
JV3-250SP取扱説明書:カラーインクジェットプリンター
文書情報
著者 | 株式会社ミマキエンジニアリング |
会社 | 株式会社ミマキエンジニアリング |
文書タイプ | 取扱説明書 |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 4.17 MB |
概要
I.ファームウェアと基本操作
本マニュアルはミマキエンジニアリング製大型プリンター(ファームウェアVer.6.20以降対応)の取扱説明書です。電源オン/オフ手順、メディア(ロールメディア等)のセット方法、1440dpiの高画質印字を実現する設定などを解説します。ソルベントインクを使用し、高画質と低ランニングコストを両立しています。ノズル詰まりや画質不良といったトラブルシューティングについても記載しています。
1. ファームウェアバージョンと対応機種
本取扱説明書は、ミマキエンジニアリング製大型プリンターの操作方法とメンテナンスについて説明しています。対応機種はファームウェアVer.6.20以降です。電源投入時にファームウェアバージョンを確認できます。 このバージョン情報は、トラブルシューティング時などに販売店または弊社営業所への連絡時に必要となる重要な情報です。 また、本製品は高周波を使用するため、設置場所によってはラジオやテレビの受信障害が発生する可能性があります。VCCIクラスA情報技術装置として、家庭での使用は電波障害を引き起こす可能性があるため、適切な対策が必要となる場合があると明記されています。説明書をよく読んで、安全かつ効果的にプリンターを使用することが重要です。 接続には必ず当社指定のケーブルを使用してください。VCCIルールを超える可能性があるためです。 本製品の使用または使用不能による損害(逸失利益、間接損害などを含む)に関して、株式会社ミマキエンジニアリングの保証規定に定めるものを除き、一切責任を負いません。不明な点があれば、販売店または弊社営業所へお問い合わせください。なお、本マニュアルの内容は予告なく変更される場合があります。
2. 電源のオン オフと基本操作
プリンターの電源のオンとオフの方法が説明されています。電源をオンにする手順は、別途記載されているページを参照するよう指示されています。 また、主電源スイッチは背面にあり、通常はオンにしておく必要があります。主電源をオフにしたまま放置すると、ヘッドのノズルが目詰まりを起こす可能性があり、復旧が困難になる場合もあると注意喚起されています。電源スイッチがオフの状態で主電源スイッチをオンにすると、ノズル詰まり防止機能が動作し、動作終了後に自動的に電源が切れる場合があります。 電源関連のトラブルシューティングとして、電源が入らない場合の対処法についても言及されています。 安全面に関し、煙や異臭が発生した場合は、直ちに電源スイッチをオフにしてプラグを抜くよう指示されており、その後販売店または弊社営業所へ修理を依頼するよう促しています。二つの電源ケーブルは別系統のアース処理したコンセントに接続する必要性も強調されています。 電源電圧は表示された仕様に従い、電圧セレクタを切り替えて使用する必要があります。
3. 安全上の注意と免責事項
本製品の使用における安全上の注意と、株式会社ミマキエンジニアリングの責任範囲が明確に記されています。 具体的には、感電や火災、火傷の危険性に関する注意が複数記載されており、適切な操作方法と予防策が求められています。例えば、プラテンのヒーターに触れる際は、十分に温度が下がった後に行うこと、湿気の多い場所での使用や装置への水のかけ付けを避けること、専用インクカートリッジを使用すること、インクが皮膚や目に入った場合の対処法などが示されています。 また、本装置やインクカートリッジの分解・改造は絶対にしないよう警告されています。これらは感電や故障の原因となるためです。 さらに、お客様自身による修理は危険であるため、絶対に避けるべきであることが強調されています。 本製品の使用または使用不能から生じるいかなる損害についても、株式会社ミマキエンジニアリングの保証規定に定めるものを除き、一切の責任を負わないと明記されています。これは、インクの詰め替え使用による不具合なども含みます。
II.メディア設定と作図
