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新生銀行FX取引説明書:リスクと注意点

文書情報

著者

新生銀行

会社

新生銀行

文書タイプ 契約締結前交付書面(店頭外国為替証拠金取引説明書)
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 0.93 MB

概要

I.新生銀行FX 店頭外国為替証拠金取引 のリスクと重要事項

新生銀行FXは、高いレバレッジ効果による大きな利益の可能性と同時に、大きな損失リスクも伴う【店頭外国為替証拠金取引】です。通貨の価格変動や金利変動により、預託証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。特に、相場急変時における【ロスカット】(強制決済)リスク、【スプレッド】拡大リスク、システム障害リスクなどに注意が必要です。【スワップポイント】の受払いは金利差を反映し、変動します。取引開始前には、取引ルール、リスク、必要証拠金などを十分理解し、ご自身の責任において取引を行うことが重要です。証拠金は【信託口座】に区分管理されますが、破綻リスクは完全に排除できません。

1. 取引に伴う損失リスク

新生銀行FX(店頭外国為替証拠金取引)は、通貨の価格変動によって損失が発生する可能性があります。これは、取引対象通貨の価格が変動することにより、利益が得られる場合と同様に、多額の損失を被る危険性を伴うことを意味します。 損失額は、預託した証拠金の額を超える可能性があり、取引開始前には、取引の仕組みやリスクについて十分に研究し、自己の資力、取引経験、取引目的などを考慮して、適切であると判断した場合にのみ、自己の責任において取引を行うことが重要です。 さらに、当行の業務または財産の状況が悪化した場合、信託保全される前のお客さま資産の返還が困難となり、お客さまが損失を被る可能性も存在します。 これらのリスクを十分に理解した上で取引を行う必要があります。特に、証拠金取引ではレバレッジ効果により、少額の資金で大きな取引を行うことができる反面、損失も拡大する可能性があることを認識しておくべきです。 そのため、自己の資産状況とリスク許容度を慎重に検討し、無理のない取引を心がけることが重要です。

2. カバー取引停止リスク

新生銀行FXでは、お客さまの注文約定と同時に、リスク軽減のためのカバー取引をカバー取引先と行っています。しかし、当行またはカバー取引先の業務または財産の状況悪化などにより、カバー取引が停止する可能性があります。 カバー取引が停止した場合、お客さまは取引を行うことができなくなり、その間の相場変動によって、預託した証拠金を上回る損失を被るおそれがあります。 新生銀行FXのカバー取引先は一社のみであるため、このリスクは特に重要です。万が一、注文が約定したにもかかわらずカバー取引が行われなかった場合、当行は損失をカバー取引と相殺できず、当行の損失拡大、財務状況悪化につながり、取引継続が困難になる可能性があります。このリスクは、取引を行う上での重要な考慮事項となります。

3. 相場急変リスクとシステムリスク

相場状況の急変により、買気配(ビッドレート)と売気配(アスクレート)のスプレッド幅が拡大したり、スリッページが発生する可能性があります。 また、ロスカットや強制決済の執行により、お客さまが意図した取引ができない、または意図しない取引が成立する可能性も存在します。さらに、取引システムや通信回線の障害により、注文の発注、執行、確認、取消などが行えない可能性があります。これらのリスクは、市場の変動性やシステムの信頼性と密接に関連しており、常に注意深く監視する必要があります。 特に、システム障害は取引を完全に阻害する可能性があり、取引を行う際には、システムの安定性についても考慮する必要があるでしょう。 これらのリスクを最小限に抑えるためには、取引を行う前にシステムの状況を確認し、市場の動向を常に把握しておくことが重要となります。

4. 証拠金と信託保全に関するリスク

新生銀行FXでは、お客さまからお預かりした証拠金(証拠金残高、未実現損益、スワップポイント)を信託口座に再預託(区分管理)することで資産の保全を図っていますが、完全な保証ではありません。区分管理必要額の算定基準日と信託設定の日に時間差があるため、信託されるまでの間は信託口座の保全対象になりません。 万一、当行が破綻した場合、信託口座に再預託された部分については優先的に弁済を受けられますが、その他の部分は一般債権者と同列に扱われます。 このことは、預託された資金が全て保護されるわけではないことを意味し、取引を行う上でのリスクを理解しておく必要があります。 また、証拠金が不足した場合には、追加証拠金の差し入れが必要になります。 これらの点を踏まえ、取引を行う際には、自己責任において十分なリスク管理を行う必要があります。

