
福岡県10年経験者研修:実施要綱と詳細
文書情報
著者 | 福岡県教育委員会 |
場所 | 福岡県 |
文書タイプ | 研修実施要綱 |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 2.97 MB |
概要
I.対象教員と研修免除
福岡県10年経験者研修の対象は、公立小・中・高・中等教育学校・特別支援学校及び幼稚園の教諭等で、在職期間10年(※休職期間等除く)に達した者です。ただし、実施細目に定める条件を満たす場合は、所属長の申請により研修を免除される場合があります。平成26年3月31日までに教職経験10年を経過した福岡県市町村(学校組合)立小・中・特別支援学校の教員(養護教諭を除く)も対象です。期限付き採用者、他機関の10年経験者研修修了者、教育委員会勤務経験者で研修不要と認められた者は除かれます。
1. 研修対象教員の要件
福岡県10年経験者研修の対象となる研修教員は、公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、及び幼稚園の教諭等で、教職経験が10年に達した者です。この教職経験には、他都道府県・政令指定都市の公立学校、国立学校、私立学校の経験も含まれますが、臨時的任用や非常勤の期間は除かれます。さらに、指導主事、社会教育主事などの教育委員会での勤務経験も教職経験として通算されます。ただし、休職(専従休職を含む)や育児休業が1年以上継続する場合は、その期間は教職経験から差し引かれます。具体的には、1年未満の端数は切り捨てて計算されます。 特に、福岡県市町村(学校組合)立の小・中・特別支援学校の教員(養護教諭を除く)で、平成26年3月31日までに教職経験10年を経過した者も対象となります。
2. 研修免除の規定
10年経験者研修は原則として義務ですが、所属長の申請により免除される場合があります。これは、実施細目に定められた条件に該当する研修教員を対象としています。免除対象となる具体的な条件は、実施細目において詳細に規定されていますが、文書からは以下の3つのケースが挙げられます。1つ目は、期限付きで採用された者です。2つ目は、他の任命権者が実施する10年経験者研修を既に受講済みの者です。3つ目は、教育委員会において学校教育または社会教育に関する事務に従事した経験があり、その経験を考慮して任命権者が研修の必要ないと判断した者です。これらの条件に該当するかどうかは、個々の状況を教育委員会が判断します。研修免除の判断基準は、教育委員会による詳細な審査に基づいて決定されます。 したがって、研修免除を希望する教員は、該当する条件を満たしているかを確認し、所属長を通じて申請する必要があります。
II.研修内容と実施方法
福岡県10年経験者研修は、教科指導、生徒指導、学級経営等の指導力向上、中堅教員としての自覚と使命感の涵養を目的としています。研修は、県教育委員会の年間計画に基づき、県教育センター、各教育事務所、各学校で実施されます。校内研修では校長、副校長等が指導助言を行い、校外研修(10日)は県教育センター等で行われます。校外研修には、中堅教員としての使命感と経営参画意識の向上、専門性向上のための教科指導に関する課題解決、今日的教育課題の理解と解決策に関する研修が含まれます。研修内容は、評価に基づいた研修教員の課題解決に重点が置かれ、年間2~3回の研究授業(小学校は校長が研修教科を決定、中学校は原則担当教科)が含まれます。研究授業は、指導主事の直接指導を受けることが原則です。
1. 研修の目的と概要
福岡県10年経験者研修は、教育公務員特例法第24条に基づき、教諭等としての在職期間が10年に達した教員を対象に実施されます。研修の目的は、教科指導、生徒指導等に関する指導力の向上と、中堅教員としての自覚と使命感の涵養です。研修内容は、個々の能力や適性に応じて調整され、指導力向上のための具体的なスキル習得や、学級経営、キャリア教育など多岐に渡る内容が含まれます。研修を通して、中堅教員としての高い専門性と責任感、そして学校経営への積極的な参画意識の育成を目指しています。研修計画は福岡県教育委員会が示す年間計画に基づき、実施機関(県教育センター、各教育事務所、各学校)で具体的な計画が策定され、実施されます。
2. 校内研修と指導体制
校内研修は、各学校において実施され、校長、副校長、教頭、主幹教諭などが指導助言者として役割を担います。校長は、校内研修が円滑に進むよう、学校全体の協働体制の構築に努め、研修教員の校務分掌上の位置付けにも配慮する必要があります。研修計画書の作成、研修の進め方、指導体制などの留意事項についても、校長が説明する役割を担います。指導助言者は、研修教員の業務遂行状況を客観的に把握し、研修教員との意志疎通、相互理解を深めるため、随時面談を行うなど、綿密な連携を図ることが求められます。校内研修における指導助言者の役割は、研修教員の成長をサポートする上で非常に重要です。 研修教員の育成には、学校全体が一体となって取り組む姿勢が不可欠です。
