
千葉県政務活動費運用指針
文書情報
著者 | 千葉県議会 |
場所 | 千葉県 |
文書タイプ | ガイドライン |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 698.54 KB |
概要
I.千葉県政務活動費の支出基準と報告義務
この文書は、千葉県政務活動費の交付、支出、および報告に関する重要な規程をまとめたものです。政務活動費は、県議会議員の調査研究、研修、広報活動など、県政課題の解決や住民福祉の増進に必要な活動に充てられます。 支出は実費弁償を原則とし、領収書などの支出証拠書類の適切な整理保管が義務付けられています。収支報告書は、年度末から30日以内に議長に提出する必要があります。報告書には、政務活動費支出伝票、出納簿、現地調査又は先進地視察実施報告書などの写しを添付する必要があります。支出内容と政務活動費との関連性が不明瞭な場合は、補足説明が必要です。 また、政務活動費の使途の透明性を確保するため、議長は収支報告書等を公開します。会計帳簿の調整と内容の明確化も求められます。
1. 収支報告書の提出義務
千葉県議会議員の会派代表者及び議員は、政務活動費の収入と支出の状況を収支報告書にまとめ、年度末日の翌日から起算して30日以内に議長に提出する必要があります。これは、議員の任期満了、辞職、死亡、会派解散などの場合も同様で、事由が生じた日の属する月までの報告書を、事由が生じた日の翌日から起算して30日以内に提出する必要があります。報告書の提出は、政務活動費の適切な運用を確保するために非常に重要な手続きです。提出期限を守らないことは、制度の信頼性を損なう可能性があり、厳格な遵守が求められます。 この報告義務は、県民への説明責任を果たす上で不可欠な要素であり、透明性の高い政務運営を実現するために設けられています。 遅延や不備があった場合は、議長から是正を求められる可能性があり、厳正な対応がなされます。
2. 提出書類と内容の確認
収支報告書と共に、会派及び議員は、領収書(貼付用紙に貼付されたもの)、政務活動費支出伝票、出納簿(時系列・項目別)、現地調査又は先進地視察実施報告書(以下、「領収書等」という。)それぞれの写しを議長に提出する必要があります。これらの書類は、支出の事実を裏付ける重要な証拠となるため、正確な記録と保管が求められます。 議長は、収支報告書記載金額と領収書等の記載金額の突合などを行い、記載誤り、領収書等の不備、または別表に合致しない支出があれば、会派及び議員に報告を求め、関係書類の調査等を行い、修正を求めることができます。この確認作業は、政務活動費の適正な運用を確保するために不可欠なプロセスであり、不正や誤りを早期に発見し、是正することを目的としています。 提出された資料の正確性と完全性は、県民の信頼を維持するために極めて重要です。
3. 会計帳簿の整備と証拠書類の保存
会派の政務活動費経理責任者及び議員は、政務活動費の支出について、会計帳簿を調整し、その内容を明確にする必要があります。会計帳簿の整備は、支出の透明性を確保し、会計処理の正確性を担保するために不可欠です。また、支出証拠書類等を整理保管し、これらの書類を当該政務活動費の収支報告書を提出すべき期間の末日の翌日から起算して五年を経過する日の属する年度の末日まで保存しなければなりません。これは、会計監査や必要に応じて事後的に支出内容を確認するために重要な措置です。 記録の正確性、完全性、そして長期的な保存は、説明責任を果たし、不正を防止する上で非常に重要であり、厳格な遵守が求められます。 万が一、記録が不十分であったり、保存期間を満たしていなかったりした場合、後から問題が生じる可能性があるため、細心の注意を払うべきです。
4. 政務活動費の返還命令の可能性
知事は、会派又は議員がその年度に交付を受けた政務活動費の総額から、その年度の支出総額を控除して残余がある場合、その残余額に相当する政務活動費の返還を命ずることができます。これは、交付された政務活動費が適切に使われなかった場合に備えた措置です。 また、支出額の中に政務活動以外の活動に係るものが含まれていると判断された場合も、経費の按分が必要となります。 この規定は、政務活動費の無駄遣いを防ぎ、公金を有効に活用することを目的としています。 返還命令は、厳格な審査を経て行われるため、議員は、政務活動費の支出に際し、常に法的・倫理的な観点から慎重な判断を行うことが求められます。
II.政務活動費の充当可能な経費の範囲
政務活動費は、調査研究、研修、広報、要請陳情、住民相談、会議参加など、県政課題の把握と県政への反映、住民福祉の増進のための活動に要する経費に充当できます。ただし、政党活動など政務活動以外の経費への充当は認められません。具体的には、事務所費(賃借料、光熱水費など)、事務費(事務用品、印刷費など)、会議費、旅費、広報費(広報紙、ホームページ作成費など)、人件費(議員秘書への給与など)などが含まれます。ただし、これらの経費は、政務活動に関連する部分のみが認められ、そうでない場合は按分処理が必要です。 現地調査や先進地視察の実施報告書提出も義務付けられています。ビジネスクラスの利用は、フライト時間4時間超など条件付きで認められています。
