目 次 専門医制度の理念と専門医の使命 P1 専門研修プログラムの概要と特徴 P1 専門研修プログラムの運営方針 P2 研修施設の指導体制と前年度麻酔科管理症例数 P2 専門研修基幹施設奈良県立医科大学附属病院 P5 専門研修連携施設 A 奈良県総合医療センター公益社団法人地域医療振興協会市立奈良病

奈良県立医大附属病院麻酔科専門研修プログラム

文書情報

著者

奈良県立医科大学附属病院麻酔科

学校

奈良県立医科大学

専攻 麻酔科
文書タイプ 研修プログラム
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 3.15 MB

概要

I.奈良県立医科大学附属病院を中心とした麻酔科専門医育成プログラム

奈良県立医科大学附属病院を基幹施設とした充実の麻酔科専門医育成プログラムをご紹介いたします。本プログラムは、手術麻酔集中治療ペインクリニック緩和医療といった幅広い領域を網羅し、年間1200例を超える豊富な麻酔症例数を誇ります。心臓血管外科脳神経外科産婦人科など多岐にわたる外科系診療科と連携し、帝王切開小児麻酔TAVIなど、様々な特殊麻酔を経験できます。奈良大阪兵庫の複数の連携施設と協力し、質の高い研修を提供することで、麻酔科専門医として必要な知識・技能・態度を習得できるようサポートいたします。特に、奈良県立医科大学附属病院では、希望文献の取り寄せや教材購入の補助など、充実した学習環境を提供しています。大学院進学による医学博士取得も可能です。

1. プログラム概要と研修体制

奈良県立医科大学附属病院を中心とした麻酔科専門医育成プログラムは、手術麻酔を基盤に、集中治療、ペインクリニック、緩和医療といった関連分野を網羅した包括的な研修を提供します。年間1200例を超える豊富な症例数を有し、心臓血管外科、脳神経外科、産婦人科など、多様な外科系診療科の手術に携わる機会が得られます。 研修は、麻酔科専門医とのマンツーマン指導を基本とし、密な指導体制の下で、帝王切開、小児麻酔、TAVIなど、高度な技術と知識を要する特殊麻酔症例にも積極的に関与できます。 奈良県立医科大学附属病院では、希望文献の取り寄せや教材購入の補助、そして個々の学習状況に応じたアドバイスなど、充実した学習環境とサポート体制を整えています。他施設研修中の専攻医もこれらのサポートを利用可能です。 プログラム修了後には、麻酔科専門医としての高い専門性を有し、国民の健康と福祉に貢献できる人材育成を目指しています。大学院進学による医学博士取得の道も開かれています。

2. 研修内容 手術麻酔と関連領域

本プログラムでは、手術麻酔を中核に、集中治療、ペインクリニック、緩和医療といった関連領域の研修をバランス良く行います。急性期病院における様々な症例を経験できるため、麻酔科医として幅広い知識と実践的なスキルを習得できます。 具体的には、小児麻酔、帝王切開の麻酔、心臓血管手術の麻酔、脳神経外科手術の麻酔、胸部外科手術の麻酔など、多様な症例を経験することで、高度な麻酔管理技術を習得できます。 また、集中治療室での重症患者の管理や、ペインクリニック、緩和医療といった分野にも携わることで、麻酔科医としての専門性をさらに深めることができます。 さらに、超音波ガイド下神経ブロックやオピオイドの患者調節式持続静脈内投与など、最新の周術期疼痛管理技術についても習得可能です。 これらの多様な研修内容を通して、麻酔科医としてだけでなく、集中治療医、ペインクリニック医、緩和ケア医といった専門医資格取得への道をサポートします。