5. その他のリスクと重要事項

新生銀行FXでは、取引対象通貨の金利変動によりスワップポイントの受取から支払に転じる可能性があります。また、取引金額が証拠金に比べて大きいため、損失額が証拠金を超える可能性があります。 さらに、市場の状況によっては、建玉の決済や新たな建玉の保有が困難になる流動性リスクも存在します。 特定の注文方法(逆指値注文など)は、市場環境によっては有効に機能しない可能性があり、意図しない損失を被る可能性があります。 電子取引システムの利用リスクとして、注文入力ミスによる誤約定や、システム障害による取引不能のリスクも考慮すべきです。 これらのリスクは、取引を行う前に十分に理解し、適切なリスク管理を行うことが重要です。

II.取引方法と証拠金

新規注文には、必要証拠金以上の【証拠金】を円貨で事前にパワーフレックス口座から新生銀行FX口座へ振替する必要があります。未決済建玉の評価損益は、買建玉はビッドレート、売建玉はアスクレートで計算されます。【レバレッジ25倍コース】では、証拠金維持率が一定水準を下回ると【追加証拠金】の請求があります。証拠金は、振替可能額の範囲内でパワーフレックス口座へ出金できますが、取引制限や追加証拠金発生時は出金できません。リアルタイムレートでの取引を可能にする【ASストリーミング注文】では、スリッページが発生する可能性があります。

1. 証拠金の差し入れと取引開始

新生銀行FXで取引を開始するには、事前にパワーフレックス口座を開設し、必要証拠金以上の証拠金を円貨で新生銀行FX口座に振替する必要があります。 この資金振替が完了し、受入証拠金欄に反映された時点で、新規注文が可能となります。 システムメンテナンスやシステム障害発生時は、資金の振替ができないため、注意が必要です。 詳細については、当行のウェブサイトを参照してください。 新規注文を行う際には、必ず必要証拠金以上の証拠金を入金していることを確認する必要があります。 証拠金不足による取引制限を防ぐためにも、余裕を持った証拠金残高を維持することを強く推奨します。

2. 評価損益とスワップポイントの計算

未決済建玉の評価損益は、買建玉の場合ビッドレート、売建玉の場合アスクレートを用いて計算されます。ただし、「取引報告書兼証拠金受領書」および「取引残高報告書」に記載される評価損益は、ビッドレートとアスクレートの中心値を用いて計算されます。 スワップポイントは、日本円では円未満、外貨では小数点以下2桁未満を切り捨て(受取の場合)または切り上げ(支払の場合)して算出されます。 これらの計算方法を理解し、常に自身の損益状況を把握することは、効果的な取引を行う上で不可欠です。 特に、スワップポイントの計算方法を理解することで、金利変動による影響を正確に把握し、取引戦略に反映させることができます。

3. 追加証拠金と証拠金の出金

レバレッジ25倍コースを選択されたお客様は、証拠金維持率が一定水準を下回った場合、追加証拠金が発生します。 追加証拠金が発生した場合は、取引ルールに定められた方法により、追加証拠金を入金するか、または建玉を一部または全部決済して追加証拠金を解消する必要があります。 新生銀行FX口座に差し入れている証拠金は、当行が定める振替可能額を限度として、リアルタイムでパワーフレックス口座円普通預金へ出金できますが、建玉がある場合や取引制限が実施されている場合、追加証拠金が発生している場合は出金できません。 証拠金管理は取引の成否に直結するため、常に証拠金残高と維持率を監視し、必要に応じて追加証拠金を入金したり、建玉を調整する必要があります。 リアルタイムでの出金が可能であることは利点ですが、条件を満たしていないと出金できない点に注意が必要です。

