
優先株式発行による資金調達
文書情報
著者 | 株式会社メイコー |
会社 | 株式会社メイコー |
文書タイプ | プレスリリース |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 177.98 KB |
概要
I.第三者割当増資による優先株式発行
当社は、地域中核企業活性化投資事業有限責任組合(REVIC パートナーズ株式会社運営)に対し、総額50億円の【A種優先株式】を【第三者割当増資】により発行します。この【優先株式発行】は、有利子負債抑制、設備投資資金確保、及び【自己資本増強】を目的としています。手取金は全額設備投資に充当予定です。 主要な取引先である自動車業界やスマートフォン関連市場の拡大を見据え、ベトナム工場、中国武漢工場、広州工場への設備投資を計画しています。
1. 優先株式発行の目的と概要
本取締役会において決定された第三者割当増資によるA種優先株式の発行は、有利子負債の抑制と今後の事業拡大のための設備投資資金の確保、そして自己資本の改善を同時に実現することを目的としています。発行総額は50億円であり、その全額を手取金として設備投資に充当する計画です。 この資金調達によって、既存株主への影響を最小限に抑えながら、財務基盤の安定化と将来的な成長に向けた投資を両立させようとしています。 具体的には、自動車業界における世界的な需要拡大と、スマートフォン関連市場のグローバルな成長を背景に、ベトナム工場、中国武漢工場、広州工場への設備投資を計画しており、これらの投資が将来的な収益増加に繋がることを期待しています。 過去には業績低迷に繋がった歩留まり問題への対策も進めており、経営合理化策も計画通りに進捗しています。しかし、平成27年9月30日時点の純資産額は前年度末に比べて大きく減少しており、今回の増資は財務体質の抜本的な改善を図るための重要なステップとなります。
2. 資金調達方法の選定理由
財務基盤の安定化を図るため、様々な資金調達方法が検討されましたが、既存株主への影響を考慮し、かつ即時の普通株式の希薄化を抑制しながら、将来の成長戦略に必要な資金を確実に調達するには、種類株式(優先株式)による増資が最適だと判断されました。 普通株式による増資は、発行予定額が発行済株式の時価総額と比較して多額であること、そして現在の経済情勢や資本市場の状況を考慮すると、大幅な希薄化を招き、既存株主の株主価値を損なう可能性があるため、適切な方法とはみなされませんでした。 そこで、投資家の特性、金額規模、経済条件などを総合的に判断し、今回の第三者割当増資による優先株式発行という方法が、当社の事業目的や経営方針を深く理解する投資家からの資金調達として、最善の選択であると結論付けられました。 この優先株式は、金銭償還を想定した資金調達であり、現時点では普通株式の希薄化は想定していません。
3. 優先株式発行による希薄化対策
優先株式発行に伴う普通株式の希薄化リスクを最小限に抑えるため、いくつかの対策が講じられています。 まず、優先株主による普通株式を対価とする取得請求権の行使は、厳格な条件下でのみ可能とされています。具体的には、発行日から4年間は行使できず、それ以降も特定の条件(投資契約上の義務履行、特定企業の当社への資本・経営への関与の現状維持など)が満たされない限り行使できません。 さらに、会社は平成30年3月31日以降、取締役会の決定により、優先株主の意思に関わらず、金銭と引き換えに優先株式の全部または一部を取得できます。この場合、取得した優先株式は消却されるため、普通株式の希薄化は発生しません。 また、転換価額の修正についても、6ヶ月毎に時価の90%を下限に設定することで、株価下落時における希薄化を抑制する仕組みが導入されています。 これらの措置により、普通株式の希薄化を抑制し、既存株主への影響を最小限に抑える設計となっています。
4. 割当先との関係と選定理由
優先株式の割当先は、REVIC パートナーズ株式会社が無限責任組合員として運営管理する地域中核企業活性化投資事業有限責任組合です。 当社は、割当先の出資者に関する情報(有価証券報告書やホームページの情報)を精査し、反社会的勢力との関係がないことを確認しています。また、割当先との間で直接面談を行い、暴力団等との関係がないことを確認し、東京証券取引所にもその旨の確認書を提出しています。 割当先を選定した理由は、当社の事業内容と将来性を高く評価していただいていること、そして今回の優先株式発行による資金調達に前向きにご検討いただけることです。 割当先は、本優先株式を取得後、原則として中期投資として取り組む意向であり、保有、取得請求、売却等の対応は、市場状況と当社の財務状況を考慮して行われると認識しています。
II.資本金の額及び資本準備金の額の減少
