アウンコンサルティング株式会社

有価証券報告書:アウンコンサルティング株式会社

文書情報

会社

アウンコンサルティング株式会社

場所 東京都千代田区
文書タイプ 有価証券報告書
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 1.30 MB

概要

I.事業内容 検索エンジンマーケティング SEM コンサルティング

当社は、クライアントのホームページを検索結果の上位に表示させるための検索エンジンマーケティング(SEM)コンサルティングを提供しています。主なサービスは、SEO対策(アルゴリズム解析に基づくホームページ最適化)とリスティング広告(P4P)の運用コンサルティングです。P4Pでは、Google Adsオーバーチュア(Yahoo! JAPAN)のスポンサードサーチ広告の販売代理店業務と、キーワード選定、広告文作成、入札管理などの一括運用代行サービスを提供。コンテンツ連動型広告にも対応し、クライアントのニーズに合わせた最適な集客支援を実現します。 国内大手企業との強固なパートナーシップにより、高いシェアを誇るサービスを提供しています。

1. 検索エンジンマーケティング SEM コンサルティングの概要

当社は、検索エンジンにおける検索結果の上位表示を支援することで、企業のホームページ集客を促進する検索エンジンマーケティング(SEM)コンサルティングサービスを提供しています。 このサービスを通じて、問い合わせや申し込みといった成果につながるユーザーアクション(アクセスコンバージョン)の最大化を目指しています。具体的には、クライアントのホームページが検索結果の上位に表示されるよう支援することで、集客効果を高めることを目的としています。 そのため、検索エンジンのアルゴリズムを独自に解析し、検索エンジンが認識しやすいページ形式に変更することで、検索結果の上位表示を実現する支援を行います。 これは、キーワードの出現位置や回数、リンク形式などの要素を分析し、ホームページの構造やコンテンツを最適化することで、検索エンジンの評価を高める戦略です。 クライアントのホームページへのアクセス増加と、そこから生まれる具体的な成果(コンバージョン)を最大化することに重点を置いています。

2. 広告販売代理業務 P4P広告

当社は、Pay for Performance(P4P)広告、すなわち検索連動型広告やリスティング広告の販売代理業務を行っています。 具体的には、Google社の「アドワーズ広告」とオーバーチュア社の「スポンサードサーチ広告」の販売代理店として、クライアントへの広告販売を担っています。 国内では平成14年後半から本格的にサービスを開始し、オーバーチュア社からは「推奨認定代理店」の認定を受けているなど、両社との緊密な連携関係を構築しています。 これらの広告は、入札制(オークション)を採用しており、入札金額によって掲載順位が決定します。 クライアントは、広告を出稿するキーワードを選定し、1クリックあたりの上限金額を設定します。 広告はクリックされた時点で課金されるため、費用対効果の高い広告運用が可能です。 当社は、これらの広告サービスの開始当初から両社と正式な代理店契約を締結しており、高い市場シェアを維持しています。

3. 運用コンサルティング P4P広告効果最大化

P4P広告の効果を最大化するため、当社は運用コンサルティングサービスも提供しています。 これは、クライアントに代わって入札管理、キーワード選定、広告文作成などを一括して請け負うサービスです。 より低コストで効果的な広告出稿を実現するために、上位表示を目指すキーワードの的確な選定、ユーザーの興味を引く魅力的な広告文章の作成・更新、適切な金額とタイミングでの入札、そして広告費用対効果の検証など、多角的なノウハウを提供します。 刻々と変化する入札状況を綿密に把握し、それに応じた対策を迅速に講じることで、広告効果の最大化を支援します。 コンサルティングフィーは、原則としてクリック単価×クリック回数×管理料率に一定料率を乗じた金額となります。近年注目されているコンテンツ連動型広告(Google社の「コンテンツターゲット」、オーバーチュア社の「コンテンツマッチ」など)の販売も行っています。

II.課題 持続的な成長に向けた戦略

急速に成長するインターネット広告市場において、当社の課題は、SEM事業の更なる拡大と、新たな事業の創出です。人材育成情報管理体制の強化も重要な課題であり、優秀な人材確保と、不正アクセスや情報流出への対策を強化することで、安定的な成長を目指しています。 システム化による業務効率化も推進し、検索順位向上のためのコンサルティングメニューの充実を図ります。

