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中間決算短信:シーアンドエスHD

文書情報

著者

株式会社シーアンドエス

出版年 2002
会社

株式会社シーアンドエス

場所 愛知県
文書タイプ 中間決算短信
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 151.96 KB

概要

I.経営概要 Company Overview

シーアンドエス株式会社(C&S)は、ユニー株式会社を親会社とする持株会社として、サークルケイ・ジャパン株式会社と株式会社サンクスアンドアソシエイツのコンビニエンスストア事業を統括しています。両社は、エリアフランチャイズ方式によるコンビニエンスストア店舗展開を行い、北海道から鹿児島まで35都道府県に展開(平成13年8月末現在)。平均日販55万円を目指し、「オペレーション55会議」を開催し、加盟店指導力の強化、商品開発力強化など経営戦略を推進しています。平成13年7月1日には両社の全株式を所有する持株会社として発足し、事業統合を実現。グループ全体の売上高は、平成13年8月中間期で4,394億円(エリアフランチャイザーを含むグループ全体では5,322億円)を達成しました。

1. 会社概要と事業内容

株式会社シーアンドエスは、ユニー株式会社の企業グループに属する持株会社として、平成13年7月にサークルケイ・ジャパン株式会社と株式会社サンクスアンドアソシエイツの完全子会社化、商号変更を経て発足しました。主要事業は、両子会社によるコンビニエンスストアのフランチャイズチェーン展開であり、エリアフランチャイズ方式による店舗展開を許可しています。平成13年8月末現在、北海道から鹿児島まで35都道府県に展開しており、コンビニエンスストア業界における競争激化を背景に、業界トップクラスの事業規模と安定的な利益成長率の維持を目指しています。両子会社は、一定の独自性を保ちつつ、競争と連携によってレベルアップを図り、加盟店、従業員、株主の満足度向上を目指しています。 具体的な取り組みとして、平均日販の向上(3~4年後には55万円を目標)、加盟店指導力の強化、商品開発力の強化などを掲げており、グループ全体で目標達成に向けた「オペレーション55会議」を定期的に開催しています。この会議では、事業戦略の進捗状況と徹底を図るための議論が行われています。

2. 事業統合と経営戦略

コンビニエンスストア業界の競争激化への対応として、サークルケイ・ジャパン株式会社と株式会社サンクスアンドアソシエイツの全株式を所有する持株会社として、平成13年7月1日にシーアンドエス株式会社が発足しました。この事業統合により、両社の事業はシーアンドエス株式会社の下に統合されましたが、両事業会社は当面、一定の独自性を保ちつつ、競争と連携を推進することで、更なる成長を目指しています。経営の基本方針として、業界トップクラスの事業規模と安定的な利益成長率の維持、業界一の顧客満足度の達成を掲げています。 中長期的な経営戦略として、「集中と分散」をキーワードに、マーケティング活動、情報システム開発、e-ビジネスなど、効果的な分野に経営資源を集中させる一方、事業会社においては安定的な良質店の出店、平均日販の向上、加盟店指導力の強化、商品開発力の強化など、ファンダメンタルズの強化と向上を目指しています。これらを通して、企業価値の最大化と社会貢献を目指しています。

3. 組織体制とガバナンス

持株会社としての機能を整備するため、マーケティング本部、資金管理本部、システム本部の3本部、総合企画室、e-ビジネス事業部の組織体制を構築しました。グループ利益の最大化を図るため、経営戦略会議を設置し、戦略上の重要事項を討議し、グループ会社間の意志統一と徹底を図っています。この会議には、シーアンドエスの常勤取締役、常勤監査役、両事業会社の社長が参加しています。 コーポレートガバナンスの充実にも力を入れており、株主をはじめ投資家やマスコミなど関係機関からの経営モニタリングを認識し、経営状況等について積極的に情報開示を行うことでオープンな経営を目指しています。具体的には、ニュースリリース、説明会開催、取材対応、ホームページでの情報発信などを行っています。上場会社としての株主に対する経営責任を果たす一方、両事業会社はグループ内で合意した数値に対する執行責任を負い、それぞれの独自性を尊重しつつ、競争と連携によって経営を展開しています。

