
WV-CW960カラーテレビカメラ取扱説明書
文書情報
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 1.60 MB |
文書タイプ | 取扱説明書 |
概要
I.商品概要と主な機能
本機は1/4型CCDと30倍ズームレンズを搭載したドーム型監視カメラです。主な特長は、スーパーダイナミックⅢ機能(SUPER-DⅢ)によるクリアな映像、夜間白黒切替機能による夜間撮影の鮮明化、デジタルフリップ機能によるスムーズな被写体追跡、そしてファンヒーター内蔵による寒冷地での使用対応です。IP66防暴噴流形の防水仕様も備えています。用途は特定エリアの監視で、犯罪防止を保証するものではありません。
1. カメラの基本仕様と搭載機能
このドーム型監視カメラは、1/4型CCDと30倍ズームレンズを搭載し、プリセット機能付きの水平・垂直回転台を一体化しています。高画質のカラー映像を提供するだけでなく、様々な機能が搭載されています。特に、低照度環境下でも鮮明な映像を確保できる夜間白黒切替機能は、夜間の監視に威力を発揮します。また、デジタルフリップ機能により、カメラが真下を通過する被写体もスムーズに追跡撮影できます。さらに、寒冷地での使用を考慮し、ドームカバーへの雪や霜の付着を防ぐファンヒーターを内蔵しています。IP66防暴噴流形に準拠した防水仕様により、過酷な環境下でも安定した動作を期待できます。ただし、周囲温度-40℃以下の環境や、強風雪の環境下では使用できない点に注意が必要です。常時通電し、カメラ内部温度を-10℃以上に保つことが重要です。このカメラは特定エリアの監視を目的としており、単体では犯罪防止を保証するものではありません。
2. スーパーダイナミックⅢ機能 SUPER DⅢ とその他の機能
本機は、スーパーダイナミックⅢ機能(SUPER-DⅢ)を採用しており、明暗差の激しいシーンでも、よりクリアで自然な映像を提供します。この機能は、被写体の明るさに応じてレンズの絞りを自動調整するALC機能と併用することで、その効果を最大限に発揮します。監視中にモニター画面内で動きが検出されると、アラーム信号を送出する機能も備えています。この機能は、夜間の侵入検知やVTR録画システムとの連携に活用できます。これらの機能により、様々な監視環境やニーズに対応可能な高機能な監視カメラとなっています。 本機の動作には、スリップリングと呼ばれる部品が使用されており、この部品の汚れは画質劣化やノイズ発生の原因となる可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスが必要となる場合もある点に注意が必要です。
II.設置に関する注意事項
設置場所は販売店と相談の上、丈夫な壁面などを選んでください。天井への取り付けは落下事故のリスクがあるため注意が必要です。本機は吊り下げ専用で、水平に取り付けます。電源は常に通電し、カメラ内部温度が-10℃以上を維持してください。エアコン室外機付近など、温度変化の激しい場所での設置は避けてください。アース端子付きコンセント使用時は接地抵抗値(100Ω以下)を確認しましょう。セルフクリーニング機能(パン・チルト・ズーム・フォーカス動作)が電源投入時に動作します。
1. 設置場所の選定と注意点
カメラの設置は、販売店とよく相談の上、丈夫な壁面などを選んで行うべきです。天井や壁面への取り付けは、本体の不良以外の落下事故のリスクがあるため、取り付け方法の確認と安全対策を徹底する必要があります。落下事故による損害については、メーカーは一切責任を負いません。設置場所を選ぶ際には、温度変化の激しい場所(エアコン室外機付近など)は避けるべきです。ドームカバーの結露や曇りの原因となります。また、空気中の粉塵や排気ガスによる汚れも画質に悪影響を及ぼす可能性があるため、周囲の環境にも注意が必要です。常に最良の状態を維持するためには、設置環境の選定が非常に重要となります。 特に寒冷地での設置の場合は、周囲温度およびカメラ内部温度が-10℃以上になるよう、常時通電し、適切な対策を行う必要があります。-40℃以下の環境では使用できません。また、-40℃以上でも強風雪の場合は、ドーム内の霜や雪が解凍できない可能性があります。
2. 取り付け方法と必要な部材