様々なメディアに対応しており、メディアホセイ(メディア送り量補正)機能で最適な印刷を実現します。重いロールメディアや軽いロールメディア、リーフメディアのセット方法、巻き取り装置の使い方、トルクリミッタの調整方法を説明。双方向作図に対応し、幅広メディア使用時のリフレッシュステーションの役割も解説します。プリントヒーターの温度設定は、メディアの種類や特性に合わせ調整可能です。
1. メディアの種類とセット方法
本装置は、ロールメディア(重いロールメディア、軽いロールメディア、2本のロールメディア)とリーフメディアに対応しています。それぞれのメディアのセット方法は、図解入りで丁寧に説明されています。特にロールメディアを使用する際は、巻き取り装置の使い方、メディアのたわみによる画質への影響、メディア押さえの取り扱い(鋭利なためケガに注意)などが重要です。巻き取り装置を使用する際は、巻き取り装置とキャリッジの間、およびロール置き台側のメディア(紙管から外れた後)には作図できない点に注意が必要です。 メディアの特性に合わせたヒーター温度設定が重要で、プリヒーターおよびプリントヒーターの温度を調整する必要があります。専用RIPからのプロファイル指定による自動温度設定も可能です。メディアの種類や特性、巻き取り装置の使用の有無によってメディアの送り量が変化するため、必ずメディアの送り量を補正する必要があります。これはメディアホセイ機能で行います。補正値が適切でないと、作図画像に縞が入るなど、綺麗に作図できません。ヒーター温度変更後は、CONSTANTランプが点灯し設定温度に達していることを確認してから補正作業を行うべきです。ロールメディア使用時は、メディアホセイ終了後にメディアが作図原点位置に戻り、たわみが生じる可能性があるので注意が必要です。
2. 作図操作と注意事項
作図を開始する前に、ロールメディアのたわみがないか確認し、ヘッドがキャッピングステーションにあることを確認する必要があります。たわみがあると画質不良の原因となります。作図方向をソウホウコウに設定する場合は、ヘッドの高さを調整した後にメンテナンス機能のドットイチホセイを実行する必要があります。ヘッドの高さを調整せずに厚いメディアを使用すると、作図品質が悪くなるだけでなく、ヘッドが故障する可能性があります。高さ調整レバーは上か下どちらかに確実にセットする必要があります。作図中は、インクが落ちる、白スジやカスレが発生する、文字がブレる、色ずれなどが発生する可能性があり、これらへの対処法も説明されています。また、作図中に「ニアエンド」「インクエンド」等のインク関連エラーが表示された場合、インク詰まり防止機能は動作しません。作図を開始・中止する方法、より詳しい作図情報を表示する方法、作図終了後のメディアカット方法なども解説されています。 1440dpiの高画質印刷を実現するために、推奨メディアの使用が推奨されています。また、プリントヒーターの高温設定やインク量の増加(高濃度、2度塗りなど)は、しぶき、ぼた落ち、ノズル抜けの原因となる可能性があると注意書きがあります。
3. プリントヒーターとリフレッシュステーション
プリントヒーターは作図中のインクの定着と乾燥を行い、画像品質向上に寄与します。しかし、加熱中はプラテンが高温になるため、フロントカバーを開ける際やメディア交換時は、ヒーターの温度を下げてプラテンの温度が十分下がってから作業を行う必要があります。高温のヒーター温度を必要とするメディアや表面が柔らかいメディアは、プラテンに貼り付いたり、メディア浮きを起こしたりする可能性があり、故障につながる可能性があるため注意が必要です。リフレッシュステーションは、幅広のメディアを双方向作図する場合にノズル保護機能としてリフレッシュ動作を行う場所です。リフレッシュステーションの交換が必要な場合は、警告メッセージが表示されます。交換時は、付属のゴーグルと手袋を着用する必要があります。リフレッシュステーションの容器は別売品であり、販売店または弊社営業所で入手可能です。 メディアの種類によっては、作図時に高温なヒーター温度が必要となる場合があり、その際の注意点が記載されています。また、表面が柔らかいメディアはプラテンに貼り付き、正常な搬送ができなくなる可能性があると注意喚起されています。
III.トラブルシューティングとメンテナンス
