMS)」に準拠しています。光デジタル入力で録音したミニディスクを別のミニディスクに複製する際は、アナログ入力(LINE IN)を使用する必要があります。 著作権保護のため、コピーコントロール信号の除去や改変は法律で禁止されています。 また、同じディスクで録音と消去を繰り返すと、1曲のデータが断片化され、254個を超えると新規録音できなくなります。 さらに、ディスクに録音した時間と残り時間の合計が、最大録音可能時間と一致しない場合があります。これは、短い曲のデータがディスク上に分散している場合、曲の頭出しマークを消して前の曲と繋げられないことがあるためです。グループ機能を使用する際も、ディスク名と曲名合計の文字数に制限があるため注意が必要です。 録音レベル表示バーを確認し、適切な録音レベルを維持するようにしましょう。

III.録音に関する詳細情報と制限事項

【ミニディスク】への録音は、ステレオ、LP2ステレオ、LP4ステレオ、モノラルなど、複数の録音モードに対応。 しかし、録音可能な曲数や時間はシステム上の制約があります。「TR FULL」表示は録音容量がいっぱいになったことを示します。また、同じディスクでの繰り返し録音・消去はデータの断片化を引き起こし、録音可能曲数を減らす可能性があります。録音開始位置の設定(「From Here」「From End」)で録音位置を指定できます。【光デジタルケーブル】を使用する際は、録音元の機器との接続を確認してください。

1. 録音モードと音質

このMDレコーダーは、ステレオ、LP2ステレオ、LP4ステレオ、モノラルの4種類の録音モードに対応しています。LP4ステレオは通常の4倍の長時間録音を実現するモードですが、特殊な圧縮方式を用いているため、録音元の音源によってはごくまれに瞬間的なノイズが発生することがあります。より高音質の録音を希望する場合は、ステレオ録音またはLP2ステレオ録音を選択することをお勧めします。 各録音モードによって、録音可能な時間や音質が異なります。用途に合わせて適切なモードを選択することで、最適な録音結果を得ることが可能です。 録音レベルは、視覚的なバー表示で確認することができ、ヘッドホンジャックからの録音時には、歪みのないよう適切な音量調整を行う必要があります。 また、録音開始位置の設定は、「From Here」と「From End」の2種類があり、「From End」を選択すると、既存の録音部分の後ろから新しい録音が開始されます。

2. 録音容量と制限事項

ミニディスクへの録音可能な容量には、システム上の制約があります。同じディスクで録音と消去を繰り返すと、1曲のデータが連続して記録されず、ディスク上に断片化されて記録されることがあります。この場合でも、機器は離れたデータの読み出しと再生をスムーズに行いますが、データが合計254個に達すると、それ以上の録音はできなくなります。新しい曲を録音するには、不要な曲を削除する必要があります。また、「TR FULL」表示が出た場合は、ディスクの録音容量がいっぱいのことを示しています。 さらに、ディスクに録音した時間と残り時間の合計が、最大録音可能時間(60分、74分、80分)と一致しない場合があります。これは、短い曲のデータがディスク上に分散しており、それらを繋ぎ合わせる際に必要なスペースが確保できない場合があるためです。特に、ステレオ録音時12秒以下、LP2/モノラル録音時24秒以下、LP4録音時48秒以下の短いデータを持つ曲は、前の曲と繋げられない可能性があります。

3. 著作権とコピーに関する注意事項

本製品は、音楽ソフトの著作権を保護するために「シリアルコピーマネジメントシステム(SCMS)」に準拠しています。光デジタル入力で録音したミニディスクを、別のミニディスクに録音する場合は、アナログ入力(LINE IN)を使用する必要があります。 著作権を保護するコピーコントロール信号を除去、改変してコピーを作成することは、個人で楽しむ目的であっても法律で禁止されています。 録音したデータの破損や消去については、本製品およびパソコンの不具合が原因であったとしても、データの内容を保証することはできません。 録音を行う際には、著作権法を遵守し、権利者の許可なく無断で利用しないよう注意してください。本製品の価格には、私的録音補償金が含まれています。