4. 親会社との関係と資本構成

シーアンドエス株式会社は、ユニー株式会社を中核とするユニーグループに属しています。ユニー株式会社はシーアンドエスの株式を46.7%保有する親会社であり、連結経営の重視とグループ各社相互の連携により、地域社会への貢献と業績向上に努めています。重要な事項については、親会社の助言と承認を得ていますが、スーパーストアとコンビニエンスストアという業態の違いから、コンビニエンスストアの経営戦略については、当社の独自性が尊重されています。 平成13年7月の株式交換と会社分割により、株式会社サンクスアンドアソシエイツを完全子会社化し、新株式を発行しました。 子会社であるサークルケイ・ジャパン株式会社と株式会社サンクスアンドアソシエイツは、コンビニエンスストア事業の中核企業であり、それぞれ独自のブランドで事業を展開しています。主要な人事やグループ戦略についてはシーアンドエスが承認・決定しますが、具体的な施策については各事業会社の決定に委ねられています。

II.経営成績 Financial Performance

平成13年8月中間期の連結営業総収入は786億5800万円(前年同期比108.2%)。厳しい経営環境の中、営業利益経常利益純利益においても好調な実績をあげています。既存店の売上は、天候不順の影響を受けながらも前年比99.6%とほぼ横ばい。商品部門では、ファーストフードやDHC商品が好調で、平均値入率はサークルKが28.3%、サンクスが29.0%と向上しました。投資活動では、新規店舗出店やシステム投資による支出が目立ちました。通期の見通しは、米国同時多発テロの影響なども考慮し、連結経常利益233億円、連結当期純利益121億円を目指します。チェーン全店の売上高は8,680億円(前年比106.7%)、グループ全体では1兆545億円(前年比108.1%)を計画しています。

1. 当中間期の連結営業成績

平成13年8月中間期の連結営業総収入は786億5800万円(前年同期比108.2%)でした。これは、厳しい経済環境下、特にIT関連業界の失速や個人消費の低迷、デフレの深刻化、コンビニエンスストア業界における競争激化といった逆風の中でも達成された結果です。 詳細な数値は開示されていませんが、営業利益、経常利益、純利益においても好調な推移を示しており、売上高の増加に貢献した要因としては、ファーストフードやDHC商品などの好調な販売、猛暑によるソフトドリンクの売上増加、比較的値入率の低いサービス商品の売上構成比の低下などが挙げられています。また、マーケティング本部による両事業会社の合同商談の積極的な推進と、メーカー・ベンダーとの連携による値入率向上も貢献しました。7月上旬から8月にかけて実施した「とびっきりサマー2001キャンペーン」も売上向上に寄与しています。既存店売上は7月までは前年比100.6%と好調でしたが、8月の天候不順の影響で当中間期全体では99.6%と前年をわずかに下回りました。

2. 商品別売上動向と値入率

商品部門別では、サークルKとサンクスの両社において、ファーストフードの好調な販売が売上増加に大きく貢献しました。サークルKでは、「スーパークオリティ&スーパーバリュー」をコンセプトとした商品開発や、人気プロレスラーとのタイアップ商品などが売上を伸ばしました。サンクスでは、「お客様満足評点」を導入し、顧客視点からの店舗改善を推進することで、売上向上につなげました。 加工食品では、「ご当店ラーメン」シリーズなどの高付加価値商品が話題性を生み出し、売上増加に寄与しました。非食品では、帽子やDHC健康食品シリーズなどが好調に販売されました。サービス商品では、POSレジの発券機能を活用したJリーグチケットなどの地域特性に合わせた商品展開が売上増加に貢献しました。 当中間期における商品全体の平均値入率は、サークルKで28.3%、サンクスで29.0%となり、前年同期と比較して0.5%向上しました。これは、合同商談による値入率改善やメーカー・ベンダーとの連携による効果が表れたものと考えられます。

3. 投資活動とキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは、新規店舗の出店に伴う有形固定資産の取得(45億4700万円)、保証金の差入(39億4800万円)、新店舗情報システムや統合会計システムなどの無形固定資産の取得(29億6800万円)などにより、91億4400万円の支出超過となりました。 一方、営業活動によるキャッシュフローは、順調な業績により税金等調整前中間純利益が137億3800万円となったこと、減価償却費及び償却費が49億9500万円発生したこと、営業債務の増加などが要因となり、216億5000万円の収入超過となりました。 今後の展望としては、事業統合効果の更なる向上、商品の値入率改善、店舗コストの低減、両社合わせた売上規模1兆円のバイイングパワーを活用した競争力強化が挙げられています。具体的には、全ての部門で日販55万円達成を目標に情報と強みの共有、弱みの補完を進めていく方針です。