3. 研修環境と設備

奈良県立医科大学附属病院をはじめとする各連携施設では、質の高い研修環境と充実した設備が整えられています。手術室には最新の全身麻酔器が完備され、BISやTOFなどのモニターも常時使用可能です。 麻酔科医と外科医を始めとした他科医師との連携も密接に行われ、安全で質の高い麻酔管理が実践できる体制が構築されています。 多くの施設で集中治療室(ICU)、周術期管理センター、ペインセンター、緩和ケアセンターなどの専門施設が設置されており、それぞれの領域における実践的な研修が可能です。 また、奈良県立医科大学附属病院では、専攻医の自己学習を支援するため、希望文献の取り寄せや教材購入の補助、そして学習に関するアドバイスなどを提供する体制を整えています。 これらの充実した設備と環境を通して、研修医は安心して専門医としてのスキルアップに励むことができます。

4. 評価 フィードバック体制と修了要件

本プログラムでは、研修医の成長をサポートするため、専門研修指導医による継続的な評価とフィードバック体制を整備しています。研修実績記録に基づき、年次ごとの知識・技能・態度の習得状況を形成的に評価し、必要に応じて個別の指導を行います。 研修プログラム管理委員会では、各施設の専攻医の評価を年次ごとに集計し、次の年度以降の研修内容に反映させることで、研修プログラム全体の質を高めています。 プログラム修了要件は、研修カリキュラムで定められた到達目標と経験すべき症例数の達成、そして専門医にふさわしい知識・技能・態度を備えていることです。 最終的には、研修プログラム管理委員会において、専攻医研修実績フォーマット、研修実績および到達度評価表、指導記録フォーマットなどを基に総合的な評価が行われ、専門研修プログラムの修了判定が行われます。妊娠・出産・育児などによる研修休止についても柔軟に対応します。

II.各連携施設における研修内容

連携施設である奈良県総合医療センター、市立奈良病院、国立循環器病研究センター、大阪母子医療センター、奈良県西和医療センター、市立東大阪医療センター、医真会八尾総合病院、大阪暁明館病院、大阪鉄道病院、平成記念病院、ベルランド総合病院、兵庫県立こども病院、国立病院機構大阪医療センター、天理よろづ相談所病院などでは、各施設の特徴を活かした研修が可能です。例えば、大阪母子医療センターでは小児麻酔、特に新生児手術の症例が豊富です。国立循環器病研究センターでは、心臓血管手術、特にTAVIやステントグラフト内挿術の経験が積めます。各施設とも、周術期管理集中治療ペインクリニックなどの関連分野での研修機会が用意されています。研修医は、麻酔科専門医小児麻酔専門医といった専門医資格取得を目指せます。

1. 連携施設の概要と研修の特色

本プログラムは奈良県立医科大学附属病院を基幹施設とし、奈良県総合医療センター、市立奈良病院、国立循環器病研究センター、大阪母子医療センター、奈良県西和医療センター、市立東大阪医療センター、医真会八尾総合病院、大阪暁明館病院、大阪鉄道病院、平成記念病院、ベルランド総合病院、兵庫県立こども病院、国立病院機構大阪医療センター、天理よろづ相談所病院など、多様な医療機関と連携しています。各連携施設はそれぞれ特色があり、例えば、大阪母子医療センターでは新生児を含む小児麻酔の症例が豊富で、国立循環器病研究センターでは高度な心臓血管手術、特にTAVIなどの症例を経験できます。 これらの連携施設における研修を通して、研修医は多様な症例を経験し、麻酔科医として必要な幅広い知識と技術を習得できます。 各施設は、周術期管理、集中治療、ペインクリニック、緩和医療など、麻酔科に関連する様々な分野での研修機会を提供しており、研修医の専門性を高めるための充実した教育環境が提供されています。

