
岐阜県産業廃棄物処理計画書作成ガイド
文書情報
著者 | 岐阜県環境生活部廃棄物対策課 |
場所 | 岐阜市 |
文書タイプ | ガイドライン |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 1.30 MB |
概要
I.岐阜県における産業廃棄物処理計画書の提出義務と作成要領
岐阜県廃棄物の適正処理等に関する条例に基づき、事業者は産業廃棄物処理計画書を作成し、知事へ提出する義務があります(法に規定する多量排出事業者を除く)。計画期間は5年間で、産業廃棄物管理責任者の選任、発生量・処理量の見込み、減量化に関する事項、処理方法、処理施設の整備などを記載します。ISO14001やエコアクション21認証取得事業場は計画書提出が免除される場合もあります。中小企業団体所属事業者は、団体作成の計画書で代用できる場合があります。計画書には、組織図や事務分掌表による管理体制、廃棄物処理法で定められた責任者配置状況を明記する必要があります。特に、特別管理産業廃棄物を排出する事業者は、検査・分析計画を詳細に記載する必要があります。
1. 産業廃棄物処理計画書の提出義務
岐阜県廃棄物の適正処理等に関する条例では、事業場ごとに産業廃棄物処理計画書を作成し、知事へ提出することが義務付けられています。ただし、法令で定める多量排出事業者や、規則第5条に基づきISO14001またはエコアクション21認証を取得している事業場は、この義務が免除される場合があります。中小企業団体に所属する排出事業者は、団体が作成した計画書を自らの計画書に代えることができる場合もあります(第17条第2項)。計画書の提出期限は、条例に則り定められています。計画書には、事業場の概要、産業廃棄物処理施設、委託業者の選定、マニフェストの運用管理など、事業場における産業廃棄物管理の全般にわたる情報が網羅的に記載される必要があります。提出書類には、産業廃棄物処理計画書に加え、産業廃棄物管理責任者の選任届出書も含まれます(規則第7条)。
2. 産業廃棄物処理計画書の作成内容
計画書には、5年間の計画期間を定め、事業場の管理体制、産業廃棄物の発生量と処理量の見込み、減量化に向けた取り組み、処理方法、処理施設の整備状況などを詳細に記述する必要があります。 管理体制については、組織図や事務分掌表を用いて、事業所内の職務分担を明確に示すことが求められています。さらに、廃棄物処理法で定められた産業廃棄物処理責任者、技術管理者、特別管理産業廃棄物管理責任者の配置状況についても記載する必要があります。これらを通して、事業所における産業廃棄物の適正処理と減量化のための体制が整備されていることを示すことが重要です。計画書の作成にあたっては、条例と廃棄物処理法の規定を遵守することが必須です。特に、特別管理産業廃棄物を排出する、または排出する可能性のある事業場においては、定期的な検査・分析計画を詳細に記載しなければなりません。
3. 記録の保管計画
産業廃棄物処理計画書には、各種記録の保管計画も含まれます。マニフェストの交付状況は記録し、受託者からの写しを5年間保管する必要があります。焼却施設や最終処分場を有する事業者は、産業廃棄物の処理状況、排ガスや水質の検査結果などの生活環境に関する情報を3年間保管し、閲覧に供する必要があります。また、産業廃棄物処理施設を有する事業者は、産業廃棄物の運搬や処分に関する帳簿を事業場に備え付ける必要があります。 これらの記録は、産業廃棄物の適正処理状況を把握し、法令遵守状況を確認するために不可欠なものです。保管方法、保管責任者、保管期間などを明確に記載することで、記録管理の徹底を図る必要があります。さらに、特別管理産業廃棄物に関する分析計画も重要な記録として、分析項目、分析頻度、分析機関を明記する必要があります。
4. 産業廃棄物管理責任者の役割
