Pepper Q&A

Pepper活用ガイド:設置・動作環境

文書情報

学校

大学名(不明)

専攻 情報科学科、ロボット工学、または関連分野
出版年 不明
会社

不明

場所 不明
文書タイプ マニュアル、テクニカルドキュメント
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 10.04 MB

概要

I.Pepperの設置と環境設定

SoftBank Pepperを安全かつ効率的に運用するために、設置場所の環境設定が重要です。水平で平らな固い床、周囲90cm以上の空間確保、そして柔らかい床や段差の無い場所を選びましょう。これにより、ペッパーの動作不良や転倒を防止し、ロボット案内コンシェルジュとしての役割を円滑に果たせます。 ロボット設置に関する注意点として、充電器のケーブルへのつまずき防止も重要です。

1. 設置場所の選定と空間確保

Pepperの円滑な動作と安全性を確保するためには、設置場所の選定が非常に重要です。ドキュメントによると、Pepperが正常に機能するためには、周囲に半径90cm以上の空きスペースが必要です。この範囲に人や物が侵入すると、Pepperの動きが制限されたり、予期せぬ動作を引き起こす可能性があります。また、充電器のケーブルにも注意が必要です。ケーブルにつまずいてPepperや人が転倒する危険性があるため、ケーブルの配置には細心の注意を払いましょう。さらに、床の状態も重要な要素です。柔らかい床材(キッズプレイマットなど)や毛足の長いカーペットの上では、Pepperは正常に動作せず、転倒のリスクが高まります。そのため、水平で平らで固い床、そして湿気の少ない場所を選ぶことが推奨されています。段差についても、Pepperが段差を検知できない可能性があるため、設置場所には段差がないことを確認する必要があります。これらの点を考慮することで、Pepperの安全な運用を実現し、案内係やコンシェルジュとしての役割を最大限に発揮できます。 設置場所の選定は、Pepperの機能性を左右する重要な要素であることを理解しておくべきでしょう。

2. 床材と段差に関する注意点

Pepperの設置場所を選ぶ際には、床材の種類と段差の有無に十分注意する必要があります。ドキュメントでは、柔らかい床(キッズプレイマットなど)や毛足の長いカーペットの上ではPepperが正常に動作せず、転倒の恐れがあると明記されています。これは、Pepperの移動機構がこれらの床材に対応できないためです。そのため、安定した動作を確保するためには、水平で平らで固い床を選ぶことが不可欠です。また、床に段差がある場合も、Pepperはそれを検知できない可能性があり、転倒事故につながるリスクがあります。そのため、設置場所には段差がないか、事前に十分な確認を行う必要があります。これらの床材や段差に関する注意点を十分に理解し、適切な設置場所を選ぶことで、Pepperの安全性を確保し、長期的な運用を可能にすることができます。Pepperの安全な動作を維持するためには、床の状態は非常に重要な要素であると言えるでしょう。

3. その他の安全上の考慮事項

Pepperの設置場所を決める際には、安全面に関するいくつかの追加事項にも配慮する必要があります。まず、Pepperの周囲には少なくとも半径90cm以上の空きスペースを確保しなければなりません。このスペースはPepperの動作に必要なものであり、空間が狭いとPepperの動きが制限され、正常な動作を妨げる可能性があります。さらに、充電器のケーブルにも注意が必要です。充電中は安全ですが、充電ケーブルにつまずいてPepperや人が転倒する危険性があるため、ケーブルの位置には注意が必要です。これらの安全上の考慮事項は、Pepperの安全な動作を確保するだけでなく、周囲の人々の安全も守る上で重要な役割を果たします。これらの点を考慮した上で、Pepperの設置場所を決定することで、安心してPepperを使用できる環境を構築できます。安全な設置環境は、Pepperの長期的な運用に不可欠な要素です。

II.Dialogflowを用いたチャットボット構築

Pepperのチャットボットは、Dialogflowを使用して構築します。CSVファイルの学習データをDialogflowにインポート可能なZIPファイルに変換するオンラインコンバーターを使用します。インテントの作成、回答テキストの登録、そしてテストを繰り返すことで、スムーズなユーザーとの対話を実現できます。Pepperアプリの機能を最大限に活用するためには、データの適切な準備とDialogflow上での設定が不可欠です。 重複したintent_nameを避け、UTF-8でCSVファイルを作成する必要があります。

