情報公開・個人情報保護制度の 手引き(第3改訂版) 追記版

板橋区情報公開・個人情報保護ガイド

文書情報

著者

板橋区

会社

板橋区

場所 板橋区
文書タイプ 手引き
言語 Japanese
フォーマット | PDF
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概要

I.東京都板橋区の個人情報保護と情報公開に関する条例改正の概要

この文書は、東京都板橋区における個人情報保護条例(平成8年条例第25号)と情報公開条例、およびマイナンバー制度関連の条例(平成27年板橋区条例第56号)の改正について説明しています。主な改正点は、マイナンバー法施行に伴う個人情報の取扱いに関する規定の整備と、行政不服審査法改正による審査請求手続きの一元化です。個人情報情報公開マイナンバー特定個人情報等の取扱いが変更され、板橋区民の権利保護と行政の透明性を高めるための措置が講じられています。改正により、個人情報の種類が明確化され、目的外利用や外部提供に関する規定が細分化されました。また、自己情報開示請求訂正・削除・利用中止請求の手続きについても、代理人による請求などが明確化されています。板橋区情報公開及び個人情報保護審査会は、これらの請求に関する不服申立てを審理する重要な役割を担います。

1. マイナンバー法施行に伴う改正

東京都板橋区は、マイナンバー法の施行により、個人情報の取扱いを今まで以上に適正に行う必要性が生じました。これに伴い、東京都板橋区個人情報保護条例(平成8年条例第25号)を改正し、保護条例に基づく個人情報とマイナンバー法及び番号条例に基づく特定個人情報等の取扱いを明確化しました。両者は取扱いに相違点があるため、条例を分けてそれぞれ適正に取り扱えるよう整備されました。 具体的には、個人情報の定義の明確化、目的外利用と外部提供の規定の細分化、自己情報開示等請求手続きの明確化(特に任意代理人による請求の明記)などが行われました。これにより、個人情報の保護と適正な利用がより明確に規定され、区民の権利保護が強化されました。また、行政不服審査法の改正に伴い、不服申立ての手続きが「審査請求」に一元化され、事務手続きの一部変更も実施されました。この変更は平成28年4月1日から施行され、個人情報保護と情報公開に関する手続きの効率化と透明性の向上に繋がっています。 関連資料として「マイナンバー制度における特定個人情報等保護制度の概要」が公開されており、個人情報の取扱いに関するより詳細な情報が提供されています。

2. 行政不服審査法改正に伴う変更

行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の全面改正に伴い、不服申立ての手続きが「審査請求」に一元化されました。これにより、板橋区の情報公開請求や個人情報に関する請求に対する不服申立ての手続きも変更されました。 具体的には、従来の異議申立てと審査請求が統合され、審査請求という統一的な手続きとなりました。この変更は、不服申立ての手続きを簡素化し、迅速化することを目的としています。また、新審査法(平成26年法律第68号)では、審理の公正性を確保するため、原処分に関与していない審査庁の職員から指名された審理員が審理手続を行うことになりました。しかし、板橋区では、東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会において既に実質的な審理が行われているため、審理員による審理手続きの適用を除外しています。 この改正により、情報公開請求や個人情報に関する請求に対する救済手続きがより明確かつ効率的に行われるようになり、区民の権利保護が強化されています。 改正された条例では、これらの変更を反映した手続きが規定され、区民への周知徹底が図られています。

3. 保護条例の改正内容の詳細

保護条例の改正は、マイナンバー法の施行と行政不服審査法の改正を背景に行われました。 個人情報の定義の明確化に加え、目的外利用と外部提供に関する規定が明確に区分されました。目的外利用は、既に収集した個人情報を、収集目的の範囲を超えて区内の機関内で利用すること、外部提供は、区外の機関に提供することを指します。特定個人情報等の目的外利用は、原則として認められていません。 自己情報開示請求、訂正請求、削除請求、利用中止請求の手続きに関しても、マイナンバー法との整合性を図り、制限行為能力者だけでなく、任意代理人による請求も明確に認められました。 これらの改正により、個人情報の保護と適正な利用がより明確に規定され、区民の権利保護が強化されています。また、請求手続きの明確化と簡素化により、区民にとってより分かりやすく、利用しやすい制度となりました。 これらの改正は、個人情報保護に関する最新の法令に則り、区民の権利と利益を最大限に保護することを目的としています。

4. 審査会等の役割と設置根拠

東京都板橋区は、情報公開請求や自己情報開示等請求を拒否された場合の救済措置として、東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会を設置しています。この審査会は、区長からの諮問に応じて、客観的で公正な審査を行い、裁決を行います。 審査会の設置根拠は、東京都板橋区情報公開条例、東京都板橋区個人情報保護条例、そして東京都板橋区個人番号及び特定個人情報等の取扱いに関する条例です。番号条例の制定に伴い、審査会の設置根拠として番号条例が追加されました。 審査会は、有識者を含めた構成員によって構成され、その意見を尊重して区長が裁決を行う仕組みになっています。これは、審理の公正性を担保し、区民の権利保護を強化するための重要な制度です。行政不服審査法改正に伴い、審査請求手続きが変更されたことに対応し、審査会の役割もより重要になっています。 審査会は、区民の権利保護と行政の透明性を確保するために不可欠な機関となっています。