条例では、事業場から排出される産業廃棄物を管理する責任者として、「産業廃棄物管理責任者」の設置を義務づけています。この責任者は、事業所の産業廃棄物に関する管理体制の中核を担い、適正処理と減量化の推進に重要な役割を果たします。具体的には、計画書の策定・実施、関係法令の遵守、記録の保管管理、委託業者への監督など、幅広い業務を担当します。産業廃棄物管理責任者の職務内容や責任範囲は、事業場の規模や産業廃棄物の種類、量によって異なりますが、常に法令に準拠した適切な管理を行うことが求められます。 計画書には、産業廃棄物管理責任者の選任状況や職務内容、責任範囲などを明確に記載する必要があります。
II.産業廃棄物処理の委託に関する監督計画
産業廃棄物の委託処理を行う事業者は、委託業者選定にあたり、許可証確認や処理能力のチェックリストによる実地調査を行い、記録を保管する必要があります。契約内容やマニフェストの管理、処理状況の定期確認も重要です。記録としては、発生量・処理実績、分析結果、委託契約状況、マニフェスト交付・回収状況などを保管方法、保管責任者、保管期間と共に記録する必要があります。
1. 委託業者の選定と契約
産業廃棄物を委託処理する場合、適切な処理業者を選定し、法令に則った契約を締結することが重要です。 委託業者の選定にあたっては、まず許可証の確認を行い、許可証の写しを保管する必要があります。契約更新時にも改めて許可証の提出を求めるべきです。 さらに、担当課長を責任者として、処理業者の処理能力を、チェックリストを用いた実地調査によって確認し、その記録を保管する必要があります。この実地調査は、処理業者の設備や運営状況、処理能力などを客観的に評価するために不可欠なプロセスです。適切な委託業者を選定し、法令に準拠した契約を締結することで、委託後のトラブル防止や、産業廃棄物の適正処理を確保することができます。選定過程における記録は、後々の問題発生時の証拠として重要となるため、正確かつ詳細に記録し、適切に保管する必要があります。
2. 委託後の処理状況確認と記録
産業廃棄物を委託処理した後も、定期的に処理状況を確認し、適正な処理が行われていることを確認する必要があります。 マニフェストを活用して処理状況を確認するだけでなく、年1回、担当課長を責任者として、最終処分場や中間処理施設などの処理施設を実際に視察し、その状況を記録に残すことが推奨されます。 記録として残すべき内容は、産業廃棄物の発生量と処理実績、分析結果、委託契約の内容、マニフェストの交付状況と回収状況など多岐に渡ります。これらの記録の保管方法、保管責任者、保管期間なども明確に記載する必要があります。記録の適切な保管は、万が一問題が発生した場合でも、迅速かつ的確に対処するために不可欠です。記録の正確性と完全性を確保し、法令で定められた保管期間を遵守することが重要となります。
III.産業廃棄物減量化計画と記録の保管
事業者は発生抑制とリサイクルに重点を置いた減量化計画を作成し、最終処分量の削減に努める必要があります。計画達成のための具体的方策(生産設備・工程の改善、製品・原材料の変更、再利用促進など)を記載します。また、産業廃棄物に関する記録(マニフェスト交付状況、処理状況、排ガス・水質検査結果など)の保管期間は、種類によって異なります(マニフェスト写し5年間、焼却施設・最終処分場の維持管理状況3年間など)。
1. 産業廃棄物減量化計画
排出事業者は、発生抑制とリサイクルを重視した産業廃棄物減量化計画を策定する必要があります。最終処分量をできる限り少なくすることが目標です。計画書には、現在の産業廃棄物の発生状況、経営計画などを基に、計画期間内の産業廃棄物の発生量を見込み、その上で減量化目標を設定する必要があります。目標達成のための方策として、生産設備や生産工程の改善、製品設計や原材料の変更、自社内での再利用促進などが具体的に記載されます。 例えば、文書では汚水処理施設の循環方式への変更による排水量削減や、汚泥脱水機の更新による含水率減少などが具体的な減量化策として挙げられています。これらの施策によって、最終処分量を削減し、環境への負荷を軽減することを目指します。計画書には、これらの取り組みによってどれだけの減量効果が見込めるのか、具体的な数値目標とともに記載する必要があります。