4. アラート通知とリスク管理

純資産の評価に基づき、プレアラート通知とアラート通知(メール)が送信されますが、これらの通知は遅延や不着の可能性があります。 マーケットの急激な変動時には、通知が実際の状況に遅れる場合や、通知が届く前にロスカットされる可能性もあるため、常に自身の建玉や証拠金状況を把握しておく必要があります。 プレアラート基準額、アラート基準額、ロスカット基準額は取引画面に表示されているため、これらを参考に、不本意な追加証拠金発生やロスカットを回避するための対策(例えば、逆指値注文の活用)を検討する必要があります。 通知システムはあくまでも補助的なツールであり、自己責任でのリスク管理が不可欠です。 余裕を持った資金で取引を行い、リスクを最小限に抑えるように心がけましょう。

5. ASストリーミング注文と両建て

ASストリーミング注文はリアルタイムレートで自動売買を行う注文方法です。しかし、注文時レートと約定レートに差(スリッページ)が発生し、注文が失効する可能性があります。 また、お客さま自身の意思で同一通貨ペアの買いと売りの注文を同時に発注する「両建て」も可能ですが、二重のスプレッド負担やスワップポイントの支払超過など、経済合理性に欠けるため推奨されていません。ASストリーミング注文では両建てはできません。 ASストリーミング注文は迅速な取引が可能ですが、スリッページリスクを理解した上で利用する必要があります。 両建てはリスク管理の観点から推奨されていないため、利用する場合は慎重な検討が必要です。様々な注文方法の特性を理解し、自身の取引スタイルに合った方法を選択することが重要です。

III.リスク管理とアラート

【ロスカットルール】は、設定したロスカット水準(20%~95%)を下回ると全ての建玉が強制決済される仕組みです。しかし、システム障害等で決済が遅延・不実行となる可能性もあり、想定以上の損失が発生する可能性があります。【プレアラート通知】と【アラート通知】(メール)により証拠金不足などを事前に知らせるシステムがありますが、遅延や不着の可能性があり、これらの通知に完全に依存せず、ご自身での建玉管理が不可欠です。逆指値注文などを活用したリスク管理を推奨します。

1. ロスカットルールと強制決済

選択したレバレッジコースにおいて、事前に設定したロスカット水準(20%~95%)を下回ると、保有する全ての建玉が強制的に決済されます(ロスカットルール)。 しかし、システム障害やレート提示停止などにより、予定通りに決済されない場合もあるため、ロスカットルールは決済注文の執行を保証するものではありません。 ロスカット水準は決済が実行される水準であり、必ずその水準で証拠金が保全されることを保証するものではありません。 システム障害やレート提示停止、相場急変などにより、想定以上の損失が発生し、証拠金を上回る損失が生じる可能性も考慮する必要があります。 証拠金を上回る損失が生じた場合は、「7.決済損金の不足」に記載されている手続きが必要になります。ロスカットされた場合、全てのご注文は取り消されます。 ロスカットルールは、大きな損失を防ぐための重要な仕組みですが、完璧な保証ではないことを理解しておく必要があります。

2. プレアラート通知とアラート通知

純資産の評価に基づき、プレアラート通知とアラート通知が送信されます。 通知手段は主に電子メールですが、純資産の評価タイミング、回線速度、障害、通信環境の変化などにより、遅延や不着が発生する可能性があります。 マーケットが急激に変動した場合は、通知が実際の状況に遅れて届いたり、通知前にロスカット基準額に到達してロスカットされる可能性もあります。 プレアラート基準額、アラート基準額、ロスカット基準額は取引画面に表示されているため、常に建玉や証拠金状況を把握し、不本意な追加証拠金発生やロスカットを避けるために、ご自身で状況を把握し管理する必要があります。 逆指値注文などの活用もロスカット防止に有効です。 当行は、プレアラート通知およびアラート通知の適正性、適合性、正確性について一切の保証をせず、遅延や不着による損失・損害についても責任を負いません。これらの通知はあくまで確認手段の一つとしてご利用ください。

IV.税金と連絡事項

新生銀行FXで発生した利益は【雑所得】として確定申告が必要です。税率は所得税15%、地方税5%、復興特別所得税0.315%です。新生銀行は、差金決済を行った場合、支払調書を税務署に提出する義務があります。新生銀行FXに関するお知らせは、取引画面、パワーフレックス口座画面、メール、電話などで行われます。正確なメールアドレス、電話番号、住所の登録が必要です。

