
EPSONプリンター ネットワーク設定ガイド
文書情報
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 3.02 MB |
会社 | セイコーエプソン株式会社 |
文書タイプ | マニュアル |
概要
I.無線LAN設定 パソコン利用
このセクションでは、エプソン製プリンター(EP-905F、EP-905A、EP-805A、EP-805AR、EP-805AW)の無線LAN設定方法を説明します。ソフトウェアディスクまたはWeb Installerを使用して、アクセスポイント経由での接続、またはWi-Fi Direct接続の設定が可能です。SSIDとセキュリティーキーの情報は事前に確認しておきましょう。AOSS/WPSによるプッシュボタン設定や手動設定も可能です。Windows XP SP2以前の環境では手動設定が必要となる場合があります。設定には一時的にUSBケーブルでプリンターとパソコンを接続する必要があります。
1. ソフトウェアディスクを用いた設定
このセクションでは、EP-905F、EP-905A、EP-805A、EP-805AR、EP-805AWプリンターの無線LAN設定を、付属のソフトウェアディスクを用いて行う方法を解説しています。 手順に従って、無線LANアクセスポイントへの接続設定を行います。 SSID(ネットワーク名)とセキュリティーキーの入力が必須です。 AOSS/WPS対応のアクセスポイントであれば、プッシュボタン方式による簡略化された設定も可能です。 ただし、パソコン側のネットワーク設定が保護されている場合や、Windows XP SP2以前の環境では、手動でのSSIDとセキュリティーキーの入力が必要となります。 設定中はパソコンとプリンターをUSBケーブルで一時的に接続する必要があるため、近距離に配置する必要があります。 複数台の同機種プリンターが存在する場合は、プリンター選択画面が表示され、MACアドレスなどにより目的のプリンターを選択する必要があります。 Windowsファイアウォールに関する設定についても言及されており、ファイアウォールに登録されていることを確認する必要があります。 設定がうまくいかない場合は、ネットワーク設定を行った担当者への問い合わせが推奨されています。
2. 手動設定
ソフトウェアディスクが使用できない場合や、パソコンのネットワーク設定が保護されている場合、もしくはWindows XP SP2以前の環境下では、手動による無線LAN設定が必要になります。この方法は、アクセスポイント名(SSID)とセキュリティーキーを手動で入力する必要があります。 事前に、接続するネットワークのSSIDとセキュリティーキーを必ず確認しておきましょう。 これらの情報が不明な場合は、ネットワーク設定を行った方に問い合わせるよう指示されています。 設定過程では、無線LANアクセスポイントと各端末に同じSSIDを設定することで通信の混信を防ぐことが推奨されています。 複数台の同機種プリンターが存在する場合は、プリンター選択画面が表示され、プリンターの操作パネルやネットワークステータスシートからネットワーク情報(EPSON+MACアドレス下6桁)を確認し、設定対象のプリンターを選択する必要があります。
3. Web Installerを用いた設定
ソフトウェアディスクが使用できない場合、エプソンのホームページから入手可能なWeb Installerを用いて無線LAN設定を行うことができます。 具体的な手順はエプソンのホームページを参照するよう指示されています。 この方法も、SSIDとセキュリティーキーの入力が必須となります。 設定が困難な場合は、ネットワーク設定を行った担当者への問い合わせが推奨されています。 基本的な流れはソフトウェアディスクを用いた設定と同様ですが、ソフトウェアの入手方法が異なる点がポイントです。 Web Installerを利用することで、ソフトウェアディスクが不要な環境でも無線LAN設定が可能となります。
4. USBケーブルを用いたネットワーク設定
このセクションでは、USBケーブルを使用してパソコンのネットワーク設定をプリンターに送信し、ネットワーク設定を行う方法を説明しています。これはパソコンのネットワーク設定が保護されている場合や、Windows XP SP2以前の環境などで用いられる方法です。 この方法では、パソコンからプリンターにSSIDとセキュリティーキーの情報が送信されますが、取得できない場合は手動で入力する必要があります。そのため、事前に接続するネットワークのSSIDとセキュリティーキーの情報を確認する必要があると強調されています。 設定に不慣れな場合は、ネットワーク設定を行った担当者への問い合わせが推奨されています。 この方法は、他の方法に比べてより詳細なネットワーク設定情報がパソコン側からプリンターに転送されるため、複雑なネットワーク環境において有効な手段となります。
II.プリンター単体でのネットワーク設定 スマートフォンなど
スマートフォンやタブレットなどの機器から、エプソン製プリンターのネットワーク設定を行う方法を説明します。Wi-Fi Direct接続を利用し、アクセスポイントを介さずに直接プリンターと接続できます。ただし、インターネットへの接続はできません。SSIDとセキュリティーキーの入力が必要です。AOSS/WPSボタンを使用した設定手順も記載されています。Wi-Fi DirectのシンプルAPモードについても説明があります。
1. Wi Fi Direct接続の設定