【優先株式】払込金額による資本金と資本準備金の増加分を、資本金及び資本準備金から減額し、「その他資本剰余金」へ振り替えます。これは純資産の部における勘定振替であり、現金の減少は伴いません。この措置は財務内容の健全化と早期の分配可能額計上を目的としています。
1. 資本金及び資本準備金の減少の目的
優先株式の払込金額によって増加する資本金と資本準備金の額を、それぞれ減少させ、その全額を「その他資本剰余金」に振り替えることを目的としています。これは、財務内容の健全化と、早期に分配可能な剰余金の計上を実現するための措置です。 重要な点は、この資本金と資本準備金の減少は、純資産の部における勘定科目の振替処理であり、現金や預金の減少を伴わない点です。 つまり、この処理によって会社の現預金が減るわけではなく、会計上の処理によって財務諸表上の数値を調整し、より健全な財務状況を示すことを目指しています。優先株式発行による資金調達と合わせて、財務体質の改善を図るための重要な戦略的措置であるといえます。
III.A種優先株式の発行条件
【A種優先株式】には、普通株式への転換条項、金銭による取得条項が設定されています。普通株式への転換は、希薄化を抑制するため、一定の条件下で実施されます。また、会社は一定期間後、任意で金銭により【優先株式】を買い戻すことができます。配当は、中間配当と期末配当があり、未払い配当は累積されます。 REVIC パートナーズ株式会社は、中期投資として【優先株式】を保有する意向です。
1. A種優先株式の配当に関する条件
A種優先株式には、中間配当と期末配当の2種類の配当が設定されています。中間配当は毎年9月30日を基準日とし、A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して、当該事業年度のA種優先配当金の額の1/2が支払われます。期末配当は、事業年度末に支払われ、中間配当と合わせて、A種優先配当金の全額が支払われることになります。ただし、すでに中間配当または期末配当の一部が支払われている場合は、その累計額を控除した額が支払われます。 A種優先配当金の額は1株あたり1億円を基準とし、基準日までの期間に応じて年率101%の複利計算を行い、さらに年率7%を乗じた金額となります。ただし、平成28年3月31日に終了する事業年度については、A種優先配当金は0円となります。 さらに、累積条項があり、ある事業年度のA種優先配当金の合計額が当該事業年度のA種優先配当金の額に達しない場合、その不足分は翌事業年度以降、年率7%の複利で累積され、A種優先配当金と普通株主への配当金よりも先に支払われます。
2. A種優先株式の取得に関する条件
A種優先株主は、平成32年3月31日以降、任意でA種優先株式の全部または一部を会社に売却し、金銭を得ることができます。会社は、この請求に対して、取得日における分配可能額を限度として、法令上可能な範囲で取得に応じます。分配可能額を超える請求があった場合は、比例按分によって取得する株式数が決定されます。 1株あたりの取得価額は、当初払込金額、A種優先累積未払配当金、前事業年度未払A種優先配当金、当事業年度未払優先配当金額、そして当初払込金額に年率1%の複利を乗じた金額の合計となります。この年率1%の計算は、発行日の属する事業年度を除き、事業年度ごとに複利計算され、1年未満の期間がある場合は日割計算が行われます。 また、会社は平成30年3月31日以降、取締役会が別に定める日が到来した際に、A種優先株主の意思に関わらず、法令上可能な範囲で、金銭と引き換えにA種優先株式の全部または一部を取得することができます。この場合も、取得価額の算定には上記と同様の方法が用いられます。
3. その他の条件
A種優先株式の発行条件には、普通株式への転換に関する規定も含まれています。この転換により、普通株式が交付される場合、希薄化を抑制するための様々な措置がとられています。 具体的な内容は本文中で詳細に説明されていますが、転換価額の修正や、取得請求権の行使制限などが含まれています。これにより、株価変動リスクや既存株主への影響を軽減する設計となっています。 さらに、法令に定めのある場合を除き、A種優先株式には議決権が付与されていません。これも、既存株主への影響を最小限に抑えるための配慮と考えられます。 これらの条件は、プルータス・コンサルティングによる評価報告書に基づき、慎重に検討・決定されたものです。監査役もこの評価報告書を参考に、第三者割当増資が有利発行に該当しないとの見解を示しています。
IV.普通株式の希薄化に関する対応
【第三者割当増資】による【普通株式】の【希薄化】を最小限に抑えるため、様々な措置が講じられています。具体的には、取得請求権の行使制限、金銭による取得条項の活用、転換価額の下限設定などが挙げられます。これにより、既存株主への影響を軽減し、【株主価値】の向上を目指します。
