DL1540/DL1540L/DL1520/DL1520Lディジタルオシロスコープ

DL1540デジタルオシロスコープ取扱説明書

文書情報

言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 2.67 MB
文書タイプ ユーザーズマニュアル

概要

I.安全上の注意と機器の接続

本機器(Yokogawa ディジタルオシロスコープ DL1520/DL1520L/DL1540/DL1540L)はIEC規格安全階級I製品です。感電・火災防止のため、必ずYokogawa社供給の電源コードとプラグを使用し、保護接地を確実に行ってください。CRTは丁寧に扱ってください。保護接地, 電源コード, CRT は安全な使用に不可欠です。

1. 安全に関する基本事項

このYokogawa製ディジタルオシロスコープ(DL1520/DL1520L/DL1540/DL1540L)は、IEC規格安全階級I(保護接地端子付き)の製品です。安全に使用するためには、このマニュアルに記載されている安全上の注意を必ず守ってください。マニュアルに記載されていない使用方法では、機器の保護機能が損なわれる可能性があり、それによって発生した障害に対しては、Yokogawaは責任を負いません。電源を入れる前に、機器の電源電圧と供給電源の電圧が一致していることを必ず確認してください。不適切な使用方法による故障や損傷を防ぐために、安全な取扱いを心がけてください。安全な運用を維持するために、記載されている注意事項を厳守することが重要です。特に、指定されていない方法での使用は、機器の安全機構に悪影響を与える可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。万が一、事故や故障が発生した場合でも、Yokogawaは責任を負いかねますので、安全な使用方法を常に意識して機器を使用してください。

2. 電源コードとプラグの取り扱い

感電や火災を防ぐために、電源コードと3極-2極変換アダプタ(日本国内のみ使用可)は、必ずYokogawaから供給されたものを使用してください。主電源プラグは、保護接地端子を備えた電源コンセントにのみ接続してください。保護接地線が備わっていない延長コードを使用すると、保護機能が無効になります。感電や火災の危険性を軽減するためには、適切な電源コードとプラグを使用することが非常に重要です。指定された電源コードを使用することで、機器への電力供給の安全性を確保し、感電や火災のリスクを最小限に抑えることができます。また、延長コードを使用する際には、必ず保護接地線を備えたものを使用してください。接地されていない延長コードを使用すると、機器の保護機能が動作しなくなり、感電や火災につながる可能性があります。安全な電源接続を維持するために、これらの注意事項を厳守することが不可欠です。これらの基本的な手順に従うことで、機器の安全性を確保し、潜在的な危険を回避することができます。

3. 保護接地と測定対象への接続

保護接地を確実に行ってから、測定対象や外部制御回路への接続を行ってください。適切な接地は、機器の安全性を確保し、感電事故を防ぐ上で非常に重要です。保護接地を行う前に、接地線の接続状態を必ず確認してください。不完全な接地は、機器の安全性を損ない、感電事故のリスクを高める可能性があります。接地が不十分な状態での測定は、機器の故障や損傷、さらには感電事故につながる可能性があるため、常に接地状態を確認し、安全を最優先事項としてください。安全な測定環境を確保するために、これらの手順を注意深く実行することが重要です。安全な測定環境を維持することで、機器の寿命を延ばし、正確な測定結果を得ることができます。安全対策を怠ることは、機器の故障や事故につながる可能性があるため、常に安全を意識した運用を心がけてください。

4. CRTの取り扱いに関する注意

本機器のCRTはCSA、VDE規格に適合していますが、機器を乱暴に扱ったり、振動させたりするとCRTを破壊する恐れがあります。CRT破壊時には、ガラスの破片が高速で飛び散るため、非常に危険です。CRTは精密機器であり、衝撃や振動を与えると破損する可能性があります。破損した場合、ガラス破片が高速で飛散するため、人体に深刻な損傷を与える可能性があります。そのため、CRTを取り扱う際には、細心の注意を払うことが重要です。機器の取扱説明書に記載されている注意事項を遵守し、適切な方法で取り扱うことで、CRTの破損を防ぎ、安全を確保することができます。安全な運用を継続するために、これらの注意事項を常に念頭に置いて機器を操作してください。万が一、CRTが破損した場合には、直ちに電源を切り、破片に触れないように注意し、専門業者に連絡してください。

II.信号の流れとA D変換

入力信号は垂直軸回路で調整され、マルチプレクサ回路を経てA/D変換器(100MS/s)でデジタルデータに変換されます。A/D変換器, サンプルレート, アクイジションメモリ に書き込まれたデータは、表示制御回路で処理され表示されます。8ビットA/D変換器による255レベル(LSB)の分解能と、1divあたり25レベルの表示を実現しています。