1. 利益に係る税金と確定申告

店頭外国為替証拠金取引で発生した利益(売買による差益とスワップポイントの収益)は、「雑所得」として申告分離課税の対象となり、確定申告が必要となる場合があります。 確定申告では、他の先物取引の損益と損益通算が可能で、損失となった場合は一定の要件下で翌年以降3年間繰り越すことができます。 税率は所得税15%、地方税5%ですが、2013年1月1日から2037年12月31日までは復興特別所得税0.315%が加算されます。 登録金融機関は、差金等決済を行った場合、お客さまの住所、氏名、個人番号、支払金額などを記載した支払調書を所轄税務署長に提出する義務があります。 取引による利益・損失に関する税務処理については、税理士など専門家への相談も検討することをお勧めします。税金に関する情報は頻繁に変更される可能性があるため、最新の税制を常に確認することが大切です。

2. お客さまへの連絡方法

新生銀行FXに関するお知らせや各種情報は、基本的に新生銀行FX取引画面、パワーフレックス口座画面を通じて行われます。 必要に応じて、当行ホームページ上のお知らせや、登録済みのメールアドレスへの電子メール送信も行います。 当行が必要と判断した場合は、登録済みの電話番号へ連絡する場合もあります。 重要な情報を見逃さないためにも、取引画面、メール、ホームページなどを定期的に確認することをお勧めします。 正確な情報伝達のため、メールアドレス、電話番号、住所などの登録情報の正確性を常に確認し、変更があれば速やかに当行に連絡する必要があります。 新しいメールアドレスへの配信開始までは、変更前のアドレスに配信される可能性がある点にもご注意ください。

V.その他重要事項

約定の訂正・取消は原則として行いません。ただし、明らかな価格の誤り等の場合には、当行の判断で訂正または取消を行う場合があります。システム障害発生時は、注文受付、資金振替、レート提示などが停止される可能性があります。満75歳以上の方、取引規定違反等の場合、取引制限がかけられる場合があります。

1. 約定の訂正 取消

原則として、約定された取引の訂正や取消は行いません。お客さまの手違いによる約定についても、当行は一切責任を負わず、訂正・取消は行いません。ただし、当行の判断で、本来あるべき価格での約定に訂正、または約定の取消を行う場合があります。 これは、例えば、明らかなレートの誤表示など、当行側の過誤があった場合などが該当します。 訂正または取消を行う場合は、取引画面のお知らせ、電子メール、電話などでお客さまに速やかに連絡します。連絡方法は状況により異なります。 すでにスワップポイントの受払いが行われている場合でも、訂正を行うことがあります。 約定の訂正・取消に関する当行の判断は、取引の公平性と正確性を確保するための措置であることをご理解ください。

2. システム障害時の取引

システム障害(ハードウェア・ソフトウェア・通信回線等の障害、レート配信の誤り、処理操作誤りなど)が発生した場合、お客さまの不利益を最小限に抑えるため、注文受付、資金振替、レート提示などのサービスを予告なく停止する場合があります。 システム障害の定義は、当行または委託先・契約先が管理・運営する新生銀行FXが正常に機能しない状態を指します。 システム障害発生時は、取引が中断される可能性があることを理解し、予期せぬ事態に備えて、取引戦略を立てておく必要があります。 システム障害発生時の対応については、当行のウェブサイトなどを参照してください。 システム障害による損失については、当行の責めに帰すべき事由による場合を除き、当行は一切の責任を負いません。

3. 取引制限

新生銀行FX取引規定、本説明書、約款、法令諸規則に違反した場合、75歳以上になった場合、その他当行が取引が不適当と判断した場合、取引に制限をかけることがあります。 取引規定違反による解約は、軽微な違反の場合、当行からの通知後相当の期間内に改善されない場合に限定されます。 取引制限がかかると、取引が制限または停止される可能性があることを理解する必要があります。 取引規約を遵守し、安全な取引環境を維持するために、常に自身の取引状況を確認し、規約に違反しないように注意することが重要です。 年齢やその他の理由による取引制限についても、事前に確認し、必要に応じて対応を検討する必要があります。