4. 通期の見通しと今後の課題

ITバブル崩壊や米国同時多発テロの影響により、世界経済の減速、消費環境の悪化が懸念されています。コンビニエンスストア業界も、消費低迷、デフレ、競争激化という厳しい経営環境が続くことが予想されます。このような状況を踏まえ、連結経常利益は233億円(前期比104.0%)、連結当期純利益は121億円(前期比150.5%)を目指し、期初の計画を上回る数値の達成に努力していくとしています。 チェーン全店の売上高は8,680億2600万円(前期比106.7%)、エリアフランチャイザーを含むグループ全体では1兆545億7500万円(前期比108.1%)を見込んでいます。新規出店数は、サークルK204店、サンクス250店、エリアフランチャイザー186店の合計640店を計画し、平成14年2月期末には総店舗数が5981店(462店増)となる見込みです。

III.中期経営計画 Mid term Management Plan

業界トップクラスの事業規模と安定的な利益成長率の維持を目指し、顧客満足度向上に注力。株式分割(1:1.2)を実施、記念配当を含む中間配当は1株あたり16円、期末配当は14円を予定しています。マーケティング本部、資金管理本部、システム本部の3本部と総合企画室、e-ビジネス事業部を設置し、グループ全体の利益最大化を追求。情報システム統合によるコスト削減、合同商談による値入率改善、e-ビジネス展開などを推進しています。 加盟店平均日販向上のため、良質な加盟店の確保、加盟店指導力の強化、情報システムの活用、新商品開発などを積極的に推進しています。

1. 成長戦略と目標設定

中期経営計画においては、業界トップクラスの事業規模と安定的な利益成長率の維持を目標としています。 これは、コンビニエンスストア業界における競争激化という厳しい状況を踏まえた上で、高い成長性を維持していくためには不可欠な要素だと判断しているためです。具体的には、サークルKとサンクスの両事業会社が、それぞれ独自の強みを活かしつつ、健全な競争と協力関係を築きながら、加盟店、従業員、株主の満足度を高め、企業価値の最大化を目指すことを目指しています。 そのために、両事業会社は3~4年後に平均日販を55万円に向上させるという具体的な目標を掲げており、グループ全体でその目標達成に向けて取り組む体制を整えています。 「オペレーション55会議」を定期的に開催し、目標達成に向けた進捗状況の確認と徹底を図っています。

2. 利益還元と配当方針

高い成長性を維持し、経営基盤を強化するために内部留保の充実を重視しつつ、業績に見合った株主への利益還元を積極的に行っていく方針です。 具体的な配当方針としては、今期の連結当期純利益の約20%を配当として還元することを予定しており、将来的には配当性向を25~30%まで高めることを目指しています。 これは、株主へのリターンを重視しつつ、持続的な成長のための投資も確保していくというバランスのとれた方針を示しています。 平成13年8月末の中間配当は、一株当たり2円の記念配当を加えて16円とし、期末配当は14円を予定しています。さらに、平成13年8月末の株主に対して1:1.2の株式分割を行うことを決定しています。

3. 経営体制と組織構造

持株会社であるシーアンドエス株式会社は、グループ全体の戦略立案と統括を行う役割を担っています。 そのために、マーケティング本部、資金管理本部、システム本部の3本部と、総合企画室、e-ビジネス事業部を設置し、それぞれの専門性を活かした効率的な経営体制を構築しています。 グループ全体の利益最大化を図るため、経営戦略会議を月1回開催し、グループ会社間の意志統一と戦略の徹底を図っています。会議メンバーは、シーアンドエスの常勤取締役、常勤監査役、そして両事業会社の社長で構成されています。 両事業会社は、それぞれの新社長の下、営業力の強化を図りながら、情報共有を通じて良い意味での競争を行い、自由闊達な経営を展開しています。 ただし、主要な人事やグループ戦略はシーアンドエスが承認・決定し、具体的な施策は各事業会社に委ねられています。