IV.TOC テーブル オブ コンテンツ とグループ機能

【ミニディスク】には、TOC(テーブル・オブ・コンテンツ)が記録されており、楽曲の情報(曲名、開始位置など)が保存されています。TOCの書き換え中は、衝撃や電源断を避けてください。グループ機能を使うことで、楽曲をグループ分けして管理できます。ディスク名と曲名合計の文字数には制限があります。

1. TOC テーブル オブ コンテンツ の役割と注意点

ミニディスクには、TOC(テーブル・オブ・コンテンツ)が記録されています。これは、どの曲が何曲目でディスクのどこに記録されているかといった情報を管理する、いわばディスクの索引や目次のようなものです。 録音やトラックマークの記録・削除、曲の移動といった操作を行う際には、ミニディスクレコーダーはTOCの書き換え作業を行います。この間、「TOC Edit」表示が点滅します。この作業中はディスクへの書き込みが行われているため、衝撃を与えたり、電源を切ったりすると、それまで録音した内容が記録されず、データが失われる可能性があります。 そのため、TOCの書き換え作業中は、機器を安定した状態に保ち、衝撃や電源断を避けることが非常に重要です。 TOCの適切な管理は、データの安全性を確保する上で不可欠な要素です。

2. グループ機能による楽曲管理

このMDレコーダーは、グループ機能を使用して楽曲をグループ分けして管理することができます。 グループ機能を使うことで、複数の曲をまとめて管理することができ、再生や編集の効率が向上します。 グループに曲をまとめて録音する際には、再生を一時停止または停止させてから操作を行う必要があります。 また、常にグループ録音を行うように設定することも可能です。ただし、グループ情報はディスク名の領域を使用するため、ディスク名と曲名合計の文字数には制限があります。 ディスク名と曲名合計で約1700文字を超えると、新しいグループを作成できなくなります。 グループ機能を効果的に活用するには、文字数制限を意識し、楽曲の整理・管理を適切に行う必要があります。

V.よくあるご質問と対処法

よくある質問とその回答が掲載されています。例えば、録音レベルが小さい場合の原因と対策、サンプリングレートの説明、Net MDに関する説明などが含まれます。 トラブル発生時は、本マニュアルを確認し、それでも解決しない場合は、ソニーサービス窓口にご相談ください。

1. 再生中のトラブルシューティング

再生中に通常の再生ができない場合は、リピート再生が指定されている可能性があります。本体ではジョグダイヤルを、リモコンではP MODE/ボタンを2秒以上押して、「リピート」表示を消してから再生してみてください。 この他に、再生に関する問題が発生した場合は、マニュアルのメッセージ一覧(83ページ)を参照し、表示されているメッセージをメモしておくと、ソニーサービス窓口への問い合わせ時に役立ちます。 トラブルシューティングを行う際には、まずマニュアルに記載されている手順を確認し、問題の原因を特定することが重要です。 それでも解決しない場合は、ソニーサービス窓口へお問い合わせください。

2. 録音レベルに関する質問と対策

録音したMDを再生した際に音が小さい場合、アナログ録音で録音した可能性があります。デジタル録音の場合は、録音元と同じレベルで自動的に録音されます。アナログ録音の場合、または抵抗の入っている接続コード(別売り、RK-G128/RK-G134など)を使用して録音した場合に、音量が小さくなることがあります。 アナログ録音の音量調整には、接続コードや録音機器の音量調整が重要になります。 また、ヘッドホンジャックから録音する際は、音が歪まないよう、接続機器の音量を調整する必要があります。 録音レベル表示のバーを確認しながら、適切な音量で録音を行うように心がけましょう。 録音レベルが適切でない場合、音質に悪影響を与える可能性があります。

3. 録音に関する技術的な質問と回答

サンプリングレートとは、1秒間の音声をデジタル信号に変換する際のデータ量を表す数値です。数値が大きいほど高音質になりますが、サンプリングレートの異なる機器同士では、通常デジタル信号によるダビングはできません。本機はサンプリングレートコンバータを内蔵しており、異なるサンプリングレートの信号をMDの44.1kHzに変換して録音できます。 また、曲数や録音時間に余裕があるのに「TR FULL」表示が出て録音が止まるのは、システム上の制約によるものです。録音は最小単位で2秒(ステレオ録音時)、4秒(LP2ステレオ録音またはモノラル録音時)、8秒(LP4ステレオ録音時)のスペースを使用するためです。 さらに、ディスクに録音した時間と残り時間の合計が、最大録音可能時間と一致しないのは、短い曲のデータがディスク上に分散している場合、その曲の頭出しマークを消して前の曲と繋げられない場合があるためです。