1. 政務活動費の定義と目的
政務活動費は、千葉県議会議員の調査研究、研修、広聴広報、要請陳情、住民相談、各種会議への参加など、県政の課題及び県民の意思を把握し、県政に反映させ、住民福祉の増進を図るために必要な活動(以下「政務活動」という。)に要する経費に交付されます。この定義は、政務活動費の使途を明確に示しており、県民の利益に資する活動に限定されています。 政務活動費の目的は、議員が円滑に活動を行い、県民の声を反映した県政運営に貢献することを支援することです。そのため、支出は原則として実費弁償とし、支出の事実を証明する証拠書類の整理保管が義務付けられています。 領収書が発行されないJR運賃などの支出についても、その事実を記録し、明確にしておく必要があります。これは、透明性を確保し、不正使用を防ぐための重要な措置です。
2. 事務所費 事務費等の具体的な支出項目
政務活動費の充当可能な経費には、事務所費(政務活動に使用する事務所の設置・維持管理に必要な賃借料、光熱水費、清掃委託費、修繕費など)、事務費(事務用品の購入費、複写印刷費、事務機器の修繕費など)、会議費(議案等の審議に関する会議、県政に関する施策等の検討会議、県民との意見交換会議などにおける会場・機器借上費、資料作成費、旅費、会費など)、旅費(旅費条例に基づき、航空運賃、交通費、宿泊料、空港使用料など。ただし、ビジネスクラス利用は条件付き)、広報費(広報紙、ホームページ作成費など)、人件費(事務員等の雇用による給与)などが含まれます。ただし、これらの経費は政務活動に関連する部分のみが認められ、政務活動以外の活動(例:後援会活動)に充てられた場合は、業務日誌などを用いた按分処理が義務付けられています。 また、議員が法人の代表者等の場合、事務所の借上げにおいては、自己所有物件と受け取られないような配慮が必要です。
3. 現地調査 視察 会議開催 広報紙 ホームページ作成に関する留意点
現地調査(海外視察を含む)を行う際は、「現地調査又は先進地視察実施報告書」を提出する必要があります。行程は、公的機関への訪問や現地の状況聴取など調査活動に伴う経費が対象で、観光旅行とみなされるようなものは認められません。旅費は旅費条例を準拠し、ビジネスクラス利用はフライト時間4時間超など条件付きです。会議開催時は、領収書貼付用紙に内容や開催場所を記載、または開催案内を添付します。会場選定は、公費であることを考慮し、高額な会場は避けるべきです。広報紙・ホームページ作成時は、県民からの意見・要望を受け付ける連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を記載することが望ましいです。広報紙等に政務活動以外の内容や議員の宣伝的要素が含まれる場合は、実態に応じて按分処理を行う必要があります。雑誌や書籍の購入についても、名称や購入目的を明らかにする必要があります。
4. その他経費と親族雇用に関する注意点
テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの電化製品購入費は、政務活動に必要な場合、政務活動費を充てることができます。ただし、絵画、生け花などの環境整備費は認められません。領収書に品名・数量が記載されていない場合、領収書貼付用紙の「領収書の補足説明」欄に具体的な品名を記載する必要があります。事務員を雇用した場合は、雇用契約書と業務日誌を保存する必要があります。雇用した事務員が政務活動以外の業務に従事した場合は、就労時間や日数に基づいて按分処理を行い、政務活動費を充当します。親族を議員秘書として雇用する場合、より慎重な対応が必要です。要請陳情活動は、政策研究を伴わない活動のみに限られ、政策研究を伴う場合は調査研究費に該当します。領収書は、使途、日付、按分率が同じ場合は、複数枚を貼り付けることができますが、公開を考慮し、重ならないように配慮が必要です。
III.証拠書類の提出と情報公開
政務活動費の支出に関する証拠書類(領収書、政務活動費支出伝票、出納簿、現地調査又は先進地視察実施報告書など)は、収支報告書と合わせて議長に提出します。 領収書に記載がない場合や不明瞭な場合は、「領収書の補足説明」欄に詳細を記載する必要があります。 議長は、提出された収支報告書などの原本と写しを公開し、県民の理解を得るよう努めます。ただし、千葉県議会情報公開条例で定める不開示情報については、マスキング処理の上で公開されます。
1. 提出が必要な証拠書類
