
オセアニア地理対策:試験必勝法
文書情報
著者 | A.L.T. |
専攻 | 社会(地理) |
文書タイプ | 学習資料 |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 791.47 KB |
概要
I.オーストラリアと先住民族 白豪主義 政策と 多文化社会 への移行
オーストラリアは、16世紀後半からのヨーロッパ諸国の進出により、アボリジニ(先住民族)の生活が大きく変化しました。イギリスによる植民地化、キリスト教の伝播、そして1970年代まで続いた白豪主義政策により、アボリジニの人口は激減しました。現在では、アジア諸国からの移民も積極的に受け入れ、多文化社会の構築を目指しています。この歴史的背景と現状を理解することは、オーストラリアの社会・文化を理解する上で重要です。
1. ヨーロッパの進出とアボリジニの生活変化
16世紀後半からヨーロッパ諸国がオーストラリアに進出したことで、狩猟・採集生活を送っていたアボリジニ(オーストラリアの先住民族)の生活は劇的に変化しました。ヨーロッパ系の移民による国づくりが進み、キリスト教が普及しました。この過程で、アボリジニはヨーロッパから持ち込まれた社会制度や病気への対応に苦しみ、人口は激減しました。彼らの伝統的な生活様式や文化は、ヨーロッパの植民地化によって大きな影響を受け、多くの困難に直面したことが分かります。
2. 白豪主義政策とその終焉
1970年代までオーストラリアでは、白豪主義という政策が実施されていました。これは、ヨーロッパ系以外の移民を制限する政策で、特に19世紀後半から増加した中国からの移民との対立を背景に生まれたと考えられます。白豪主義は、オーストラリアの民族構成に大きな影響を与え、多様な文化の共存を阻害する要因となりました。しかし、現在ではこの政策は廃止され、アジアなどからの移民を積極的に受け入れるようになり、社会の多様化が進んでいます。
3. 多文化社会への取り組み
白豪主義政策の後、オーストラリアは多文化社会の構築を目指し、様々な取り組みを行っています。多文化社会とは、多様な民族が共存し、それぞれの文化を尊重する社会のことです。この目標を達成するために、オーストラリア政府は移民政策の見直し、文化交流の促進、多様な文化の理解を深めるための教育など、様々な施策を推進していると考えられます。これらの取り組みは、オーストラリア社会の統合と発展に不可欠であり、今後の更なる発展が期待されます。 資料からは具体的な施策の内容までは読み取れませんが、多文化共存に向けた努力がなされていることが示唆されています。
II.北海道 自然環境と アイヌ文化 そして近代化
北海道は、かつてアイヌの人々が暮らしていた土地です。明治時代以降、政府による開拓事業により、大規模な農業(稲作、酪農、畑作)が発展しました。しかし、同時にアイヌの人々は土地を奪われ、人口は減少しました。現在では、アイヌ文化の継承に向けた取り組みが行われています。また、北海道は豊かな自然環境を活かした観光産業(札幌雪まつり、流氷観光、エコツアーなど)が盛んで、火山や温泉なども重要な観光資源です。近年は、安い輸入農産物との競争、開発による自然破壊といった課題にも直面しています。
1. アイヌ文化と明治以降の開拓
北海道は、古くからアイヌの人々が暮らしてきた土地です。しかし、明治時代以降、政府は北海道開拓使を置き、大規模な開拓事業を行いました。各地からの移住者や屯田兵による開拓は、農業の発展をもたらしましたが、同時にアイヌの人々は土地を奪われ、人口が減少しました。この開拓事業は、北海道の自然環境や社会構造に大きな変化をもたらし、アイヌ文化の継承にも大きな影響を与えました。現在では、アイヌ文化の保護と継承に向けた取り組みが行われていますが、歴史的な負の遺産も残っていると言えるでしょう。
2. 北海道の農業 稲作と酪農を中心に
北海道の農業は、気候条件によって地域特性が異なります。石狩平野は、客土や排水設備の整備、品種改良によって、日本有数の稲作地帯となりました。一方、根釧台地は寒冷な気候のため、酪農が盛んに行われています。近年では、安い輸入農産物との競争が激化し、北海道の農業経営は厳しい状況に置かれています。そのため、食の安全に配慮した農産物の生産に力を入れていると記述されています。このことは、北海道農業の課題と将来展望を考える上で重要なポイントと言えるでしょう。
3. 北海道の気候と生活様式