1. 信号の経路と処理

測定端子から入力された信号は、まず垂直軸回路(入力結合回路、減衰器(ATT)、プリアンプで構成)に送られます。ここで、入力カップリング、プローブの減衰比、電圧軸感度、オフセット電圧などの設定に基づいて電圧と振幅が調整され、マルチプレクサ回路に送られます。時間軸設定などによって、信号はA/D変換器に送られ、100MS/sのサンプルレートでサンプリングされ、デジタルデータに変換されます。このデジタルデータは、データ処理回路によって時間軸設定に合ったサンプルレートでアクイジションメモリに書き込まれます。 信号処理の各段階において、正確な測定とデータの信頼性を確保するための様々な調整と処理が行われていることが分かります。この正確な信号処理が、本機器の高精度な測定を可能にしています。正確な測定を行うためには、各段階での設定を適切に行うことが重要です。特に、入力カップリングやプローブの減衰比の設定は、入力信号の特性に合わせた調整が必要となります。

2. アクイジションメモリとデータ処理

アクイジションメモリから読み出されたデータは、データ処理回路でインバートやアベレージングなどの設定に従って処理されます。さらに、補間やP-P圧縮(所定期間ごとに最大/最小値を求めること)などの処理が施された後、表示制御回路で表示データに変換され、表示バッファに記憶されます。表示波形の最大振幅がフルスケール(グリッドの8div)いっぱいになるように電圧軸感度を設定することで、電圧を精度良く測定できます。本機器は8ビットのA/D変換器を使用し、255レベル(LSB)の分解能で入力信号をサンプリングします。画面ではグリッドの1divあたり25レベルで波形が表示され、「CAL」設定時はA/D変換器のフルレンジ(255レベル)が画面上では10.24divに相当します。電圧軸方向のフルスケールがグリッドの8divであるため、電圧軸感度設定値の8倍が表示できる電圧範囲となります。ポジション移動によってA/D変換器の入力電圧範囲をシフトさせることで、より広い電圧範囲の波形を観測できます。 アクイジションメモリは、大量のデータを一時的に保存する重要な役割を担っています。このメモリ容量と表示できるデータ数の関係を理解することで、より効率的な波形表示と分析が可能になります。データ処理においては、ノイズ低減や波形強調のための様々なアルゴリズムが用いられています。

3. 表示点数とレコード長の関係

一つの画面(10div、時間軸方向)に一度に表示できる表示点数は501点(1divあたり50点)です。表示点数とレコード長が一致しない場合があり、その処理については付録2を参照ください。時間軸設定、トリガモード、アクイジションモード、アクイジションメモリのレコード長、表示レコード長といった要素が複雑に絡み合って波形表示を決定します。これらの要素間の関係を理解することは、正確な波形表示を得る上で非常に重要です。特に、レコード長の設定は、観測したい信号の特性や時間軸の設定と密接に関連しており、適切な設定を行うことで、最適な波形表示を実現できます。レコード長の設定が不適切な場合、重要な情報が欠落したり、波形が歪んで表示されたりする可能性があります。そのため、レコード長の設定は、時間軸の設定やアクイジションモードと合わせて慎重に行う必要があります。

III.時間軸設定と表示モード

時間軸設定とトリガモード (オート、シングルなど)によって、波形表示が変化します。ロールモード表示 は、遅い信号やグリッチの観測に有効です。時間軸設定によっては、等価時間サンプリング モードに自動的に切り替わり、最大20GS/sの見かけのサンプルレートを実現します。ただし、観測可能な周波数は150MHzまでです。レコード長 はモデルによって異なり、DL1520L/DL1540Lは選択可能です。

1. 時間軸設定とロールモード表示

トリガモードをオートモードまたはオートレベルモードに設定し、時間軸設定を「50ms/div~50s/div」にすると、ロールモード表示になります。これは、新しいデータを取り込むと古いデータが消去され、波形が画面の右から左に流れる表示方法です。ロールモード表示は、ペンレコーダのように波形を観測でき、繰り返しの遅い信号や変化の遅い信号の観測に有効です。また、断続的に発生するグリッチ(波形中のパルス状の信号)をとらえる際にも有用です。DL1520L/DL1540Lでは、最大表示レコード長によってロールモード表示になる時間軸の範囲が異なります。詳細な関係については、付録3を参照してください。時間軸設定において、サンプルレートが200MS/s(または100MS/s)を超える設定にすると、自動的に等価時間サンプリングモードに切り替わります。このモードでは、繰り返し信号の複数の周期から1つの波形を作成するため、見かけ上、実際のサンプルレートよりも高いサンプルレートでサンプリングしたように見えます。本機器では、見かけのサンプルレートは最高20GS/sまで可能です。ただし、機器の周波数特性上、観測できる周波数は150MHzまでです。時間軸の設定は、観測したい信号の周波数特性に合わせて適切に選択する必要があります。設定が不適切な場合、信号の歪みや情報欠落が生じる可能性があります。

