2017 年度

初習言語ガイド:大学で学ぶ外国語

文書情報

学校

金沢大学

専攻 言語学、人文科学、社会科学、自然科学など
場所 金沢
文書タイプ ガイドブック
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 3.54 MB

概要

I.初習言語学習 金沢大学での語学研修プログラム

金沢大学では、多様な語学研修プログラムを提供しています。ドイツ語, フランス語, スペイン語, ロシア語, 中国語, 朝鮮語, 古代ギリシャ語, ラテン語など、幅広い言語を学ぶことができます。各言語コースでは、語学力向上はもちろん、異文化体験も重視したカリキュラムが組まれています。短期集中サマーコース長期交換留学プログラムなど、学習期間も多様で、学生のニーズに合わせた学習が可能です。例えば、ドイツ語ではレーゲンスブルク大学やデュッセルドルフ大学との協定校プログラム(2015年度23名参加、2016年度10名派遣)、フランス語ではオルレアン大学での語学研修(参加費45~50万円程度)などが人気です。ロシア語では、カザン大学への留学(2014年度野村唯氏留学)も可能です。中国語は、台湾での3週間語学研修プログラムも提供しています。それぞれのプログラムでは、ホームステイを通して現地の文化に触れる機会も豊富に用意されています。

1. 金沢大学における 語学研修プログラム の概要

金沢大学は、学生の国際性を高めるため、多様な初習言語の学習機会を提供しています。ドイツ語, フランス語, スペイン語, ロシア語, 中国語, 朝鮮語, ギリシャ語, ラテン語など、幅広い言語の語学研修プログラムが用意されており、短期サマーコースから長期交換留学まで、様々な学習プランを選択できます。 短期プログラムとしては、ドイツ語のサマーコースが例として挙げられており、ドイツのレーゲンスブルク大学デュッセルドルフ大学で4週間のコースが開講されています。2015年度には23名(うち2名は信州大学)の学生が参加し、語学研修とゼミに参加しました。このコース修了時には、単位認定も受けられます。さらに、長期プログラムとして、レーゲンスブルク大学, デュッセルドルフ大学, ジーゲン大学への1年間の交換留学も可能です。2016年度には10名の学生が留学しています。フランス語においてはオルレアン大学での語学研修が紹介され、ホームステイを通してフランス語文化を学ぶ機会が提供されています。この研修は、教員のサポート体制やホームステイ形式、日本語学習者との交流、パリへのアクセス良さなどがメリットとして挙げられています。参加費、航空券、お小遣いを含め、年間45~50万円程度の費用が目安です。ロシア語に関しては、カザン大学への留学経験者の体験談が紹介され、タタールスタン共和国の文化に触れる機会やロシア人の温かさ、多様な留学生との交流が語られています。中国語では、台湾での3~4週間の語学研修プログラムの存在が示唆されています。これらのプログラムを通して、学生は語学力の向上だけでなく、異文化理解を深めることができます。

2. 各言語別プログラム詳細と 留学 体験談

文書では、いくつかの言語について具体的な語学研修プログラム留学体験談が紹介されています。ドイツ語については、レーゲンスブルク大学デュッセルドルフ大学でのサマーコースに加え、1年間の交換留学プログラムが紹介されており、理系分野での意外な活用例や、ドイツ文化、観光の魅力が強調されています。フランス語については、オルレアン大学での語学研修が詳しく説明されており、ホームステイによる文化交流の重要性や、研修参加者の体験談を通して、実践的な学習効果や異文化理解の深まりが示されています。ロシア語については、カザン大学への留学体験談が掲載されており、−30度にもなる厳しい気候や、ロシア人の温かさ、多様な留学生との交流などが語られています。体験談では、ロシア語学習を通して、コミュニケーション能力の向上や、ロシアという国への理解が深まったことが強調されています。これらの体験談は、語学研修留学が、語学力の向上だけでなく、異文化理解人間関係の構築に大きく貢献することを示しています。 それぞれのプログラムにおいて、ホームステイを通して現地の文化を肌で感じ、実践的に言語を学ぶ機会が提供されている点が共通して強調されています。