1. 新規事業開発と経営基盤強化

現状のSEM事業に加え、新たな事業柱の開発が急務と認識されています。これは、インターネット広告市場の急速な成長を背景に、将来的な安定成長を確保するための戦略的取り組みです。 既存事業である検索エンジンマーケティング(SEM)事業に依存しない、新たな収益源の確保が求められています。 同時に、人材育成・人材教育による経営基盤の強化も重要な課題です。 インターネット業界は技術革新が著しいため、変化のスピードに対応できる人材育成体制の構築が不可欠です。 さらに、管理部門の事務処理量の増大に対応するため、システム化による効率化も推進する必要があり、情報管理体制の強化も合わせて取り組むべき課題とされています。 これらの課題への対応を通じて、持続的な企業成長を実現するための基盤を構築することを目指しています。

2. コンサルティングメニューの充実とシナジー効果創出

持続的な発展のためには、マクロ環境の影響を軽減しつつ、自社オリジナルのコンサルティングメニューの拡充が不可欠です。 これは、クライアントの多様なニーズに対応し、競争優位性を高めるための重要な戦略です。 具体的には、既存事業とのシナジー効果が期待できる周辺事業の開発や、新たな用途開発も検討されています。 これにより、サービスの幅を広げ、より多くのクライアントに価値を提供することを目指します。 市場ニーズを的確に捉え、競合他社との差別化を図りながら、独自の強みを活かしたサービスを提供することで、安定的な成長を目指します。 常に変化する市場環境に対応し、柔軟かつ迅速な対応力を強化することで、持続的な企業成長を実現していく戦略です。

3. 情報管理体制の強化

情報資産保護に関する規程を設け、リスクマネジメント委員会による遵守促進など、情報管理体制の維持・強化が急務とされています。 これは、企業情報の流出や不正アクセスといったリスクへの対策を強化し、企業の信用と安定性を維持するための重要な取り組みです。 具体的には、執務スペースへの入室に指紋認証システムを導入するなど、情報の適正管理を徹底しています。 さらに、社内規程の運用と社員教育の徹底、情報管理体制の継続的な見直しを行うことで、法令を遵守し、適切な情報管理体制を維持・改善していくことを目指しています。 これらの対策により、情報漏洩リスクを最小限に抑え、顧客からの信頼を維持し、企業の社会的責任を果たしていくことが重要だと考えられています。 万が一、情報流出が発生した場合でも、迅速かつ的確な対応をとる体制の構築が不可欠です。

4. 人材育成と確保

急速に変化するインターネット業界において、変革のスピードに対応できる人材の育成は不可欠です。 そのため、社員の目標設定、業績評価方法の明確化による評価の適正化を進め、インターネット業界の進歩に追随できる人材育成体制の構築に力を入れています。 企業理念に基づいた教育カリキュラムによる教育研修を実施し、社員のスキルアップと早期戦力化を目指しています。 外部機関による研修や毎週開催される経営会議を通じた経営意識の醸成にも取り組んでいます。 しかし、人材の確保は容易ではなく、必要な時期に、必要なスキルを持った人材を確保できる保証はありません。 優秀な人材の確保と育成は、競争力のあるサービスを提供し、持続的な成長を遂げるために不可欠な要素です。

III.リスク 競争激化と技術革新への対応

インターネット業界は競争が激しく、技術革新も急速に進んでいます。P4Pに代わる新たなマーケティングツールの普及や、競合他社の台頭は、当社の事業に影響を与える可能性があります。 また、Googleやオーバーチュア社との代理店契約への依存度が高いため、契約継続のリスクも存在します。これらのリスクを認識した上で、SEOPPC広告戦略の高度化、新たなマーケティングツールへの対応など、継続的な改善に取り組んでいます。

1. インターネット広告市場における競争激化

当社の主力サービスであるインターネット広告市場、特に検索連動型広告事業は、大手インターネット関連企業などを含め多くの企業が参入し、競争が激化している状況にあります。 この競争激化は、技術革新や新規参入企業の増加によってさらに加速する可能性があり、当社の優位性が失われるリスクがあります。 検索連動型広告(P4P)とSEOは共にホームページへのアクセス増加に繋がる効果がありますが、手法が異なるため、当社は両サービスを提供することで差別化を図っています。 しかし、競合他社が優位性の高い新たなサービスを提供した場合、あるいは、当社が技術革新への対応を遅延した場合、事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 そのため、技術革新への迅速な対応と、クライアントニーズに合わせた柔軟なサービス提供が、競争激化の中で生き残るための鍵となります。