2. 波形の水平ポジション移動

ロールモード表示時や、トリガモードがシングルロングモード(DL1540に適用)の場合など、アクイジションメモリのレコード長が表示できるレコード長よりも長い場合に便利な機能です。時間軸方向の表示位置を移動することで、アクイジションメモリのレコード長全領域を画面上で確認できます。波形表示枠を±5divの範囲で移動させることができます。この機能は、長時間記録された波形データ全体を効率的に確認するために役立ちます。特に、ロールモードで記録された長時間データや、シングルロングモードで取得された大量のデータに対して有効です。表示領域を超えるデータも確認できるため、重要な現象を見逃すリスクを軽減します。時間軸方向の表示位置を自由に調整できるため、詳細な波形解析や特定のイベントの確認に役立ちます。 画面上の表示領域は限られていますので、この機能によって、より多くの情報を効率よく確認することができます。

3. トリガポジションとトリガホールドオフ

トリガポジションは、アクイジションメモリに取り込まれた波形のどの位置を画面に表示するかを示します。本機器では、トリガポジションを波形表示枠の中心0div、±2div、±4divの位置に移動できます。DL1520/DL1520L/DL1540/DL1540L(ソフト(ROM)バージョン1.20以降)では、±5divの範囲で1/50divの分解能で設定できます。トリガディレイが0sのとき、トリガ点とトリガポジションは一致します。トリガポジション以前のプリトリガ部の波形も観測可能です。これは、アクイジションメモリに常にサンプリングデータを取り込み続け、トリガがかかった時点でメモリ内のデータを保持して表示するためです。トリガホールドオフは、一度トリガがかかってから次のトリガの検出動作を一時的に休止する機能です。PCM符号のようなパルス列信号の観測や、ヒストリメモリ機能使用時などに便利です。トリガホールドオフを使用することで、トリガ間の時間間隔を調整することができ、特定のパルス列を正確に観測したり、ヒストリメモリ機能をより効果的に使用することができます。この機能は、特定のタイミングで発生するイベントの観測に特に役立ちます。

IV.波形表示と操作

水平ポジション 移動機能とトリガポジション 移動機能により、アクイジションメモリ内の全データを閲覧できます。トリガホールドオフ 機能は、繰り返し信号の観測に便利です。ズーム 機能は、圧縮された波形データを詳細に観察するのに役立ちます。カーソル測定 により、電圧、時間、周波数を測定できます。

1. 水平ポジション移動機能

ロールモード表示時や、トリガモードがシングルロングモード(DL1540適用)の場合など、アクイジションメモリのレコード長が画面表示可能なレコード長よりも長い場合に有効な機能です。この機能を使用することで、時間軸方向の表示位置を移動し、アクイジションメモリに記録された全データ領域を画面上で確認できます。波形表示枠は±5divの範囲で移動可能です。 大量のデータを一度に取得する場合、画面に表示できる情報量には限りがあります。この水平ポジション移動機能を使うことで、時間軸全体に渡ってデータを閲覧できるため、重要な情報を見逃す可能性を減らすことができます。特に、長時間観測や、大量のデータを連続的に取得するロールモード表示において有効な機能です。 表示領域全体を自由に移動できるため、詳細な波形分析や特定のイベントの特定に役立ちます。

2. トリガポジションとプリトリガ表示

トリガポジションは、アクイジションメモリに取り込まれた波形のどの位置を画面上に表示するかを示す設定です。本機器では、トリガポジションを波形表示枠の中心0div、±2div、±4divの位置に移動できます。DL1520/DL1520L/DL1540/DL1540L(ソフト(ROM)バージョン1.20以降)では、±5divの範囲で1/50divの分解能で設定可能です。トリガがかかった時点をトリガ点といい、トリガディレイが0sのとき、トリガ点とトリガポジションは一致します。本機器はトリガポジション以前のプリトリガ部の波形も観測できます。これは、アクイジションメモリに常にサンプリングデータを取り込み続け、トリガ時にメモリ内のデータを保持して表示する仕組みによるものです。プリトリガ部の波形を確認することで、トリガイベントの前後の状況を詳細に分析することができます。 これにより、トリガ条件に至るまでの信号の変化を把握し、現象のより深い理解に役立てることができます。