本機は吊り下げ専用です。据え置きや傾けた状態での使用は、動作不良や寿命短縮につながるため避けてください。カメラは水平(ドーム下向き)に取り付ける必要があります。壁面への取り付けには、別売のカメラ壁取付金具(WV-Q122)を使用してください。ただし、吊り下げ、壁面、パイプ取り付け金具を天井や壁面に固定するためのボルトは付属していません。取り付け場所の材質、強度、総質量を考慮し、適切なボルトを別途ご用意ください。設置前に、アース端子付きコンセントを使用する場合は、接地抵抗値が100Ω以下であることを確認してください。これらの注意点を守り、適切な設置を行うことで、カメラの安定稼働と長寿命化を図ることができます。
3. 電源とセルフクリーニング機能
本機には電源スイッチがありません。電源工事を行う際には、カメラの電源のオンオフを制御できるようにしてください。電源投入時には、セルフクリーニング機能(パン・チルト・ズーム・フォーカス動作)が自動的に動作します。これは、スリップリングの汚れを除去し、画質の劣化やノイズの発生を防ぐための機能です。この機能は内部温度が10℃以下になると自動的に動作しますが、-40℃以下の極寒環境下では、ドームに付着した雪や霜の解凍ができない場合があります。寒冷地での使用を検討する場合は、周囲温度とカメラの内部温度に十分注意し、適切な対策を行う必要があります。また、機器の組み合わせは制限があるため、接続する前に定格や外観寸法をよく確認し、必要に応じて販売店に相談してください。
III.カメラ設定とメニュー
セットアップメニューでは、言語設定、カメラID設定、ALC/MANUAL設定、シャッター速度設定、ホワイトバランス調整、映像出力レベル調整など、様々な設定が可能です。SUPER-DⅢ機能のON/OFFもここで設定します。システムコントローラー(WV-CU650)を使った操作方法が記載されています。設定情報はダウンロード・アップロードできますが、カメラ交換時は位置ずれ調整が必要となる場合があります。
1. セットアップメニューの概要と表示方法
カメラの設定は全て「セットアップメニュー」から行います。本書では、システムコントローラーWV-CU650を使用した操作方法を説明しています。メニューへのアクセスは、「SET」項目にカーソルを合わせ、カメラ(セット)ボタンを押すことで行えます。言語設定変更中は「SET」項目が点滅し、操作を避ける必要があります。言語変更時は、設定されているIDやタイトルは消去される点に注意が必要です。 様々な設定項目があり、個々の項目については、お使いの機器の取扱説明書を参照ください。システムコントローラーには、カメラの設定情報をダウンロード(保存)し、アップロード(回復)する機能があります。これは予期せぬ障害からの復旧に役立ちますが、カメラ交換時は微妙な位置ずれが生じる可能性があり、「PAN OFFSET SET」機能で調整が必要となる場合があります。
2. カメラ設定項目の詳細
セットアップメニューには、カメラIDの設定(英数記号・カタカナで場所を指定)、ALC/MANUALの設定(ALCは自動絞り調整、SUPER-DⅢ機能使用時はこの設定)、映像出力レベル(コントラスト)の調整などがあります。SUPER-DⅢ機能がONの場合、レベルをやや上げると効果的ですが、上げすぎると残像やノイズが増える可能性があります。シャッター速度設定はSUPER-DⅢ機能のON/OFFで設定項目が変化します。同期方式(SYNC)の設定では、内部同期(INT)と電源同期(LL)を選択できますが、条件によっては選択できない場合があります。ホワイトバランス調整は「PUSH SET」ボタンを用いて行い、完全に調整できない場合は照度などを確認する必要があります。カメラ映像を白黒で表示する際は、モニターやVTRによってはバースト信号が必要となる場合があります。
IV.パン チルト設定とアラーム設定
パン・チルト設定では、プリセットポジション、パトロール設定、自動追尾設定などが可能です。アラーム設定では、モーションディテクター機能(48ブロック分割輝度変化検知)によるアラーム、プリセットアラーム、外部アラーム入力への対応を設定できます。モーションディテクターは誤動作を防ぐため、感度調整やマスク設定が重要です。デジタルフリップ機能は垂直方向0°~180°のワンモーション回転を実現します。