4. 情報開示とコーポレートガバナンス

シーアンドエス株式会社は、上場会社として株主に対する経営責任を負っており、常に株主、投資家、マスコミなど関係機関からのモニタリングを受けていることを認識しています。 そのため、経営状況等について積極的に情報開示を行い、オープンな経営を心がけています。 具体的には、マスコミ向けのニュースリリース、国内外の機関投資家やアナリストを対象とした説明会の開催、取材への対応、インターネット上のホームページを通じた情報発信などを積極的に行っています。 これは、透明性の高い経営を実現し、ステークホルダーとの信頼関係を構築するための重要な取り組みです。 また、経営のチェック機能として、商法で定められた監査役による監査を当然のこととして受けると共に、これらの情報開示活動を通じて、経営の健全性を維持していくことを目指しています。

IV.コーポレートガバナンス Corporate Governance

株主をはじめ投資家やマスコミへの積極的な情報開示(IR)を通じて、オープンな経営を推進。取締役会による最終意思決定、月1回の経営戦略会議(常勤取締役、常勤監査役、両事業会社社長)によるグループ全体の意志統一を図っています。親会社であるユニー株式会社とは、資本政策や業務提携などの重要事項について助言と承認を得ていますが、コンビニエンスストア事業の経営戦略については当社の独自性が尊重されています。

1. 経営のチェック機能と情報開示

会社は、商法で定められた監査役による監査に加え、株主、投資家、マスコミなど関係機関からの経営モニタリングを常に意識し、経営状況について積極的に情報開示することでオープンな経営を心がけています。具体的には、マスコミへのニュースリリース、機関投資家やアナリスト向けの説明会開催、取材への対応、そしてインターネット上のホームページを通じた情報発信など、多様な手段を用いて情報を提供しています。この積極的な情報開示は、透明性の高い経営を実現し、ステークホルダーとの信頼関係を構築するための重要な取り組みです。 これらの活動を通じて、会社は常に外部からの監視を受けながら経営を行い、その健全性を維持していくことを目指しています。これは、コーポレートガバナンスの重要な要素であり、企業の持続的な発展に貢献するものです。

2. 意思決定体制と経営責任

持株会社である当社の最終意思決定は取締役会で行われますが、月1回開催される経営戦略会議において戦略上の重要事項が討議され、グループ会社間の意志統一と徹底が図られています。この会議には、当社の常勤取締役、常勤監査役、そしてサークルKとサンクスの両事業会社の社長が参加し、グループ全体の戦略を議論し決定していく体制が構築されています。 上場会社として、シーアンドエス株式会社は株主に対する経営責任を負っています。一方、両事業会社は、グループ内で合意された数値目標に対する執行責任を負っており、それぞれの責任範囲において自由闊達な経営を展開しています。両事業会社は、新社長の下、営業力の強化に努め、情報共有を通じて良い意味での競争を促すことで、お互いにレベルアップを図っています。

3. グループ組織の整備と機能分担

グループ全体の利益最大化を図るため、マーケティング本部、資金管理本部、システム本部の3本部と、総合企画室、e-ビジネス事業部を設置し、それぞれの機能を明確化することで効率的なグループ運営を目指しています。 マーケティング本部は、5000店以上の事業規模を前提とした合同商談を行い、商品の値入率改善に努めています。システム本部は、情報システムの統合による開発・運用コストの削減と生産性向上に取り組んでいます。資金管理本部は、予算管理とIRの充実を担っています。 e-ビジネス事業部は将来のe-ビジネス展開を検討し、総合企画室はグループ間の調整、比較分析、提言、広報活動、将来的な業務提携のための調査などを担当しています。 これらの組織体制を通じて、グループ全体のシナジー効果を高め、競争優位性を確保していくことを目指しています。

4. 親会社との関係と経営の独立性

シーアンドエス株式会社は、ユニー株式会社を中核とするユニーグループに属しており、ユニー株式会社は当社の株式を46.7%保有する親会社です。資本政策や業務提携などの重要事項については、親会社の助言と承認を得る必要があります。しかし、ユニー株式会社とシーアンドエス株式会社は、業態が異なる(スーパーストアとコンビニエンスストア)ため、コンビニエンスストアの経営戦略については、当社の独自性が尊重されています。 ユニー株式会社の家田会長は当社の取締役を務めており、親会社との緊密な連携を図りながら、同時に、コンビニエンスストア事業における独自の経営戦略を推進していく体制が確立されています。これは、親会社との良好な関係を維持しつつ、経営の独立性を確保するための重要なバランスです。