3. トリガホールドオフ機能とエンベロープモード

トリガホールドオフ機能は、一度トリガがかかってから次のトリガの検出動作を一時的に休止する機能です。繰り返し周期に合わせた波形表示や、ヒストリメモリ機能使用時、波形の取り込み間隔を変更したい場合などに便利です。この機能により、連続したトリガイベントの間に一定の時間を空けることができます。エンベロープモードでは、時間軸設定に関わらず、実質的にサンプルレートが高速のまま保持されるため、エイリアシングを回避したい場合に有効です。グリッチ(立ち上がりの早いパルス状の信号)の捕捉や、変調信号のエンベロープ表示にも有効です。ノーマルモードやアベレージングモードでは、時間軸設定で1divあたりの時間を長くするとサンプルレートが低下しますが、エンベロープモードでは100MS/sでサンプリングしたデータから最大値と最小値を求め、ノーマルモード設定のサンプルレートと同じ時間間隔で、最大値と最小値をペアにしてアクイジションメモリに取り込みます(1ペアで2ワードのメモリを使用)。 エンベロープモードは、ノイズの多い信号から信号のピーク値や谷値を抽出する際に有用です。

V.波形解析と測定機能

スムージング 機能はノイズ除去に有効です。波形パラメータの自動測定 (立ち上がり時間、パルス幅など20項目以上)機能と、チャネル間ディレイ 測定が可能です。ヒストリメモリ 機能は過去の波形データを保持します。GO/NO-GO判定 機能は生産ライン検査などに役立ちます。

1. スムージング機能

変化の激しい波形データの細かい変化を無視し、全体的な傾向を分かりやすくする機能です。低域通過フィルタと同じ役割を果たし、サンプリングデータ5点ごとに加重移動平均値を求め、そのデータで波形を表示します。微小ノイズの除去に有効で、アクイジションメモリに取り込まれたデータに対して行うため、波形の取り込みを停止した状態でも使用可能です。単発信号に乗ったノイズを除去するのに効果的です。この機能は、ノイズの多い波形データから重要な情報を抽出する際に非常に役立ちます。特に、ノイズの影響を受けやすい微小な信号や、ノイズによって特徴が不明瞭になっている波形を解析する場合に有効です。スムージング処理は、波形データの全体的な傾向を把握しやすくするため、より効率的な波形解析を可能にします。処理後のデータは、よりスムーズな曲線で表示され、視覚的な理解を促進します。

2. カーソル測定機能

表示される破線をカーソルといい、これを移動させることで、波形各部の電圧、2点間の電圧差、トリガポジション(またはディレイポイント)からの時間、表示画面内の2点間の時間差、周波数を測定できます。測定値は波形表示枠内に表示されます。カーソル測定は、波形データの特定箇所における値を正確に測定するために使用します。電圧や時間の正確な値を知ることで、詳細な波形解析が可能になります。2点間の電圧差や時間差を測定することで、信号の変化率や周波数を算出できます。この機能は、波形データの定量的解析に不可欠なツールであり、様々な測定や解析を容易に行うことができます。カーソルは、高精度な測定を実現するために、画面上で細かく移動させることが可能です。

3. 波形パラメータの自動測定機能

立ち上がり時間やパルス幅など、1つの表示波形に対して、測定項目20項目とチャネル間ディレイ1項目を自動的に測定する機能です。表示波形ごとに測定項目を選択でき、最多で24項目の測定値を表示できます。測定値はP-P圧縮または補間された表示データ、またはアクイジションメモリに取り込まれた実データに基づいて算出できます(DL1540はソフト(ROM)バージョン1.13以降の製品限定)。この機能は、波形データから必要なパラメータを迅速かつ正確に抽出するために役立ちます。手動での測定に比べて、大幅な時間短縮と作業効率の向上が期待できます。測定されたパラメータ値は、表形式で表示されるため、結果の確認が容易です。自動測定によって得られたデータは、レポート作成やデータ分析に活用できます。

4. ヒストリメモリ機能

実時間サンプリングの波形データを、シーケンシャルストアと同じレコード長で、過去のトリガN回分の波形データを自動的に保持する機能です。Nの値はシーケンシャルストアの取り込み回数の最大値で、トリガ回数がN回を超えると最も古いデータが消去されます。現在表示している波形から過去のN-1回までの波形を表示できます。この機能は、時間的に変化する信号を連続的に観測し、その変化の様子を把握するのに役立ちます。例えば、信号のばらつきやドリフトなどを時間軸を通して分析できます。複数の波形を同時に比較することで、信号の変化傾向をより正確に把握することが可能です。この機能は、一時的な現象の検出や、信号の長期的な変化の分析に有効です。