3. 校外研修の内容と実施
校外研修は10日間実施され、県教育センター等での研修(4日間)が含まれています。この研修では、講義、演習、実技を通して、中堅教員としての使命感と経営参画意識の向上を図り、専門性を高めたい教科の指導上の課題と課題解決の方策、今日的教育課題の多面的な理解とその解決に向けた具体的方策について学びます。校外研修の内容は、研修教員のニーズや課題を踏まえ、計画的に実施されます。県教育センターで作成される実施計画に基づき、専門的な知識やスキルを習得できるよう工夫されています。研修の欠席については、校長が所管の教育事務所及び市町村教育委員会に連絡し、理由を説明の上、受講期日の調整や次年度への延期を行います。研修の効果的な実施のため、事前の周到な準備と事後のフォローアップも重要です。
4. 研修計画と研究授業
研修計画には、年間2~3回の研究授業が含まれています。研究授業は、研修教員自らが評価に基づいた課題を設定し、授業仮説の検証を行うことを目的としています。小学校では校長が、中学校では原則として研修教員が担当教科を選択し、研究授業を実施します。研究授業の実施に当たっては、4日間を1サイクル(教材研究・学習指導案作成2日、研究授業1日、授業反省1日)とし、指導主事の直接指導を原則として1回以上受ける必要があります。研修内容は、評価を通じて明らかになった研修教員の課題に十分配慮し、計画されます。これらの研修を通じて、研修教員の専門性と指導力を高め、教育現場での実践能力を向上させることを目指します。授業研修を通して、研修教員は自身の指導スキルを向上させ、生徒の学習成果を最大限に引き出すことを目指します。
III.研修評価と報告書
研修教員の評価は校長が行い、副校長・教頭も協力します。評価は、授業観察、研究授業、校内研修等を通して行われ、生徒指導・学級経営等の状況、業務遂行状況などが客観的に把握されます。評価結果に基づき、研修教員は自己の課題を明確化し、研修に取り組みます。評価結果、授業研究報告書、課題別選択研修報告書を提出する必要があります。提出期限は、学校→市町村教育委員会:6月20日、市町村教育委員会→教育事務所:6月27日、教育事務所→義務教育課:7月4日です。研修報告書の様式は指定されています。
1. 研修評価の実施主体と方法
福岡県10年経験者研修における研修教員の評価は、校長が主体となって行います。ただし、副校長や教頭も協力し、授業観察、研究授業、校内研修等の結果を総合的に判断します。評価は、生徒指導、学級経営、学習指導といった多角的な視点から行われ、研修教員の業務遂行状況や教育活動の実態を客観的に把握することを目的としています。校長は、主任や各校務分掌・委員会等の責任者の意見も聴取し、研修教員と直接面談を行うなど、綿密な情報収集に努めます。この評価方法は、研修教員の指導力や教育活動の質を多面的に評価し、個々の課題を明確にするために設計されています。評価は、研修教員の自己評価と合わせて、今後の研修計画に反映されます。研修評価は、研修の効果を検証し、研修内容の改善に役立てられます。
2. 評価内容と自己評価
評価項目は、学習指導、生徒指導、学級経営、家庭・地域との連携など多岐に渡ります。具体的な評価事項は、児童生徒の理解度、授業方法の工夫、学級経営の工夫、家庭や地域との連携状況など、研修教員の教育活動全般にわたります。評価にあたっては、児童生徒の主体的な学習への取り組み、教師の発問や説明の適切さ、教材教具の活用、個に応じた指導の充実度などが考慮されます。研修教員自身も同様の様式の評価表を用いて自己評価を行い、具体的な目標や努力点、今後の課題などを記述します。この自己評価は、校長による評価と合わせて、研修教員の成長を促すための重要な資料となります。研修教員の自己評価は、自己の教育活動に対する省察を深め、今後の成長のための重要なステップとなります。研修評価は、研修の効果を検証し、研修内容の改善に役立てられます。
3. 報告書の提出と内容
10年経験者研修の実施に当たっては、いくつかの文書を作成し、提出する必要があります。具体的には、「平成26年度10年経験者研修 研修教員事績及び指導助言者」と「平成26年度10年経験者研修評価、授業研究報告書、課題別選択研修報告書」です。これらの報告書は、研修内容、研修成果、課題などを詳細に記述する必要があります。提出期限は、学校→市町村教育委員会:6月20日(金)、市町村教育委員会→教育事務所:6月27日(金)、教育事務所→義務教育課:7月4日(金)と定められています。研修報告書の様式は指定されており、研修教員は様式に沿って正確に記入し提出する必要があります。報告書の内容は、研修評価において重要な資料となります。研修報告書の提出は、研修の成果を客観的に評価し、今後の研修改善に役立てる上で不可欠です。
IV.社会体験研修