このセクションでは、スマートフォンやタブレットなどの機器から、アクセスポイントを経由せずに直接プリンターと無線接続するWi-Fi Directの設定方法を説明しています。Wi-Fi Directはアクセスポイントを使用しないため、インターネットには接続できません。インターネット接続が必要な場合は、インフラストラクチャモードを利用する必要がある点に注意が必要です。設定手順では、プリンターの操作パネルからWi-Fi Directの設定を行い、SSIDとセキュリティーキーを入力する必要があります。セキュリティーキーが不明な場合は、アクセスポイントのマニュアルを確認するか、ネットワーク設定を行った担当者に問い合わせるよう指示されています。 Wi-Fi Direct接続後、他のネットワーク(無線LAN、有線LAN)は切断されます。接続機器の無線接続が切断されると、プリンターは元のネットワーク接続に戻ります。Wi-Fi Directモードは、接続が必要な都度設定する必要がある点も重要な情報です。同一機種のプリンターが複数ある場合は、プリンターの操作パネルやネットワークステータスシートからMACアドレスを確認し、設定するプリンターを特定する必要があります。
2. Wi Fi Direct シンプルAP モード
Wi-Fi Directには、シンプルAPモードという動作モードがあり、このモードでは、プリンター自体がアクセスポイントとして機能し、複数の機器と直接接続できます。このモードは、インターネットへの接続を必要としない印刷などに適しています。しかし、このモードを使用する際は、接続できる機器数が制限されていること(最大4台)、およびセキュリティーキーを変更すると既存の接続が全て切断されることに注意が必要です。セキュリティーキーの変更は慎重に行う必要があると明記されています。また、Mac OS X環境下でのWi-Fi Direct接続手順についても記述があり、Wi-Fi状況アイコンをクリックしてDIRECT-XXXXXXXXを選択し、セキュリティーキーを入力する必要があります。プリンターに接続エラーが表示される場合は、プリンターを使用していない機器側のWi-Fi接続を切断することで解決する場合があります。既に複数の機器が接続されている場合、接続エラーが発生する可能性があるため注意が必要です。
3. AOSS WPSボタンによる設定
アクセスポイントがAOSSまたはWPSに対応している場合、これらのボタンを使用してWi-Fi Directの設定を簡略化できます。手順としては、アクセスポイントのAOSSボタンまたはWPSボタンを押しながら、プリンターの操作パネルからも設定を開始します。この方法を用いることで、SSIDやセキュリティーキーを手動で入力する手間を省くことができます。しかし、AOSSを使用する際は、ネットワークに接続している全ての機器がAOSSで設定されている必要がある点に注意が必要です。 AOSS設定とWEP-64bitなどの異なるセキュリティ方式が混在すると、通信障害が発生する可能性が示唆されています。 このため、ネットワーク環境全体のセキュリティ設定を事前に確認し、統一しておくことが重要です。 設定が完了したら、接続状況の確認が必要です。
III.ネットワーク接続のトラブルシューティング
本セクションでは、エプソン製プリンターのネットワーク接続に関するよくある問題とその解決策を説明します。接続エラーが発生した場合、電波干渉、SSIDの不一致、IPアドレスの重複、アクセスポイントとの距離、セキュリティーキーの誤りなどを確認します。アクセスポイントやブロードバンドルーターの設定、ファームウェアのアップデート、モバイルデータ通信との干渉なども考慮すべき点です。EpsonNet Print関連のトラブルについても触れられています。
1. 接続エラーと電波干渉
ネットワーク接続ができない場合、まず考えられる原因として電波干渉が挙げられます。電子レンジやデジタルコードレス電話など、電磁波を発生する機器との距離を離すことで改善が見られる場合があります。また、アクセスポイントとプリンター間の距離が離れすぎている、あるいは間に障害物があることも原因の一つです。これらの機器の位置を近づけたり、障害物を除去することで、接続状況が改善する可能性があります。無線LANのチャンネルが混雑している場合も、電波干渉の原因となり、印刷やスキャンの速度低下や途切れを引き起こす可能性があります。このような場合は、周囲の無線環境を見直す、アクセスポイントのチャンネル設定を変更するなどの対応が必要です。アクセスポイントのマニュアルを参照して、最適なチャンネル設定を行うことが推奨されます。
2. SSIDとセキュリティーキーの確認
接続できない原因として、接続機器とプリンターのSSIDが一致していない可能性があります。プリンターの操作パネルで設定済みのSSIDを確認し、ネットワーク機器(アクセスポイント/ブロードバンドルーター)のSSIDと一致しているかを確認する必要があります。SSIDが一致していない場合は、プリンターとネットワーク機器のSSIDを合わせる必要があります。また、セキュリティーキーが間違っている場合も接続エラーの原因となります。正しいセキュリティーキーを設定しているか、プリンターの操作パネルやネットワーク機器のマニュアルで確認しましょう。 セキュリティーキーが不明な場合は、ネットワーク設定を行った担当者への問い合わせが必要です。 AOSS/WPSで設定した場合は、ネットワーク上の全ての機器が同じ設定になっているか確認する必要があります。
3. IPアドレスの重複とファームウェア