1. パン チルト設定 プリセット パトロール 自動追尾
パン・チルト設定では、プリセットポジションの設定、パトロール動作の設定、そして自動追尾機能の設定を行うことができます。プリセットポジションは、あらかじめカメラの向きを記憶しておき、ワンタッチでその位置に移動させる機能です。パトロール動作では、あらかじめ設定した複数のプリセットポジション間を自動的に旋回します。この際、各ポジションでの停止時間を設定することも可能です。自動追尾機能は、画面上の動く物体を自動的に追尾する機能ですが、水平方向から真下までの範囲に限られ、デジタルフリップ機能は動作しません。また、パンの動作範囲はPAN LIMIT設定で制限できます。パトロール動作中はオートフォーカス機能が動作せず、ズーム操作時はテレ側からの操作が推奨されます。デジタルフリップ機能を使用すると、垂直方向0°~180°をワンモーションで回転でき、真下を通過する被写体の追跡に役立ちます。(135°付近で画像の上下左右反転)
2. アラーム設定 モーション検知 プリセットアラーム 外部アラーム入力
アラーム設定では、モーションディテクター、プリセットアラーム、外部アラーム入力の3つの機能を設定できます。モーションディテクターは、画面を48ブロックに分割して輝度の変化を検知し、動きを検出するとアラーム信号を送出します。検出感度レベルや検出エリア(マスク設定)を調整することで、誤検知を抑制できます。低照度環境や急激な照度変化(車のヘッドライトなど)では誤動作の可能性があるため注意が必要です。アラーム検出後、設定した復帰時間経過後に次のアラーム検知が可能になります。プリセットアラームは、カメラの向きがプリセットポジションに移動完了した際にアラームを出力する機能です。外部アラーム入力は、外部からのアラーム信号を受けた際のカメラ動作を設定できます。モーションディテクターをMODE1またはMODE2に設定すると、VTRのタイムコードなどを使用する機器と互換性がない可能性があります。
V.免責事項と安全上の注意
本製品は監視を目的とし、犯罪防止を保証するものではありません。弊社は、偶発的・特殊・結果的損害、お客様の故意・誤使用による損害、お客様による分解・修理・改造による故障などに対して一切責任を負いません。安全のため、取扱説明書をよく読んで正しく使用してください。蒸気や油分の多い場所での使用は避けてください。カメラクリーニングと自己診断機能についても説明があります。
1. 免責事項 責任範囲の限定
本製品は特定エリアの監視を目的としたものであり、犯罪防止を保証するものではありません。そのため、メーカーは以下について一切の責任を負いません。まず、本商品に関連して直接または間接的に発生した偶発的、特殊、または結果的な損害・被害については免責とします。これは、予期せぬ事態や、通常の使用範囲を超えた状況で発生した損害などを含みます。次に、お客様の故意、誤使用、不注意による障害や製品の損傷についても責任を負いません。これは、使用方法の誤りや、取り扱い上の不注意による故障などを含みます。さらに、お客様による製品の分解、修理、改造によって発生した故障や不具合についても、その原因の如何に関わらず責任を負いません。これらの免責事項は、製品の安全な使用と適切なメンテナンスの重要性を強調しています。
2. 安全上の注意 取扱上の注意点とリスク回避
本製品を使用する際は、使用者や周囲の人々への危害、財産への損害を未然に防ぐため、安全上の注意を必ず守る必要があります。取扱説明書に記載されている内容を無視して誤った使用方法をした場合に発生する危害や損害は、その程度によって分類され、説明されています。具体的には、蒸気や油分の多い場所(厨房など)での使用は避けるべきです。長期間の使用により、モニターにノイズが入ったり、プリセットポジションがずれる可能性があります。また、外来ノイズの影響で異常動作が30秒以上続いた場合は、カメラが自動的にリセット動作を行い正常な状態に戻ります。しかし、頻繁にリセット動作が発生する場合は、設置環境に問題がある可能性があり、早急に原因究明と対策が必要です。常に最適な状態を維持するためには、定期的な点検や清掃も重要です。スリップリングの汚れは画質の劣化やノイズ発生の原因となるため、注意が必要です。