3. 初習言語 選択における考慮点と各学部への関連性

初習言語の選択は学生自身の自由意志に委ねられていますが、将来の進路や専門分野を考慮することが重要です。文書では、特に経済学類や法学類の学生にとって、初習言語の習得が専門科目の理解を深める上で役立つ可能性が示唆されています。経済学類の「比較社会経済コース」では、アジア地域やヨーロッパ地域を重点的に学ぶため、アジア地域に関心のある学生は中国語や朝鮮語、ヨーロッパ地域に関心のある学生はヨーロッパ系言語の履修が推奨されています。また、「経済理論・経済政策コース」や「経営・情報コース」でも、アジアやヨーロッパ地域に関する事例が多く登場するため、初習言語の知識が役立ちます。法学類においても、法理学、法思想史など、いくつかの専門科目でドイツ語の知識が役立つ可能性が示唆されています。しかし、どの学部においても、特定の初習言語の履修が必須条件となる科目は存在しません。学生は自身の関心や将来のキャリアプランを考慮し、最適な初習言語を選択することが大切であると結論づけられています。

II.各言語の学習メリットと就職への活用

各言語の学習は、専門分野の知識を深めるだけでなく、将来のキャリアにも大きく役立ちます。ドイツ語は理系分野(環境工学など)や人文科学分野(音楽、美術、哲学など)で、フランス語は映画、ファッション、医学、建築などで、ロシア語は天然資源関連ビジネスや地方自治体での公務員として、中国語は日中間のビジネスや留学生との交流において、朝鮮語は韓流ブームによる需要の高まりや韓国企業とのビジネスで、それぞれ活用できます。特に、国際学類や経済学類、法学類では、履修言語が専門科目の理解を深める上で役立ちます。 経済学類の比較社会経済コースでは、アジア地域に関心があれば中国語・朝鮮語、ヨーロッパ地域に関心があればヨーロッパ系言語が役立ちます。

1. 就職活動における 語学力 の重要性と 言語 別メリット

現代社会において、語学力は就職活動において大きなアドバンテージとなります。特に、国際的な企業やグローバルな展開を目指す企業では、英語以外の言語の習得が評価される傾向にあります。文書では、ドイツ語, フランス語, ロシア語, 中国語, 朝鮮語のそれぞれの言語が、どのような分野で役立つのかが説明されています。ドイツ語は、環境工学などの理系分野や、音楽、美術、哲学、文学などの人文科学分野で役立ちます。特に、ドイツ語圏の企業で働く場合や、ドイツ語圏の文化や歴史を深く理解する必要がある場合に役立ちます。フランス語は、映画、ファッション、医学、建築などの分野で活用できます。日仏間の経済交流が盛んな現在、フランス語のスキルはビジネスシーンでも有効です。ロシア語は、天然資源が豊富なロシアへの進出を図る日本企業にとって重要な言語です。また、北陸地方の自治体で働く場合にも、ロシア語の能力は大きな強みとなります。中国語は、日中間の経済関係が非常に強いことを考えると、ビジネスシーンでの需要は高く、留学生との交流においても必須と言えるでしょう。朝鮮語は、韓流ブームの影響で需要が高まっており、韓国企業とのビジネスや韓国文化への深い理解が必要な場面で役立ちます。これらの言語を学ぶことで、就職活動における選択肢が広がり、より多くの企業から注目される可能性が高まります。

2. 専門分野と 言語 の関連性 学部 コース別視点

言語学習は、専門分野の学習にも大きく貢献します。文書では、経済学類と法学類を例に、言語の学習が専門科目の理解を深める上でどのように役立つのかが説明されています。経済学類の「比較社会経済コース」では、アジア地域を重点的に学ぶため、中国語や朝鮮語の知識が役立ちます。ヨーロッパ地域を重点的に学ぶ場合、ヨーロッパ系の言語の知識が重要になります。「経済理論・経済政策コース」や「経営・情報コース」でも、アジアやヨーロッパ地域の事例が多く登場するため、関連する言語の知識があると理解が深まります。法学類においては、法理学、法思想史、西洋法制史、憲法、行政法、刑法、民法、民事訴訟法、労働法といった科目で、ドイツ語の知識が役立つ可能性があります。これらの例からも分かるように、言語学習は、単なる語学学習にとどまらず、専門分野の学習を深め、より高度な理解を促進する上で重要な役割を果たします。学生は自身の興味や将来のキャリアパスを考慮し、最適な言語を選択することで、専門知識の習得とキャリア形成の両面で大きなメリットを得られるでしょう。