II.個人情報の定義と取扱い

改正後の条例では、個人情報の定義が明確化され、マイナンバー法で規定される特定個人情報等との区別が明確にされています。 事業を営む個人の事業に関する情報などは除外されます。個人情報の取扱いについては、目的外利用と外部提供が区別され、それぞれについての制限と手続きが詳細に規定されています。東京都板橋区では、これらの規定を遵守し、個人情報の適正な保護に努めています。

1. 個人情報の定義

文書では、個人情報の定義として「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るもので、文書、図画、写真、ファイル、磁気ディスク、磁気テープその他これらに類する媒体に記録されるもの」と規定されています。 これは、個人を特定できるあらゆる情報を網羅しており、その媒体は紙媒体から電子媒体まで多岐に渡ります。事業を営む個人の事業に関する情報は、この定義から除外されています。マイナンバー法の施行により、区は従来の個人情報に加え、マイナンバー法及び番号条例に基づく特定個人情報等も保有することになり、個人情報の取扱いの適正化がさらに重要になっています。 この定義に基づき、個人情報の収集、利用、保管など、全ての取扱いにおいて、個人情報の保護に関する法律、および東京都板橋区の関連条例を遵守することが求められます。特定個人情報等については、さらに厳格な取扱い規定が適用されます。

2. 特定個人情報等との区別

マイナンバー法の施行により、個人情報と特定個人情報等の2種類が区別されるようになりました。 従来の個人情報保護条例に基づく個人情報と、マイナンバー法及び番号条例(平成27年板橋区条例第56号)に基づく特定個人情報等とは、取扱いに相違点があるため、明確に区別されています。 特定個人情報等は、マイナンバーを含む、個人を特定しやすい情報であり、その取り扱いにはより厳格なルールが適用されます。 本文書では、これらの情報の種類の違いと、それぞれの取扱いに関する規定について説明がなされています。 特に、特定個人情報等の目的外利用は、本人の同意や審議会の承認があっても原則として認められていません。また、他の自治体への照会や提供についても、マイナンバー法や番号条例で規定された場合を除き、制限されています。この区別は、個人情報の適切な保護と、マイナンバー制度の円滑な運用を両立させるために不可欠です。

3. 目的外利用と外部提供の規定

個人情報の取扱いにおいて、目的外利用と外部提供は明確に区別されています。 目的外利用とは、既に収集している個人情報を、収集した本来の利用目的の範囲を超えて、区の実施機関の内部で利用することです。外部提供とは、既に収集している個人情報を、収集した本来の利用目的の範囲を超えて、区の実施機関以外の者(国、都道府県、他の区市町村等)に提供することです。 目的外利用は、本人の同意があれば原則として可能ですが、緊急時や公益のために必要と認められる場合などは、同意を得なくても利用できます。外部提供を行う際には、本人や第三者の権利利益を不当に侵害しないよう細心の注意を払う必要があり、審議会の意見を聴く必要がある場合もあります。 改正前の条例では、目的外利用と外部提供が一つの条文で規定されていましたが、改正後の条例では、これらの規定が明確に分離され、より分かりやすく、理解しやすいものとなっています。 特に、特定個人情報等については、目的外利用は原則禁止されており、その取り扱いには厳格な規定が設けられています。

III.情報公開請求と審査請求手続き

情報公開請求に対する手続きと、それに伴う不服申立てである審査請求の手続きが、行政不服審査法改正に伴い変更されています。 公開請求は「原則公開」を基本とし、特定の例外を除いて公開が義務付けられています。審査請求は、板橋区情報公開及び個人情報保護審査会に諮問されることになります。 審査会の構成員は有識者を含んでおり、審理の公正性が確保されています。

1. 情報公開請求に関する 原則公開

文書では、情報公開請求に対する手続きについて、「原則公開」の考え方が示されています。これは、請求者からの公文書の公開請求に対して、実施機関は、公開請求に係る公文書に記載されている情報が、特定の適用除外事項(法令又は条例の規定により公にすることができない情報、個人を特定できる情報、法人等に不利益を与える情報など)のいずれかに明らかに該当する場合を除いて、当該公文書を公開しなければならない、という原則です。 この原則公開の考え方は、行政の透明性と情報へのアクセスを確保するために重要であり、市民の知る権利を保障する上で基盤となっています。ただし、適用除外事項については、個人のプライバシー保護や公共の利益を考慮して慎重に判断されるべきであり、その判断基準は明確に規定されています。 これらの規定は、情報公開請求を行う者にとって、どのような情報が公開対象となり、どのような情報が非公開となるのかを理解する上で不可欠な情報となります。