2. 各連携施設における具体的な研修内容

具体的に、市立奈良病院や奈良県総合医療センターでは、急性期病院における一般的な麻酔から、帝王切開、脳外科手術、胸部外科手術など、多様な手術における麻酔管理を経験できます。 国立循環器病研究センターでは、心臓血管外科手術に特化した高度な麻酔技術を習得できる機会があります。また、大阪母子医療センターでは、小児麻酔、特に新生児麻酔に特化した研修が可能です。 その他、各施設では、硬膜外麻酔、脊椎麻酔、超音波ガイド下神経ブロックなどの様々な麻酔法を習得し、集中治療室での重症患者の管理なども経験できます。 天理よろづ相談所病院では、小児麻酔の専門性を高めるための研修が充実しており、短期間の研修でも専門医機構が求める症例数を満たせるよう、教育環境を整えています。 各施設の特色を生かした研修を通して、研修医は自身の専門性を高め、麻酔科専門医、あるいは小児麻酔専門医などの専門医資格取得を目指せる体制が整っています。

3. 研修期間と症例数

研修期間は施設によって異なりますが、3ヶ月程度の短期研修から、より専門性を深めるための長期研修まで、それぞれのキャリアプランに合わせた研修が可能です。 天理よろづ相談所病院では、3ヶ月程度の研修で小児麻酔の経験(6歳未満25例)と基本的な技量を習得できる教育環境が整えられており、さらに半年程度の研修で小児麻酔学会認定医申請に必要な症例数と学会発表の経験も積むことができます。 一方、年間麻酔科管理手術数が約3500例にのぼる施設では、心臓血管外科手術だけでも300例を超える経験が積めます。 このように、各施設の年間麻酔症例数は豊富で、研修医は自身の目標とする症例数を確実に達成できるよう、プログラムが設計されています。 また、各施設とも、緊急手術やハイリスク患者への対応なども経験することで、実践的な能力を高めることができます。

III.研修プログラムの特色と修了要件

本プログラムは、麻酔科専門医に必要な知識・技能・態度を習得するための4年間のカリキュラムです。年間を通して定期的に開催される研修プログラム管理委員会によって、研修内容の質が維持・向上されます。研修中は、患者の入院から手術後の回復までの一連の流れを管理する周術期管理、手術中の生理活動を管理する全身管理を習得します。さらに、集中治療救急医療緩和医療ペインクリニックといった関連領域の研修も選択可能です。修了要件は、研修カリキュラムに定められた到達目標と経験すべき症例数の達成、そして専門医にふさわしい知識・技能・態度を備えていることです。専門研修指導医による継続的な評価とフィードバックにより、個々の研修医の成長を支援します。

1. プログラムの構成と研修期間

本麻酔科専門医育成プログラムは4年間の専門研修で構成されており、研修内容は手術麻酔を基礎に、集中治療、ペインクリニック、緩和医療といった関連分野を網羅した包括的なカリキュラムとなっています。 研修医は、研修内容と進行状況を考慮したローテーションを通して、経験目標に必要な特殊麻酔症例数を達成できるよう、計画的に研修を進めていきます。 プログラムでは、手術麻酔だけでなく、集中治療、ペインクリニック、緩和医療の各領域における研修を必須としており、バランスの取れた教育を受けることができます。 また、卒後早期から国内・国際学会での発表や論文作成を推奨することで、医師としての研究マインドの育成にも力を入れています。大学院進学による医学博士取得も可能です。 研修期間中は、患者の入院から手術、回復までの一連の過程(周術期管理)における管理、そして呼吸や循環などの生理活動を手術中に管理する全身管理を習得します。

2. 研修における評価とフィードバック

研修医の成長を支援するため、専門研修指導医による継続的な評価とフィードバックが実施されます。研修実績記録に基づき、各専攻医の年次ごとの知識・技能・態度の習得状況が形成的に評価され、到達度評価表や指導記録フォーマットを用いてフィードバックが行われます。 研修プログラム管理委員会は、各施設における全専攻医の評価を年次ごとに集計し、その結果を基に、専攻医の次年度以降の研修内容に反映させます。 これにより、個々の研修医のニーズに合わせたきめ細やかな指導が行われ、質の高い研修が提供されます。 術前カンファレンスでの症例プレゼンテーションと指導医からのフィードバック、手術室でのオンザジョブトレーニング、必要に応じたハンズオンワークショップやシミュレーションラボを用いた研修なども行われます。 国内外の標準的治療や先進的な治療法に関する知識習得のため、関連学会への参加も推奨されます。