III.学習の難易度と学習方法

各言語の学習難易度は様々です。スペイン語は発音規則が比較的簡単で、ローマ字読みが多い為、日本人にとって習得しやすいと言われています。一方、ギリシャ語ラテン語は文法が複雑ですが、現代語の語源を理解する上で非常に役立ちます。どの言語も、継続的な学習と実践的なコミュニケーションが上達への近道です。映画やドラマ、音楽などを活用した楽しく効果的な学習方法を見つけることも重要です。

1. 言語学習の難易度 スペイン語 と ギリシャ語 の比較

言語学習の難易度は、言語によって大きく異なります。文書では、スペイン語ギリシャ語の学習難易度が対比的に示されています。スペイン語は、発音規則が比較的簡単で、ローマ字読みが多いことから、日本人にとって比較的習得しやすい言語として紹介されています。母音は5つだけで、英語のように複雑な発音記号を覚える必要がない点がメリットとして挙げられています。一方、ギリシャ語は、名詞の「性」、「数」、「格」、動詞の「人称」、「相」など、複雑な文法要素が多く、学習には相当の時間を要するとされています。 文書では、ギリシャ語を学ぶ学生の体験談が紹介されており、単語の発音や文法の習得に苦労している様子が詳細に描写されています。 語彙の習得に関しても、スペイン語ではローマ字読みが多いので比較的容易ですが、ギリシャ語では、特に中級レベル以降、抽象的な単語が増えるため、語彙力の向上が難しくなることが示唆されています。しかし、両言語とも、継続的な学習と実践的な活用が不可欠であり、学習方法次第で習得は可能であることが強調されています。 学習の継続性を高めるためには、楽しみながら学ぶ方法を見つけることが重要であるとされています。

2. 効果的な学習方法 実践と継続の重要性

どの言語を学ぶ場合でも、効果的な学習方法が重要です。文書では、スペイン語学習の体験談を通して、学習方法の重要性が強調されています。体験談では、サラマンカ大学に留学した学生が、現地学生と同じように学部生として勉強した結果、専門的な知識や語彙力、読解力、聞き取り能力が短期間で飛躍的に向上したと報告しています。これは、実践的な学習環境に身を置くことによって、学習効果が飛躍的に高まることを示しています。 さらに、フランス語学習の体験談では、ホームステイを通して、その日に学んだことをすぐに実践できる環境が、学習効果の向上に大きく貢献したことが述べられています。 これらの体験談から、効果的な言語学習には、実践的な学習環境と継続的な学習姿勢が不可欠であることがわかります。 言語を学ぶ上での困難や挫折を経験したとしても、それを乗り越えることでコミュニケーション能力の向上や、異文化理解の深まりといった大きな喜びが得られることが強調されています。 また、朝鮮語学習においては、韓流ブームを活用した学習方法、例えば映画やドラマ、音楽などを用いた学習法が有効であると示唆されています。 学習方法は様々ですが、継続的に学習し、実践的に活用することで、必ず語学力の向上につながることが強調されています。

3. 朝鮮語 と スペイン語 の学習における留意点

文書では、朝鮮語スペイン語の学習における特徴的な点も指摘されています。朝鮮語は、日本語と文法的に類似点が多く、特に漢字語の理解が比較的容易であるため、日本人にとって学習しやすい言語であると述べられています。 しかし、韓国と日本の国際関係や国民感情といった社会文化的背景から、「近くて遠い国」と認識されているため、学習開始のきっかけを見つけることが重要であるとされています。スペイン語については、発音規則が比較的簡単で、ローマ字読みが多いというメリットがある一方で、動詞の活用が豊富であるため、それぞれの活用形を一つずつ覚える必要があると説明されています。 どちらも、学習開始のきっかけや学習方法、継続的な努力が、学習の成功に繋がる重要な要素であることを示唆しています。 特に、スペイン語の学習においては、発音や文法の間違いを恐れることなく、積極的に話すことを通してコミュニケーション能力を向上させることが大切であると強調されています。