電源が入らない、作図できない、メディア詰まり、画質不良など、よくあるトラブルとその対処法を解説。ヘッドのノズル詰まり防止機能、クリーニング方法、ワイパの交換時期の確認方法などを説明します。ドット位置補正機能で印字精度を向上させ、エラーメッセージへの対処法も記載。専用インクカートリッジの使用を推奨し、インクに関する注意事項(引火性、皮膚への付着など)も詳細に説明しています。リフレッシュステーション交換の警告表示と対応方法も含まれています。
1. ノズル詰まりとクリーニング
ノズル詰まりは、プリンターの主要なトラブルの一つです。 本マニュアルでは、ノズル詰まりの確認方法と解消方法について詳しく解説されています。 定期的なクリーニングが重要であり、クリーニング方法も手順付きで説明されています。 ヘッドのノズル面、ワイパー、キャップなどは、水やアルコールなどで拭かないように注意書きがあり、ノズル詰まりや故障の原因となる可能性が指摘されています。ベンジン、シンナー、研磨剤入りの薬品も使用禁止です。クリーニングには付属の綿棒を使用し、ゴーグルと手袋を着用するよう指示されています。クリーニング機能を実行してもノズル抜けが解消されない場合は、洗浄キット(メンテナンス用洗浄液 RS(SPC-0336))を使用する必要があります。 また、主電源スイッチをオフにしたまま長時間放置すると、ノズル詰まりが発生しやすくなるため、定期的に電源をオンにしてノズル詰まり防止機能を動作させる必要があります。 インク関連エラー(ニアエンド、インクエンドなど)が発生している場合は、インク詰まり防止機能は動作しません。
2. 画質不良と対処法
画質不良が発生した場合の対処法が複数記載されています。具体的には、白スジ・カスレ・色の濃いスジ(ヘッド移動方向)、文字の二重・三重のブレ(用紙送り方向)、往復印字のズレ、色ごとのインクの重なり不良、作図中のインク滴下といった症状とその原因、解決策が提示されています。 これらの問題の多くは、ヘッドの高さ調整、メディア送り量の補正(メディアホセイ)、ドット位置補正(ドットイチホセイ)などによって改善できる可能性があります。ドット位置補正は、テスト作図の結果に基づいて往路と復路のインク落下点を比較し、補正を行う機能です。ロールメディアを使用する場合は、ドットイチホセイ終了後にメディアが作図原点位置に戻り、たわみが生じるため、作図前に手で巻き戻す必要があります。 また、安定した高画質を得るために、弊社推奨のメディアを使用することが推奨されています。プリントヒーターの高温設定やインク量増加によるしぶき、ぼた落ち、ノズル抜けについても言及があり、プリント直後のインクの加熱による溶剤の揮発が原因であると説明されています。
3. インクカートリッジとエラーメッセージ
インクカートリッジの異常が発生した場合、メッセージが表示され、作図やクリーニングなどのインク吐出関連の動作は全てできなくなります。この場合は、速やかに新しいインクカートリッジに交換する必要があります。カートリッジ異常を表示したまま長時間放置すると、ノズル詰まりの防止機能が動作しなくなるため、注意が必要です。 インクに関する注意事項として、インクには有機溶剤が含まれているため、皮膚に付着した場合は石鹸水で洗い流し、目に入った場合は大量の流水で洗い流し、医師の診察を受けるように指示されています。また、インクカートリッジの改造は故障の原因となり、保証対象外となる旨が明記されています。 ディスプレイにエラーメッセージが表示されない場合のトラブル対処法についても触れられており、対処しても改善しない場合は、販売店または弊社営業所へ連絡するよう促しています。 また、インク残量に関する注意点として、実際に残っているインクを全て使い切ろうとすると、インク切れ後も印字動作が続く可能性があり、インクチューブ内に空気が入り込み作図異常の原因となる可能性があると警告されています。
4. その他のメンテナンスと警告表示