1. 優先株式発行による希薄化の抑制策
今回の優先株式発行による普通株式の希薄化を最小限に抑えるため、様々な対策が講じられています。 まず、優先株主が保有する優先株式を普通株式と交換する取得請求権の行使は、厳格な条件下でのみ認められます。 発行日から4年間は行使できず、4年以降も、会社が投資契約上の義務を履行し、かつ特定の企業(名屋氏及び有限会社ユーホー)の当社への資本と経営への関与が現状から大きく変わらない限りにおいては行使できません。 これは、既存株主の持分を保護し、急激な希薄化を防ぐための重要な措置です。 さらに、会社は平成30年3月31日以降、取締役会が定めた日に、優先株主の意思に関わらず、金銭で優先株式を買い戻すことができます。 この買い戻しは、優先株式を消却するため、普通株式の希薄化は発生しません。これは、将来的に優先株式を完全に償還することを目指す会社の戦略の一環です。 これらの対策により、優先株式発行による普通株式の希薄化リスクは大幅に軽減されると考えられます。
2. 転換価額の調整と希薄化抑制
優先株式の転換価額は、発行後6ヶ月毎に東京証券取引所JASDAQ市場の時価の90%に修正されます。ただし、修正後の転換価額が当初の転換価額の50%を下回った場合は、50%を下限として固定されます。 この下限設定は、仮に発行後に株価が大きく下落した場合でも、希薄化率の上昇を抑制するための重要な安全装置となります。 つまり、株価が下落しても、転換によって発行される普通株式数は、一定の範囲内に収まるように設計されているのです。 この仕組みは、既存株主の利益を保護し、優先株式発行によるリスクを軽減する効果が期待されます。 また、取得請求権の行使によって交付される普通株式数についても、議決権数への影響を考慮し、希薄化を抑制する工夫が凝らされています。
3. 普通株式対価取得条項と金銭償還への期待
平成38年3月31日までに会社が取得しなかった優先株式については、平成38年4月1日(一斉取得日)に、会社が普通株式と交換して取得する取得条項が設けられています。 しかし、会社は平成30年3月31日以降、取締役会が定めた日には、法令上可能な範囲で金銭と交換して優先株式を買い戻すことができます。 会社は、経営成績を改善し利益を積み上げることで、早期に全ての優先株式を買い戻し、消却することを目指しています。 この金銭償還を想定した資金調達であるため、普通株式の希薄化は現時点では想定されていません。 一斉取得日は発行から10年後と長期に設定されており、経営改善による買入消却を目指すには十分な期間が確保されていると判断されています。これは、既存株主の懸念を払拭するための配慮と言えます。
V.臨時株主総会と承認
【優先株式発行】、定款変更、社外取締役・監査役選任の議案は、【臨時株主総会】にて承認を得る予定です。希薄化率が25%を超える可能性があるため、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条に従い、株主の意思確認手続きを行います。
1. 臨時株主総会における議案
平成28年3月30日開催予定の臨時株主総会において、以下の3つの議案が審議されます。 まず、50億円規模のA種優先株式発行に関する承認です。これは、今回の第三者割当増資の中核をなす議案であり、株主の承認を得ることが不可欠です。 次に、優先株式発行に伴う定款の一部変更の承認です。優先株式の発行条件や株主総会関連規定などの変更が伴うため、定款の修正が必要になります。 最後に、割当先が指名する1名ずつを、当社の社外取締役および社外監査役に選任する議案です。これは、割当先からの資本参加に伴い、企業ガバナンスを強化するための措置です。 これらの議案は、会社にとって重要な意思決定事項であり、株主の理解と承認を得ることが、今後の経営の安定と発展に不可欠です。
2. 株主の意思確認と承認条件
今回の優先株式発行は、希薄化率が25%以上となる可能性があるため、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条に基づき、株主の意思確認手続きとして臨時株主総会での承認が必須条件となっています。 これは、大規模な資金調達であり、既存株主の持分比率が大きく変化する可能性があるため、株主の同意を得ることで、透明性と公平性を確保する必要があるためです。 会社法第199条第2項に基づく特別決議が必要であり、株主の皆様の意思確認を丁寧に実施することで、公平かつ透明性の高い経営を維持することを目指しています。 監査役もプルータス・コンサルティングによる評価報告書を参考に、優先株式の払込金額が理論価値を上回ることから、有利発行には該当しないと判断しており、臨時株主総会での承認がスムーズに進むことが期待されています。 臨時株主総会の決議と同時に定款変更の効力も発生する予定です。