10年経験者研修には、社会貢献活動または企業体験活動が含まれます。研修教員の課題や適性等に応じて選択し、活動先は校長が情報収集の上決定します。社会貢献活動は県・市町村教育委員会が紹介する施設、企業体験活動は地区商工会議所・商工会が紹介する企業で行われます。研修内容は、活動先の状況を踏まえ、各自で計画・実施します。研修後、社会体験研修報告書を提出します。
1. 社会体験研修の概要と目的
福岡県10年経験者研修の一環として実施される社会体験研修は、研修教員の課題や適性に応じて、社会貢献活動または企業体験活動のいずれかを選択して行われます。この研修の目的は、学校現場とは異なる環境での経験を通して、研修教員の視野を広げ、新たな気づきを得ること、そして社会との繋がりを深めることにあります。研修教員は、自身の専門性や経験を活かしながら、社会貢献活動や企業活動に参加することで、新たな視点や知識を習得し、今後の教育活動に役立てることが期待されています。社会体験研修は、単なる体験学習ではなく、研修教員の自己研鑽と能力向上に繋がる重要なプログラムです。社会体験研修の成果は、研修後提出される報告書を通して評価されます。
2. 活動先と活動内容の決定
社会体験研修の活動先決定は、まず研修教員自身の課題や適性、そして希望を考慮して行われます。校長は、研修教員と相談しながら、具体的な活動先を決定します。社会貢献活動を選択する場合は、県または市町村教育委員会から紹介された社会教育、社会福祉関連施設などが活動先候補となります。一方、企業体験活動を選択する場合は、当該地区の商工会議所・商工会から紹介された企業が候補となります。校長は、活動先の情報収集を行い、研修教員にとって有益な活動先を選ぶ責任があります。活動内容については、研修教員が活動先と相談の上、具体的な計画を立て、実施します。社会体験研修では、研修教員の主体的な参加と積極的な姿勢が求められます。活動場所の選定においては、原則として研修教員の勤務校や住居のある地域を優先することになっています。
3. 実施上の留意事項と報告書の提出
社会体験研修の実施に当たっては、いくつかの留意事項が定められています。活動中は、校長が研修教員を同伴し、決定した活動先に依頼文書を持参します。研修教員は、活動日時や場所、持参物などの詳細を校長と事前に打合わせます。事前・事後の連絡、および活動先への配慮も重要です。万が一、途中で活動を中止する必要がある場合は、校長が活動先に連絡し、理由を説明した上で、期日の変更または新たな活動場所を探します。その旨は、所管の教育事務所及び市町村(学校組合)教育委員会にも連絡する必要があります。研修終了後には、「社会体験研修報告書」を提出します。提出期限は、学校→市町村教育委員会:6月20日(金)、市町村教育委員会→教育事務所:6月27日(金)、教育事務所→義務教育課:7月4日(金)です。社会体験研修報告書は、活動内容や成果、課題などを詳細に記述する必要があります。社会体験研修の円滑な実施と効果的な成果を上げるためには、関係者間の連携と綿密な情報共有が不可欠です。
V.運営委員会と連絡協議会
研修の円滑な運営のため、関係諸機関の実務担当者による福岡県10年経験者研修運営委員会が開催されます。また、研修教員の在籍する学校の校長による福岡県10年経験者研修校長連絡協議会も適宜開催されます。
1. 福岡県10年経験者研修運営委員会
福岡県10年経験者研修の円滑な運営を図るため、関係諸機関の実務担当者からなる福岡県10年経験者研修運営委員会が設置されています。この委員会は、研修の連絡調整、課題解決、その他円滑な運営に必要な事項について協議・決定を行う役割を担っています。委員会の開催頻度や具体的な活動内容は、研修の実施状況や必要性に応じて柔軟に決定されます。運営委員会は、関係機関間の連携を強化し、研修の質を高める上で重要な役割を担っています。10年経験者研修の円滑な運営を確保するために、関係機関の密接な連携と情報共有が不可欠であり、運営委員会はそのための重要なプラットフォームとなります。運営委員会の活動内容や決定事項は、10年経験者研修の全体的な方向性を決定する上で大きな影響力を持っています。
2. 福岡県10年経験者研修校長連絡協議会
10年経験者研修に参加する研修教員の所属学校の校長を対象とした福岡県10年経験者研修校長連絡協議会も設置されています。この協議会は、研修の円滑かつ効果的な実施を目的としており、研修教員の在籍校における研修の進め方や、校内における協働体制の構築などについて、情報共有や協議を行う場として機能します。具体的には、研修の進捗状況、課題、改善策などを共有し、各学校における研修の実施状況を向上させるための施策を検討します。校長連絡協議会は、学校現場の状況を踏まえた上で、より実効性のある研修の運営を支援する役割を担っています。研修の円滑な実施のためには、学校現場の協力が不可欠であり、校長連絡協議会は、その協力体制を構築する上で重要な役割を担っています。協議会の開催頻度などは、必要に応じて適宜調整されます。