北海道は冷帯(亜寒帯)に属し、冬が長く、夏が短いことが特徴です。冬の寒さは厳しく、真冬日は珍しくありません。特に日本海側では、北西の季節風によって多量の降雪が見られます。オホーツク海沿岸では流氷が接近します。このような厳しい気候条件の中で、北海道の人々は、二重窓や断熱性の高い壁を持つ住居、ロードヒーティングなどの工夫によって、生活しています。雪の活用(雪室)や自然エネルギー(風力・太陽光発電)の利用も積極的に行われており、自然環境と共存する知恵が感じられます。
4. 北海道の観光産業 自然と文化を活かして
北海道では、豊かな自然環境を活かした観光産業が盛んです。火山周辺の温泉、富良野の花畑など、多くの観光資源があります。札幌雪まつりは冬の観光客を呼び込み、近年では韓国やオーストラリアからのスキー客も増加しています。知床半島の世界自然遺産登録や国立公園の指定は、自然環境の保全と観光の両立を目指した取り組みです。エコツーリズムも盛んになり、自然環境と観光産業のバランスが課題となっています。観光客誘致と環境保全の両立が、今後の北海道の観光産業における重要なテーマと言えるでしょう。
III.東北地方 伝統と近代化の融合 伝統産業 と 農業
東北地方は、稲作が盛んな日本の穀倉地帯であり、りんごやさくらんぼなどの果樹栽培も発達しています。また、南部鉄器(岩手県)、津軽塗(青森県)、会津塗(福島県)などの伝統産業が有名です。近年は、東北自動車道や東北新幹線の開通により、工業団地の開発が進み、機械工業なども発展しています。しかし、伝統産業は、安い製品の増加や職人の高齢化といった課題を抱えています。青森ねぶた祭り、秋田竿燈まつり、仙台七夕まつりなどの伝統芸能と祭りも重要な文化資源です。仙台市は、東北地方の中枢都市として発展しています。
1. 東北地方の農業 穀倉地帯としての役割と課題
東北地方は、庄内平野、秋田平野、仙台平野などを中心に稲作が盛んであり、日本の穀倉地帯として重要な役割を担っています。品種改良によって冷害に強い、おいしい米「あきたこまち」や「ひとめぼれ」などが生産され、ブランド米として高い評価を得ています。しかし、近年は食生活の変化による米の消費量の減少や、減反政策の影響もあり、農業経営は容易ではありません。果樹栽培も盛んで、津軽平野のりんご、山形盆地のさくらんぼや洋なし、福島盆地のモモなどが有名です。これらの農業形態は、東北地方の経済や文化に深く根付いています。 さらに、近年は安い輸入農産物との競争も激化しており、今後の農業経営のあり方が問われています。
2. 東北地方の伝統産業 現状と課題
東北地方には、津軽塗(青森県)、会津塗(福島県)、天童将棋駒(山形県)など、多くの伝統産業があります。これらの伝統産業は、地元の資源を活かして発展してきた歴史を持ち、高い技術と伝統を受け継いでいます。南部鉄器(岩手県)は、地元の鉄や木炭、北上川の水運を利用して発展しましたが、アルミニウムの普及などにより生産量は減少しました。しかし、新しいデザインの製品開発など、時代の変化に対応した取り組みも行われています。多くの伝統産業は、安い製品の増加や職人の高齢化、後継者不足といった課題に直面しており、これらの課題への対策が急務となっています。
3. 東北地方の工業 交通網整備と産業構造の変化
東北地方は、かつては交通網の整備が不十分で、工業の発展が遅れていました。しかし、東北自動車道や東北新幹線の開通によって、内陸部を中心に工業団地が開発され、関東地方との連携も強まり、コンピューターなどのハイテク産業が発展しました。機械工業も盛んであり、ICや電子機械、自動車などの工場が進出しています。北上高地の肉牛や青森ヒバ、秋田杉などのブランド化された畜産物、林産物も存在し、多様な産業が発展しつつあります。伝統産業と近代産業が共存する、東北地方の産業構造の変化は、今後の地域経済を考える上で重要な要素となっています。
4. 東北地方の祭り 伝統芸能 農作業との関わり
東北地方には、青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、仙台七夕まつりなど、多くの祭りや伝統芸能があります。これらの多くは、米の豊作を祈るものなど、稲作や畑作などの農作業と深く関わっており、農作業の一年間のサイクルと密接に結びついた年中行事も数多く残っています。角館の武家屋敷などの伝統的な町並みも、重要な文化財として保護され、観光資源となっています。これらの祭りや伝統芸能は、東北地方の豊かな文化を象徴するものであり、地域のアイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしています。地域の活性化にも貢献しており、その継承と発展が望まれています。