2. 記録の保管計画と内容
産業廃棄物に関する各種記録を適切に保管する計画も、減量化計画と同様に重要です。 マニフェストの交付状況は記録し、受託者から送られてきた写しを5年間保管する必要があります。焼却施設や最終処分場を有する排出事業者は、産業廃棄物の処理状況、排ガスや水質の検査結果などの生活環境に関する情報を3年間保管し、閲覧に供することが義務付けられています。 さらに、産業廃棄物処理施設を有する事業者は、産業廃棄物を自ら運搬する場合、運搬を委託する場合、自ら処分する場合、処分を委託する場合ごとに帳簿を作成し、事業場に備え付けておく必要があります。 保管すべき記録には、産業廃棄物の発生量と処理実績、分析結果、委託契約の状況、マニフェストの交付状況と回収状況などが含まれ、保管方法、保管責任者、保管期間についても明確に記載する必要があります。これらの記録は、産業廃棄物の適正処理の確認や、法令遵守状況の把握に不可欠です。
IV.病院における感染性産業廃棄物の管理
病院は、感染性廃棄物の管理に特に注意が必要です。環境省の「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に従い、保管方法、処理委託業者への監督計画などを記載します。感染性廃棄物の保管場所は、関係者以外立ち入り禁止とし、他の廃棄物と区別して保管する必要があります。また、従業員への研修計画も必要です。
1. 感染性廃棄物の管理方法
病院から排出される産業廃棄物の中でも、感染性廃棄物は特に注意が必要な廃棄物です。その管理方法については、環境省が示す「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に準拠する必要があります。マニュアルに則り、病院内における感染性廃棄物の取り扱いに関する管理規程を作成し、病院内の関係者へ周知徹底させることが求められます。 具体的には、感染性廃棄物の保管場所を関係者以外立ち入れないように配慮し、他の廃棄物と区別して保管する必要があります。また、処理業者に委託するまでの間、感染性廃棄物が飛散、流出、地下浸透、悪臭発生を起こさない構造の容器で保管することが重要です。これらの保管方法や手順を計画書に明確に記載する必要があります。 その他、感染性廃棄物以外の産業廃棄物についても、減量化とリサイクルの推進に努める必要があります。
2. 委託業者への監督計画
感染性廃棄物の処理を委託業者に委託する場合、委託業者に対する適切な監督計画を策定し、記載する必要があります。計画書には、委託業者選定のための許可証確認や処理能力確認(チェックリストによる実地調査)といった選定プロセスと、その記録について記載する必要があります。 委託後も、マニフェストを用いた適正処理の確認、年1回の処理施設(最終処分場や中間処理施設)の実地調査などを実施し、その結果を記録として保管する必要があります。委託基準や条例第18条で定められた処理能力確認の義務などを遵守し、委託業者への適切な監督体制を構築することが、感染性廃棄物の適正処理に不可欠となります。 これらの監督計画は、委託業者選定から処理完了までの全過程におけるリスク管理と、法令遵守を確保するために不可欠です。
3. 記録の保管と従業員研修
病院から排出される産業廃棄物の処理に関する記録についても、適切な保管計画を策定し、記載する必要があります。 産業廃棄物の発生量と処理実績、委託契約の状況、マニフェストの交付状況と回収状況などの記録について、作成方法、保管方法、保管責任者などを明確に記載します。 廃棄物処理法では、産業廃棄物処理施設を有する排出事業者は、産業廃棄物を自ら運搬する場合、運搬を委託する場合、自ら処分する場合、処分を委託する場合ごとに帳簿を作成し、事業場に備え付けておくことが義務付けられています。 さらに、従業員に対する研修会の開催計画なども計画書に含めるべき重要な項目です。これらの記録と研修計画は、病院における産業廃棄物管理体制の維持向上に不可欠な要素です。