ネットワーク上の機器のIPアドレスが重複している場合、ネットワーク通信が不安定になり、接続できないことがあります。各機器のIPアドレスを確認し、重複している場合はIPアドレスの設定を見直す必要があります。 また、ネットワーク機器(アクセスポイント/ブロードバンドルーター/パソコンのネットワークインターフェイスカードなど)のファームウェアが最新バージョンかどうかを確認することが重要です。 古いファームウェアは不具合を引き起こす可能性があるため、最新バージョンにアップデートすることで問題が解決する場合があります。 ファームウェアのアップデート方法は、各ネットワーク機器のマニュアルを参照する必要があります。 さらに、プライベートセパレーター機能が有効になっているとプリンターとパソコン間の通信ができなくなる可能性があるため、ネットワーク機器のマニュアルを参照し、この機能を無効にする必要がある場合もあります。
4. その他のトラブルシューティング
プリンターとネットワーク機器の電源の入れ方によっては、一時的に接続できない場合があります。プリンターの電源を入れ直して1分ほど待ってから、接続状況を確認してみましょう。 また、WindowsパソコンでUSBタイプのモバイルデータ通信端末を接続してインターネットを利用している場合、Wi-Fi Direct(シンプルAPモード)でプリンターを接続すると、インターネット接続ができなくなる可能性があります。 この場合は、パソコン側のインターネット接続設定を見直す必要があります。 プリンターのネットワーク設定が変更されている可能性もあるため、プリンターの操作パネルでアイコンを確認し、必要に応じてネットワーク設定を初期化して再度設定し直す必要がある場合があります。 EpsonNet Printを使用していて、印刷時に毎回ダイヤルアップ接続の画面が表示される場合は、インターネットへの接続設定がダイヤルアップ接続になっている可能性があります。この設定を見直すことで問題が解決する可能性があります。 さらに、EpsonNet Print Portの設定についても説明があり、DHCP環境ではEpsonNet Print Portのままにすることを推奨しています。
IV.TCP IP設定とファイル共有
プリンターのTCP/IP設定方法について説明します。自動設定と手動設定の両方が可能です。また、ネットワーク上のパソコンからプリンターに接続された外部機器(メモリカード、USBメモリなど)へのアクセス方法である、ファイル共有設定についても解説しています。複数のスキャナーが接続されている場合のスキャナー名の設定方法も記載されています。
1. TCP IP設定 自動設定と手動設定
このセクションでは、プリンターのTCP/IP設定について解説しています。 設定方法は自動設定と手動設定の2種類があり、DHCPサーバーによるIPアドレス自動取得機能が有効な場合は、自動設定が推奨されています。 自動設定では、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、プライマリーDNSサーバー、セカンダリーDNSサーバーの情報が自動的に取得されます。 手動設定を選択する場合は、これらの情報を手動で入力する必要があります。 IPアドレスを手動で設定する際には、ネットワーク環境に合わせた適切な値を入力する必要があるため、ネットワーク設定に関する知識が必要です。 同じネットワーク上に複数のスキャナーがある場合は、スキャナー名に設置場所などの名前を付けることで、IPアドレスが変わってもスキャナーを特定しやすくなるとのアドバイスがあります。 ルーターを越えた場所にあるスキャナーは検索できない点にも注意が必要です。
2. ファイル共有設定
このセクションでは、ネットワーク上のパソコンからプリンターに接続された外部機器(メモリカードやUSBフラッシュメモリなど)を使用するためのファイル共有設定について説明しています。 ネットワークに接続されたプリンターの外部機器をネットワークドライブとして共有できます。 同じネットワーク内に、プリンターにUSB接続されたパソコンとネットワーク接続されたパソコンが混在する場合、ネットワークドライブへのアクセス権限をどちらのパソコンに付与するかを選択できます。 ネットワーク設定を変更した場合や、ポートを追加中にプリンターの電源を入れた場合は、「再検索」をクリックする必要があると記載されています。 また、Windowsセキュリティの警告画面で「ブロックする」を選択した場合、パソコンと同じセグメントにあるネットワークアドレスのプリンターのみが表示されます。異なるネットワークアドレスのプリンターを表示するには、Windowsファイアウォールの設定を変更する必要があると説明されています。
3. EpsonNet Print Portに関する注意事項
付属のソフトウェアディスクを使用してネットワーク接続設定を行うと、印刷先は自動的に「EpsonNet Print Port」に設定されます。 このポートはDHCP環境下でプリンターのIPアドレスが変更された場合でも、自動的に追従して接続を維持する機能を持っています。そのため、DHCP環境で使用する場合、印刷先を「EpsonNet Print Port」のままにしておくことが推奨されています。 もし、標準TCP/IPポートに変更した場合、DHCP環境下でプリンターのIPアドレスが変更されると、接続できなくなる可能性があるため注意が必要です。 この設定は、ネットワーク環境の安定性とプリンターへの継続的なアクセスを確保するために重要です。
文書参照
- http://www.epson.jp/support/taiou/os/