1. データ変換とDialogflowへのインポート

Pepperのチャットボット開発において、学習データの取り扱いは非常に重要です。まず、用意したCSVファイルをDialogflowにインポート可能な形式に変換する必要があります。ドキュメントでは、オンラインコンバーターを用いてCSVファイルをZIPファイルに変換する方法が示されています。このコンバーターに学習データのCSVファイルをアップロードすると、Dialogflowにインポート可能なZIPファイルをダウンロードできます。この変換プロセスは、チャットボットの構築に不可欠なステップであり、正しく行うことで、スムーズな開発プロセスを確保できます。変換前に、CSVファイルの文字コードがUTF-8であることを確認し、intent_nameの値に重複がないか確認する必要があります。これらの確認を怠ると、変換エラーが発生し、開発プロセスが遅延する可能性があります。そのため、変換前のチェックは非常に重要です。

2. チャットボットのテストと初期設定

Dialogflowに学習データをインポートした後、チャットボットのテストと初期設定を行う必要があります。ドキュメントでは、「Try it now」欄に質問を入力し、チャットボットからの回答を確認する方法が示されています。キーボードのENTERキーを押すと、「USER SAYS」に質問内容、「DEFAULT RESPONSE」にチャットボットからの回答が表示されます。このテストを通じて、チャットボットの動作を確認し、必要に応じて修正を加えることができます。また、初期設定として、呼び込みセリフの登録も可能です。「Intents」メニューから新しいインテントを作成し、「Events」に「ATTRACT」を入力、「Text response」に呼び込みセリフを入力します。ロボアプリ側で呼び込み設定をONにすると、設定したセリフが60秒間隔でランダムに発話されます。これらのテストと初期設定は、チャットボットの完成度を高め、ユーザーにとってより自然で使いやすいインタフェースを実現するために不可欠です。

3. インテントの追加 修正と削除

チャットボットの機能を拡張したり、修正したりする必要がある場合、インテントの追加や修正、削除を行うことができます。既にインポート済みの学習データを全て入れ替えたい場合は、学習データのCSVファイルを修正し、オンラインコンバーターでZIPファイルに変換し直す必要があります。一方、既存の学習データは変更せずに新しいインテントを追加したい場合は、「CREATE INTENT」ボタンから新しいインテントを作成し、インテント名と回答を入力します。「Agent training completed」と表示されれば学習完了です。不要なインテントを削除したい場合は、「Intents」メニューから削除ボタンをクリックし、モーダルで「DELETE」ボタンをクリックすることで削除できます。インテントの追加、修正、削除といった柔軟な操作性により、チャットボットはユーザーのニーズに合わせた最適な状態に維持することが可能になります。これらの機能を効果的に活用することで、より洗練されたチャットボットを構築できます。

III.ロボアプリ設定とデータ連携

SoftBankロボアプリポータル(http://www.softbank.jp/robot/biz/cloud-service/)から、Pepperのアプリ設定やアップデートを行います。 ロボアプリ配信管理機能を活用し、作成したチャットボットをPepperに配信します。「お仕事かんたん生成」機能を用いて、挨拶や締めトーク、フリートークなどを設定できます。さらに、Googleスプレッドシートと連携し、質問応答ログを記録・確認できます。スプレッドシートIDの設定は、ログデータの取得に必須です。ログデータには、head_idsbr_accountintent_nameなどの情報が含まれます。

1. ロボアプリポータルを用いたアプリ設定とアップデート

Pepperへのアプリ配信や設定は、SoftBankロボアプリポータル(http://www.softbank.jp/robot/biz/cloud-service/)を通じて行います。まず、ポータルにアクセスし、「ロボアプリ配信管理」をクリックしてログインします。SBRアカウントまたはアルデバランアカウントのメールアドレスとパスワードを入力してサインインします。ログイン後、Pepperの基本設定画面を開き、左から3番目の「アップデート」アイコンをタップすることで、アプリのアップデートを実行できます。「すべてのアプリケーションは最新版です」と表示されれば、アップデートは完了です。このロボアプリポータルは、Pepperのアプリ管理の中心的な役割を果たしており、アプリのアップデートや設定変更など、Pepperの運用に不可欠な機能を提供しています。常に最新の状態を保つことで、Pepperの機能を最大限に活用することができます。定期的なアップデートと確認は、円滑な運用に繋がります。

2. お仕事かんたん生成機能による設定

ロボアプリポータルでは、「お仕事かんたん生成」機能を使用して、Pepperの動作を簡単に設定できます。ポータルにアクセスし、「お仕事かんたん生成」をクリック、アルデバランアカウントでログインします。その後、呼び込みの設定、挨拶の設定、メニュー画面の設定、締めトークの設定など、Pepperの動作に関する様々な項目を設定できます。各項目では、「はい」を選択することで詳細な設定を行い、「いいえ」を選択することでデフォルト設定を使用できます。詳細な設定が必要な場合は、ドキュメントに記載されているURLを参照することで、より詳細な情報を得ることができます。特に、フリートークの設定は、メニュー以外の画面からメニュー表示に遷移した際に発話するトーク内容を設定するものであり、ユーザー体験の向上に役立ちます。これらの設定項目を適切に設定することで、Pepperの動作をカスタマイズし、ユーザーのニーズに合わせた最適な環境を構築できます。設定は、Pepperの機能性を最大限に引き出す上で非常に重要です。