3. プログラム修了要件

本プログラムの修了要件は、研修カリキュラムに定められた到達目標と経験すべき症例数を達成し、専門医として求められる知識・技能・態度が適切な水準に達していることです。 研修期間中に行われた形成的評価と、4年次の最終月に行われる総括的評価の結果を元に、研修プログラム管理委員会において修了判定が行われます。 修了判定は、専門知識、専門技能、そして医師として備えるべき倫理性や社会性といった幅広い観点から総合的に判断されます。 各施設の研修実施責任者によって行われる形成的評価と、研修プログラム管理委員会が行う総括的評価を通して、研修医の専門性と資質が厳正に評価されます。 専攻医本人の申し出による研修休止、出産や疾病などによる一時的な研修休止についても、規定に基づき柔軟に対応します。

IV.設備と環境

多くの施設が最新の医療機器を備えています。例えば、手術室には高性能な麻酔器が設置され、BISやTOFなどのモニターが常時使用可能です。また、多くの施設は集中治療室(ICU)、周産期センター、ペインセンターなどを完備し、充実した研修環境を提供しています。特に、大学附属病院では、自己学習のための環境整備もサポートされています。

1. 手術室設備と研修体制

多くの研修施設では、麻酔科管理を行う手術室に最新の全身麻酔器が設置され、BISやTOFなどのモニターが常時使用できる環境が整備されています。 手術室の数は施設によって異なりますが、複数の手術室を有する施設が多く、各手術室で安全かつ基本的な麻酔管理を学ぶことができます。 また、手術室看護師に対する麻酔研修も実施されており、指導医は余裕を持った麻酔管理を行いながら、研修医が十分な研修時間を得られるよう配慮しています。 奈良県立医科大学附属病院では、希望文献の取り寄せや教材購入の補助、学習に関するアドバイスを行い、自己学習の環境を整備しています。他施設研修中の専攻医も利用可能です。 これらの設備と体制により、研修医は安全で質の高い麻酔管理を学ぶことができ、専門医としてのスキルを向上させることができます。

2. 集中治療室 ペインクリニック 緩和ケアセンターなどの関連施設

多くの連携施設では、集中治療室(ICU)、周術期管理センター、ペインセンター、緩和ケアセンターなど、麻酔科に関連する専門施設が充実しています。 例えば、特定集中治療加算1を取得している集中治療室を有する施設もあり、麻酔科が集中治療室の管理も担当することで、集中治療に関する実践的な研修を受けることができます。 また、ペインセンターや緩和ケアセンターの設置により、ペインクリニックや緩和医療の研修も充実しており、麻酔科医としての専門性を多角的に深めることができます。 これらの関連施設の充実によって、研修医は手術麻酔だけでなく、集中治療、ペインクリニック、緩和医療など、麻酔科医として求められる幅広い知識とスキルを習得できる環境が提供されています。 ハイブリッド手術室を備えている施設もあり、TAVIなどの高度な医療技術に触れる機会もあります。

3. 学習支援と研究環境

奈良県立医科大学附属病院では、希望文献の取り寄せや教材の購入補助、学習に関するアドバイスなど、自己学習を支援する環境が整えられています。 また、多くの施設で、国内・国際学会での発表や論文作成を推奨しており、研究活動への参加を積極的にサポートすることで、研修医の研究マインドの涵養にも力を入れています。 大学院への進学も可能であり、医学博士の取得を目指すこともできます。 これらの充実した学習支援と研究環境は、研修医が専門医として成長するための土壌を提供し、質の高い医療を提供できる人材育成に貢献しています。 日常的な診療・教育・研究を楽しみながら、世界に向けた夢を語り合える仲間と共に成長できる環境が提供されています。