2. 技術革新による新たなマーケティングツールの普及

インターネット広告市場は、インターネット利用者数の増加に伴い、技術革新によって多様な形態へと進化しており、今後もその傾向は続くと考えられます。 この技術革新によって、当社の主力サービスであるP4Pに代わる新たなマーケティングツールが急速に普及する可能性があります。 新たなツールの普及は、P4Pへの需要減退に繋がり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 そのため、新たなマーケティングツールの動向を常に注視し、必要に応じて積極的に導入していくことで、市場変化への対応力を高める必要があります。 クライアントのニーズを的確に捉え、最新の技術や手法を活用することで、競争力を維持していくことが重要です。 技術革新への対応が遅れた場合、市場における競争力を失い、事業継続に影響を及ぼす可能性があります。

3. Googleとオーバーチュア社への依存リスク

当社のP4Pサービスは、Google Inc.とオーバーチュア株式会社との販売代理店契約に大きく依存しています。 特にオーバーチュア社に対しては「推奨認定代理店」として、高い地位を得ていますが、同業他社からの優位性の高い新たなサービスの提供、販売代理店制度の廃止、あるいは両社の事業展開によっては、これらの契約が継続できない、もしくは契約内容が変更される可能性があります。 契約の継続が保証されていないため、これらの契約に依存しすぎないビジネスモデルの構築も重要です。 Googleとオーバーチュア社のサービスは高いシェアを維持しているものの、市場環境の変化によってそのシェアが減少する可能性も否定できません。 そのため、リスク分散のための戦略が不可欠であり、他の広告媒体やサービスとの連携強化も検討する必要があると考えられます。

4. 情報セキュリティと法的規制リスク

情報セキュリティ対策の強化は、企業の信用と安定性を維持するために不可欠です。 不正アクセスや情報流出が発生した場合、損害賠償請求や訴訟などの責任追及を受ける可能性があり、社会的な信用を失うリスクも存在します。 様々なネットワークセキュリティ対策を講じていますが、完璧なセキュリティを保証することはできません。 また、現時点では直接的な法的規制はありませんが、今後インターネットユーザーや関連事業者を対象とした法令の適用や新法令の制定により、サービス内容の変更やコスト増大の可能性があります。 法令遵守を徹底し、常に最新の法規制動向を把握し、必要に応じて迅速に対応していく体制を構築することで、リスクを最小限に抑える必要があります。 平成18年5月には一部顧客情報の紛失が発生しましたが、迅速な対応によりリスクは軽減されています。

IV.財務状況と今後の計画

第7期・第8期は中央青山監査法人の監査を受けています。公募増資により得られた資金は、SEM事業の拡大、人材育成、システム導入などに充当する予定です。しかし、市場環境の変化は速いため、計画の変更の可能性も考慮する必要があります。 アクセスコンバージョン向上を目指し、更なる事業拡大と収益向上に努めてまいります。

1. 監査状況と財務諸表

第6期、第7期、第8期事業年度の財務諸表は、中央青山監査法人によって監査されています。 これは、財務情報の信頼性を確保し、投資家への情報開示の透明性を高めるための重要な手続きです。 しかし、第4期と第5期の財務諸表については、監査を受けていません。 この点は、投資家の判断材料として考慮されるべき事項です。 監査法人による監査報告では、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などが含まれ、これらの財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されていることが確認されています。 キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金、および容易に換金可能な短期投資で構成されています。

2. 設備投資状況

第8期事業年度(平成17年6月1日~平成18年5月31日)における設備投資総額は15,041千円でした。 主な投資内容は、サーバーなどの有形固定資産の取得(4,741千円)、販売管理システム(6,600千円)、会計システム(1,900千円)のソフトウェア取得です。 これらの投資は、業務効率化や情報管理体制の強化を目的として行われています。 システム導入による業務効率化は、今後の事業拡大において重要な役割を果たすと考えられます。 具体的な投資額と内容は、今後の事業展開や財務状況を把握する上で重要な情報となります。

3. 調達資金の使途と今後の計画

公募増資により得られた資金は、SEM事業の拡大、優秀な人材の確保と教育研修、会計システムと販売管理システムの導入、運転資金に充当する予定となっています。 これは、今後の事業成長と安定経営を実現するための重要な投資計画です。 しかし、市場環境の変化は速いため、計画されている資金使途を変更する可能性もあります。 調達資金の使途が必ずしも当社の成長に寄与し、投資家の期待通りの収益を確保できるとは限りません。 そのため、市場動向を常に把握し、柔軟な対応力を持つことが重要であり、投資リスクを考慮した上で投資判断を行う必要があります。 今後の事業展開においては、市場環境の変化を的確に捉え、迅速かつ柔軟な対応を行うことが求められます。

文書参照

  • アウンコンサルティング株式会社ホームページ (アウンコンサルティング株式会社)