3. Google スプレッドシートとの連携とログデータの確認

このシステムでは、Google スプレッドシートと連携して、Pepperの質問応答ログを記録・確認することができます。 スプレッドシートテンプレートをコピーし、スクリプトエディタでWebアプリケーションとして公開します。「アプリケーションにアクセスできるユーザー」を「全員(匿名ユーザー含む)」に設定し、公開されたURLの特定の部分(例:s/AKfycbx..)をロボアプリに設定することで、ログを受信できます。 ログデータには、idhead_idsbr_accountis_zatsudanis_correctsession_tokenintent_idintent_nameといった情報が含まれており、Pepperの動作状況やユーザーのインタラクションを分析する上で役立ちます。 ロボアプリの設定画面では、スプレッドシートIDの設定や、アプリ終了ボタンの表示設定、背景画像の登録なども可能です。背景画像は、jpg、jpeg、png、gif形式で、1280*800px以下、5MB以下のサイズが推奨されています。 スプレッドシートとの連携は、データの分析や改善に役立ち、チャットボットの精度向上に繋がる重要な機能です。

IV.ログデータの確認とトラブルシューティング

Google スプレッドシートでログを確認できます。各カラムには、idhead_idis_zatsudanis_correctsession_tokenintent_idintent_nameなどの情報が含まれ、Pepperの動作状況を分析できます。 トラブルシューティングとして、タブレットエラー(再起動が必要)やネットワークエラーへの対応方法が記載されています。 Pepperのディスプレイやボタンの連打、物理的な衝撃は避けてください。

1. Google スプレッドシートを用いたログデータの確認

システムはGoogle スプレッドシートと連携しており、Pepperの質問応答ログを記録・確認できます。設定で指定したスプレッドシートには、各インタラクションの詳細なデータが記録されます。各カラムには、自動生成されるID(id)、Pepper機体の固有ID(head_id)、登録されているSBRアカウント(sbr_account)、回答が雑談APIまたはFallbackIntentによるものかどうかを示す値(is_zatsudan)、ユーザーからのフィードバック(正解かどうか)(is_correct)、チャットセッションのトークン(session_token)、intentの固有ID(intent_id)、intent名(intent_name)などが含まれています。これらのデータは、チャットボットの精度向上や運用状況の把握に役立ちます。is_zatsudanは、ver1.0.6以降雑談機能が利用できなくなったため常にFALSEとなります。 スプレッドシートでログを確認することで、Pepperの動作状況を詳細に分析し、必要に応じて改善策を講じることが可能になります。 データ分析を通して、より効率的で正確なチャットボットを実現できます。

2. トラブルシューティング タブレットエラーとネットワークエラー

Pepperのアプリ運用において、タブレットエラーとネットワークエラーは主要なトラブルです。タブレットエラーが発生すると、黒い画面またはローディング画面でフリーズし、Pepperは「タブレットから反応がなくなりました。Pepperを再起動してみてください」と音声で知らせます。このエラーは、Pepperの再起動によって解決できることが多いです。一方、ネットワークエラーは、ネットワーク環境がオフラインの場合に発生します。アプリ起動時にネットワークエラーが発生した場合は、ネットワーク接続を確認する必要があります。これらに加えて、CSV変換中にエラーが発生することもあります。この場合、エラーメッセージが表示され、例えばintent_nameの値が重複している場合や、CSVファイルの文字コードがUTF-8でない場合などが原因として挙げられます。エラーメッセージの内容に基づき、適切な対処を行うことで問題を解決できます。これらのトラブルシューティング手順を理解しておくことは、スムーズなアプリ運用に不可欠です。

3. アプリケーションの注意点と安全上の配慮

Pepperアプリケーションを使用する際には、いくつかの注意点と安全上の配慮が必要です。Pepperのディスプレイやボタンを連打する操作は避けるべきです。また、Pepperに物理的な力を加えたり、衝撃を与えないように注意が必要です。特に、質問応答中、Pepperに近づきすぎると腕が当たり怪我をする可能性があるため、適切な距離を保つことが重要です。これらの注意点を遵守することで、Pepperの故障を防ぎ、安全な運用環境を維持することができます。Pepperは精密な機械であり、適切な取り扱いとメンテナンスによって、その機能を長く維持することができます。これらの点を常に意識することで、Pepperの長期的な活用と安全な運用が実現します。

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