ワイパの寿命に関する警告表示(ワイパレベル)があり、ワイパは消耗品であり、ホコリの多い環境ではヘッドが汚れやすくなるため、ワイパ寿命警告の設定を変更することで、環境に合わせて早期にワイパ交換を促すことができます。 また、マシンの情報を表示する機能(マシンジョウホウ)があり、ファームウェアバージョン、シリアル番号、ディーラー番号が表示されます。 トラブル発生時には、この情報を販売店または弊社営業所に連絡する必要があります。 リフレッシュステーションの交換が必要な場合、警告メッセージが表示され、交換手順が説明されています。リフレッシュステーションの容器は別売です。交換作業時は付属のゴーグルと手袋を着用する必要があります。 常に主電源スイッチをオフにしないように注意喚起があり、ノズル詰まり防止機能が定期的に動作するため、オフ状態での長時間放置はノズルの詰まりにつながる可能性があると警告されています。 ヘッドのノズル面、ワイパ、キャップなどを水やアルコールで拭かないように注意が促されています。
IV.安全に関する注意事項
本製品の使用、または使用不能から生じる損害に関して、ミマキエンジニアリングの保証規定を除き一切責任を負いません。感電、火災、火傷の危険性を回避するための安全対策(電源ケーブル、ヒーター、インクの取り扱いなど)を徹底的に説明。装置の分解・改造は禁止です。メディアやインクの取り扱いに関する注意も記載しています。移動や設置場所についても注意事項があり、移設は必ずミマキエンジニアリング営業所または販売店に依頼する必要があります。
1. 感電 火災 火傷への対策
本装置を使用する際には、感電、火災、火傷の危険性を常に意識し、適切な安全対策を行う必要があります。 異常事態(煙の発生、異臭など)を発見した場合は、直ちに電源スイッチをオフにして、プラグをコンセントから抜くことが最優先事項です。その後、煙が消えるのを確認してから、販売店または弊社営業所へ修理を依頼してください。 本装置で使用されるインクは引火性があるため、使用場所は火気厳禁とされています。湿気の多い場所での使用や、装置への水のかけ付けは、火災、感電、故障の原因となるため厳禁です。二本の電源ケーブルは必ず別系統のアース処理されたコンセントに接続してください。これらは感電や火災を防ぐための重要な手順です。プラテンのヒーターは高温になるため、素手で触らないように注意が必要です。また、本装置を移動する際は、ヒーターの電源をオフにしてから30分以上待って、十分に温度が下がった状態で行う必要があります。移動は段差のない同一フロア内のみとし、移設の場合は弊社営業所または販売店にご連絡ください。 プラテンのヒーターにホコリやゴミが付着しないように清掃も必要です。
2. インクとメディアの安全な取り扱い
本装置で使用される専用インクは、危険物第4類第2石油類または危険物第4類第3石油類に該当し、引火性があります。そのため、取り扱いには細心の注意が必要です。インクが皮膚に付着した場合は、直ちに石鹸水で洗い流し、その後水で十分に洗い流してください。万が一、インクが目に入った場合は、直ちに大量の清浄な流水で15分以上洗い流し、まぶたの裏まで完全に洗い流してから、速やかに医師の診察を受けてください。インクの詰め替え使用による不具合については、弊社はいっさい責任を負いかねます。必ず専用のインクカートリッジを使用してください。インクカートリッジの改造は故障の原因となり、保証期間内であっても保証対象外になります。 メディアについても、メディア押さえは鋭利なため、手を切らないよう注意が必要です。2本のロールを使用する場合を除き、メディア押さえは必ず取り外してください。 推奨メディアを使用することで、安定した高画質の作図が可能です。メディアの特性に合わせたヒーター温度設定を行う必要があります。
3. 装置の取り扱いと免責事項
本装置の修理はお客様自身で行うことは大変危険であるため、絶対にしないでください。 本装置やインクカートリッジの分解・改造も同様に禁止されています。これらは感電や故障の原因となります。 本装置の移設は、必ず専門の担当者にお任せください。お客様が移設を行うと故障や破損の原因となる可能性があります。やむを得ず、段差のない同一フロア内で移動する場合は、ヒーターの温度が十分下がった状態で行う必要があります。ヘッドのノズル面やワイパー、キャップなどを水、アルコールなどで拭かないでください。ノズル詰まりや故障の原因になります。 本製品の使用、または使用不能から生じるいかなる損害(逸失利益、間接損害、特別損害、その他の金銭的損害を含み、これらに限定しない)についても、株式会社ミマキエンジニアリングの保証規定に定めるものを除き、一切の責任を負いません。