2. 行政不服審査法改正と審査請求手続き

行政不服審査法の全部改正に伴い、不服申立ての手続きが「審査請求」に一元化されました。これにより、情報公開請求に対する結果に不服がある場合の救済手続きも変更されています。 改正前には、異議申立てと審査請求という二つの手続きがありましたが、改正後は、審査請求という統一的な手続きとなりました。 この変更により、手続きが簡素化され、迅速化が図られると期待されます。 審査請求は、区長に対して行われ、区長は東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会に諮問し、その意見を尊重して裁決を行うことになります。ただし、特定の例外を除き、審査会への諮問は迅速に行われるべきであると規定されています。 新審査法では、審理の公正性を確保するため、審理員制度が導入されましたが、板橋区では既に実質的審理が行われている審査会においては、この制度の適用を除外しています。

3. 東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会の役割

東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会は、情報公開請求や個人情報に関する請求に対する不服申立てを審理する第三者的な機関です。 この審査会は、区長からの諮問に応じて審査を行い、その意見を尊重して区長が裁決を行うという仕組みになっています。 審査会の設置根拠は、東京都板橋区情報公開条例、東京都板橋区個人情報保護条例、そして東京都板橋区個人番号及び特定個人情報等の取扱いに関する条例です。 審査会は、有識者を含む構成員によって構成されており、その公平性と専門性を確保しています。 情報公開請求や個人情報に関する請求に対して、公平・中立な立場から審査を行い、区民の権利保護に貢献しています。 審査請求に対する迅速かつ公正な裁決を行うことで、行政の透明性と信頼性を維持し、区民の権利を保護する重要な役割を担っています。

IV.自己情報開示等請求手続き

改正された条例では、住民が自身の個人情報について、自己情報開示請求訂正請求削除請求利用中止請求を行うための手続きが規定されています。 マイナンバー法との整合性を図り、制限行為能力者だけでなく、任意代理人による請求も認められています。 これらの請求に関する不服申立てについても、審査請求の手続きが規定されています。

1. 自己情報開示請求等の権利

東京都板橋区の個人情報保護条例では、区民は、区が保有する自己に関する情報(自己情報等)について、開示請求、訂正請求、削除請求、利用中止請求を行う権利を有すると規定しています。これは、個人が自身の情報について知る権利、誤った情報を訂正する権利、不要な情報を削除する権利、そして不適切な利用を中止させる権利を保障するものです。 これらの権利は、個人情報保護の観点から極めて重要であり、個人が自身の情報を適切に管理し、プライバシーを保護するために不可欠なものです。 改正された条例では、マイナンバー法との整合性を図るため、これらの請求手続きがより明確化され、簡素化されています。特に、制限行為能力者(未成年者、成年被後見人等)だけでなく、本人の委任を受けた任意代理人も、これらの請求を行うことができるようになりました。

2. 代理人による請求の明記

改正前の条例では、制限行為能力者の自己情報開示等請求は、法定代理人(親権者など)のみが代理で行うことができました。しかし、マイナンバー法では、本人の委任による任意代理人による請求も認められています。 改正後の条例では、このマイナンバー法の規定と整合性を保つため、自己情報開示等請求を法定代理人だけでなく、任意代理人も行えることを明確に規定しています。 これは、本人が何らかの事情で自ら請求できない場合でも、委任した代理人が請求できるようにすることで、権利行使の利便性を高めることを目的としています。 この規定の変更により、より多くの区民が自身の権利を行使できるようになり、個人情報保護の強化に繋がっています。 この変更は、特に、高齢者や障害者など、自身で手続きを行うことが困難な方にとって大きなメリットとなります。

3. 請求手続きと審査請求

自己情報開示等請求を行うには、実施機関(板橋区の各課など)に対して、所定の事項を記載した請求書を提出する必要があります。 請求書には、請求者の氏名、住所、請求内容、必要な添付書類などが記載されることになります。 これらの手続きは、条例に詳細に規定されており、区民がスムーズに請求手続きを進められるように配慮されています。 請求内容に関して、実施機関の決定に不服がある場合は、区長に対して審査請求を行うことができます。 審査請求は、東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会に諮問され、その意見を尊重して区長が裁決を行います。 この審査請求手続きは、行政不服審査法に基づいており、区民の権利保護を確保するための重要な仕組みとなっています。 これらの手続きは、「情報公開・個人情報保護制度の手引き(第3改訂版)」にも詳しく記載されています。

V.関連条例と組織

この文書で言及されている主要な条例には、東京都板橋区個人情報保護条例(平成8年条例第25号)、東京都板橋区個人番号及び特定個人情報等の取扱いに関する条例(平成27年板橋区条例第56号)、東京都板橋区情報公開条例(平成12年板橋区条例第1号)などがあります。重要な組織としては、東京都板橋区情報公開及び個人情報保護審査会が挙げられます。この審査会は、情報公開や個人情報に関する不服申立てを審理する役割を担っています。