VI.充電池とミニディスクのお手入れ

【ニッケル水素電池】はリサイクル可能です。使用済み電池は、絶縁テープを貼って、指定の回収場所に持ち込んでください。【ミニディスク】はカートリッジに収納されていますが、定期的な清掃で、より長く綺麗な音質を保てます。 カートリッジの汚れや反りは誤動作の原因となる可能性があります。

1. 充電池の取り扱いと充電時間

本機は充電式電池を使用しています。充電にはACパワーアダプターを使用します。本体のDC IN 3VジャックにACパワーアダプターを接続し、停止中にx・CHGボタンを押すと充電が始まり、「Charging」表示が点滅します。放電しきった状態から充電が完了するまで約3時間半かかります。「Charging」表示が消えると充電完了です。充電時間は充電式電池の使用状態によって異なります。毎日充電することを推奨します。 何も操作を行わない状態(ふたの開閉を含む)で17時間が経過すると、自動的に本体内部の電源が切れます。次回使用時は動作が遅くなりますが、その後はクイックモードに戻ります。 購入直後や長期間使用しなかった場合、充電式電池の持続時間が短い場合があります。これは電池の特性によるもので、数回充放電を繰り返すと、充分に充電されるようになります。 充電中は、充電スタンドや本体が熱くなりますが、これは正常な動作であり危険はありません。

2. 充電池の廃棄方法

日本国内で使用するニッケル水素電池はリサイクル可能です。不要になったニッケル水素電池は、金属部にセロハンテープなどの絶縁テープを貼って、充電式電池リサイクル協力店へお持ちください。 正しい廃棄方法で環境保護に協力しましょう。 廃棄方法に関する詳細は、お住まいの地域の自治体にご確認ください。 適切な廃棄処理を行うことで、環境への負荷を低減することができます。

3. ミニディスクの取り扱いとメンテナンス

ミニディスクはカートリッジに収納されているため、ゴミや指紋を気にせず手軽に扱えますが、カートリッジの汚れや反りは誤動作の原因となる可能性があります。 美しい音質を長く楽しむために、定期的なお手入れをお勧めします。カートリッジ表面のほこりやゴミは、乾いた布で拭き取ってください。 ディスクに付属のラベルは、必ずラベル用の窪みに合わせてしっかり貼ってください。 所定の位置以外に貼ると、誤動作の原因となる可能性があります。 読み込み中や書き込み中にディスクを抜いたり、電源を切ったりすると、正常に録音されなかったり、録音した音楽データが失われる可能性があるため、注意が必要です。 万一、故障した場合は、内部を開けずに、お買い上げ店またはソニーのサービス窓口にご相談ください。ディスクが本体に入っている場合は、そのままご相談されることをお勧めします。

VII.お問い合わせ

製品に関するご不明な点や故障については、ソニーのパーソナルオーディオ・カスタマーサポートへお問い合わせください。ホームページでも情報を確認できます。

1. お問い合わせ窓口のご案内

本機についてご不明な点、技術的なご質問、故障と思われる場合の相談は、ソニーのパーソナルオーディオ・カスタマーサポートをご利用ください。 連絡方法については、マニュアルには具体的な連絡先電話番号やメールアドレスなどは記載されていませんが、ホームページで調べる方法が案内されています。 ホームページでは、よくある質問とその回答なども掲載されている可能性があるため、まずはホームページで情報を検索してみることをお勧めします。 サービス窓口へ問い合わせる前に、マニュアルに記載されているトラブルシューティングの手順をもう一度確認してみることで、問題が解決する可能性があります。 サービス窓口へ連絡する際には、機器の型番や症状などを明確に伝えることが、スムーズな対応につながります。