収支報告書とともに、議長への提出が義務付けられている証拠書類は、領収書(貼付用紙に貼付されたもの)、政務活動費支出伝票、出納簿(時系列・項目別)、および現地調査又は先進地視察実施報告書です。これらの書類は、政務活動費の支出の透明性を確保し、使途の適正性を検証するために必要不可欠です。領収書は、支出の事実を証明する重要な証拠であり、すべての支出について、正確かつ詳細な情報を記載することが求められます。特に、領収書に品名や数量が記載されていない場合、または記載が簡略な場合は、領収書貼付用紙の「領収書の補足説明」欄に具体的な情報を追記する必要があります。 また、政務活動費支出伝票や出納簿は、会計処理の正確性を確認するために重要な役割を果たします。これらの書類の整備状況も、政務活動費の適正な運用を評価する上で重要な要素となります。提出される書類は、議長による厳格な審査が行われるため、正確性と完全性が求められます。
2. 証拠書類の整理保管義務
会派の政務活動費経理責任者及び議員は、政務活動費の支出について、会計帳簿を調整しその内容を明確にするとともに、証拠書類等を整理保管する必要があります。これは、支出の事実を明確に記録し、後からでも内容を容易に確認できるようにするためです。会計帳簿の正確性と、証拠書類の適切な管理は、政務活動費の透明性を確保する上で非常に重要です。 また、これらの書類は、収支報告書を提出すべき期間の末日の翌日から起算して五年を経過する日の属する年度の末日まで保存しなければなりません。この長期的な保存義務は、会計監査や必要に応じて事後的に支出内容を確認するために不可欠な措置であり、説明責任を果たす上で重要な役割を担っています。適切な保管体制を整え、書類の紛失や破損を防ぐ対策が求められます。
3. 情報公開と不開示情報の取扱い
政務活動費は公費であるため、その使途を明らかにするために、議長は県民からの請求に応じて、会派及び議員に関する収支報告書、その他の支出証拠書類を閲覧等の方法により公開します。この情報公開は、政務活動費の必要性・重要性について県民の理解を得るための重要な手段であり、透明性のある政治運営に不可欠です。しかしながら、千葉県議会情報公開条例第8条各号に定める不開示情報(個人情報、営業秘密など)が記録されている場合は、議長は当該箇所にマスキングを施した上で閲覧に供します。特に、会派・議員活動情報については、当該会派・議員から非公開の申し出があった場合は、その内容を十分尊重した上で議長が取扱いを決定します。この規定は、情報公開と個人情報保護のバランスを考慮した、慎重な情報管理体制を示しています。
IV.違反した場合の対応
収支報告書の記載誤り、領収書等の不備、政務活動費の不正な支出などが発覚した場合、議長は会派や議員に対して必要な報告を求め、修正を求めることができます。 また、政務活動費の残余がある場合は、返還を命じられる場合があります。特に、親族の雇用や自己所有物件の使用などについては、より慎重な対応が必要です。
1. 収支報告書の記載誤りや領収書等の不備への対応
議長は、提出された収支報告書と領収書等の記載金額を突合し、誤りや不備がないか確認します。収支報告書の記載誤り、領収書等の不備、または明らかに別表に合致しない支出が認められた場合は、会派及び議員に対して必要な報告を求め、関係書類の調査等を行った上で修正を求めることができます。これは、政務活動費の適正な運用を確保するために非常に重要な手続きです。 この確認作業は、不正使用や誤りを早期に発見し、是正することを目的としており、厳格な審査が求められます。 もし、不備や誤りが発見された場合、速やかに修正を行い、透明性の高い会計処理を行う必要があります。 関係書類の調査は、必要に応じて徹底的に行われるため、議員は常に正確な記録と報告を心がける必要があります。
2. 政務活動費の残余と返還命令
会派又は議員がその年度に交付を受けた政務活動費の総額から、その年度の支出総額を控除して残余がある場合は、知事は当該残余額に相当する額の政務活動費の返還を命ずることができます。これは、交付された政務活動費が適切に使われなかった場合に備えた措置です。 残余が発生した場合、その理由を明確に説明し、必要に応じて返還に応じる必要があります。返還命令は、政務活動費の有効活用を促すための重要な措置であり、議員は、予算の執行に際し、常に責任ある行動をとることが求められます。 この規定は、政務活動費の無駄遣いを防ぎ、公金を有効に活用することを目的としています。 そのため、予算計画の策定から支出の実行まで、細心の注意を払う必要があります。
3. 政務活動以外への支出と按分処理
支出額の中に政務活動以外の活動(例えば後援会活動)に係るものが含まれていると判断された場合は、「第2章-4 経費の按分」に従って経費を按分しなければなりません。これは、政務活動費を本来の目的以外に使用することを防ぐための重要な規定です。 按分処理は、政務活動とそれ以外の活動に要した費用を、合理的な基準に基づいて区分し、政務活動費の支出額を調整する手続きです。 按分処理を行う際には、明確な根拠に基づいて費用を区分し、その根拠を説明できるよう資料を整備しておく必要があります。 この手続きは、政務活動費の使途の透明性を高め、不正使用を抑制する上で重要な役割を果たしています。不適切な按分処理は、監査において問題となる可能性があるため、正確な計算と適切な根拠の提示が求められます。