VI.データ保存とロード

フロッピーディスクまたはSCSIデバイスに設定情報波形データ を保存/ロードできます。データ形式はHP-GL、PS、TIFF、BMPに対応。レコード長 が大きい場合は、複数のフロッピーディスクが必要となる場合があります。データ保存/ロード中は波形取り込みが停止します。

1. フロッピーディスクへのデータ保存

本機はフロッピーディスク(FD)ドライブを標準装備しており、設定情報や波形データを保存(セーブ)し、必要な時に読み込む(ロード)ことができます。画面イメージデータは、HP-GLコマンド、PS(ポストスクリプト)、TIFF、BMP形式で保存でき、DTPソフトで作成した書類に画面イメージデータを割り付けてレポートを作成することが可能です。保存できるデータは、設定情報、波形データ、画面イメージデータです。保存形式は、HP-GL、PS、TIFF、BMPなど、様々な形式に対応しているため、用途に合わせて適切な形式を選択できます。保存されたデータは、後から簡単に呼び出して利用することが可能です。データ容量は、保存するデータの形式、波形数(CH)、レコード長などによって異なります。DL1520L/DL1540Lの場合、ACQデータ形式でアクイジションメモリのレコード長が長いと、複数のフロッピーディスクに分割して保存する必要がある場合があります。その際は、保存を開始する前に必要な枚数のフロッピーディスクを初期化しておく必要があります。初期化されていないフロッピーディスクを挿入すると、エラーメッセージが表示され、保存処理が中断されます。

2. フロッピーディスクからのデータロード

保存した設定情報や波形データは、フロッピーディスクから読み込む(ロード)ことができます。ロードするファイルはロータリノブを回して選択し、「EXEC」ソフトキーを押してロードを実行します。複数枚のフロッピーディスクに保存したACQデータをロードする際には、一部のデータのみをロードすることも可能です。この場合、画面の時間軸方向の一部にのみ波形が表示されます。時間軸全体に波形を表示するには、残りのACQデータが保存されている別のフロッピーディスクと交換して、ロード操作を繰り返す必要があります。ロード操作を実行する際には、対象のファイル名を正確に選択する必要があります。ファイル名の選択ミスは、データの読み込みエラーにつながる可能性があります。ロード操作中は波形取り込みが停止します。ロードするデータの形式、波形数(CH)、レコード長によっては、ロードに時間がかかる場合があります。複数のフロッピーディスクに保存したデータを読み込む場合、全てのデータが読み込まれるまで、操作を繰り返す必要があります。

3. データ保存とロード時の注意点

セーブ/ロードを実行すると、波形の取り込みは停止します。波形表示枠の中心から±5.12divの範囲内の波形データのみが保存されます。そのため、保存した波形の振幅がこの範囲を超えている場合、ロード後に波形のポジションを移動すると、範囲を超えた部分は表示されません。DL1520L/DL1540Lの場合、ACQデータ形式でアクイジションメモリのレコード長が長く、使用可能な容量が少ないメディアに保存しなければならない場合、データの保存を開始する前に、もう1枚のメディアを初期化しておく必要があります。次のメディアに交換する際、初期化されていないメディアを挿入すると、エラーメッセージが表示され、保存処理が中止されます。この場合、最初から保存し直す必要があります。保存/ロード操作は、データの正確性と完全性を確保するため、注意深く行う必要があります。特に、レコード長の長いデータや複数のメディアを使用する場合は、手順を正確に守り、エラーを防ぐための十分な注意が必要です。

4. SCSIデバイスとのデータ送受信

本機はSCSIインターフェースを備え、データの送受信が可能です。ID番号を「5」に設定できるSCSIデバイスを用意する必要があります。ただし、パーソナルコンピュータなどでフォーマットされたものや、コネクタのピン配置が異なるSCSIデバイスは使用できない場合があります。SCSIデバイスの主な仕様は、マニュアルの16.7項を参照してください。SCSIデバイスの一般的な取り扱い上の注意については、SCSIデバイスの取扱説明書に従ってください。SCSIデバイスを使用する際には、デバイスの互換性と接続方法を正しく確認する必要があります。互換性のないデバイスを使用すると、データの送受信に失敗したり、機器の故障を引き起こす可能性があります。 接続方法やデバイスの仕様に関する情報は、マニュアルやデバイスの取扱説明書をよく確認してください。