2 主 な 修 正 内 容 本 ビジョンの 第 2 部 に 高 齢 化 の 進 展 と 観 光 振 興 の 推 進 の 関 わりについて 項 目 を 追 加 したほか より 分 かりやすい 表 現 への 見 直 しや 統 計 資 料 の 時 点 修 正 をしました 3 今 後 の 進 め 方 本 ビ

茅ヶ崎観光ビジョン:魅力発信戦略

文書情報

著者

茅ヶ崎市

場所 茅ヶ崎市
文書タイプ 政策文書
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 2.55 MB

概要

I.茅ヶ崎市観光振興ビジョンの概要

本ビジョンは、高齢化による昼間人口増加と「さがみ縦貫道路」開通を契機に、茅ヶ崎市観光の活性化と地域経済の振興を目指して策定されました。シティセールスシティプロモーションを重点施策とし、観光資源を最大限に活用した独自のブランド戦略を展開します。具体的な施策として、サザンビーチちがさきなどの魅力的な観光スポットのPR強化、まちなか観光の創出、魅力的な物産・食の提供、情報発信力の強化などが挙げられます。目標は、「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりを実現し、観光客誘引力を高めることです。ホノルル市との姉妹都市締結も、国際的な観光交流促進に貢献すると期待されています。

1. ビジョンの策定経緯と目的

茅ヶ崎市観光振興ビジョンは、平成26年1月に策定された基本的な考え方をたたき台に、市民、事業者団体代表、地域経済団体、地元大学などによる庁外懇話会や市民意見交換会を経て策定されました。市議会全員協議会での協議、パブリックコメントの実施を経て、最終的なビジョンが決定されました。策定の背景には、高齢化による昼間人口の飛躍的な増加と、平成26年度の全線開通予定だった「さがみ縦貫道路」によるインフラ整備があります。これらの要因を、まちの発展の契機と捉え、観光振興による地域経済活性化を目指しています。ビジョンは、持続的な発展のため交流人口と定住人口の増加を図り、市民生活の満足度を高め、「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりを目指しています。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催も、更なる発展の契機として位置づけられています。 ビジョン策定には、庁外懇話会、市民意見交換会、パブリックコメントへの積極的な参加と協力があったことが強調されています。

2. 現状分析 観光客誘引力の課題と観光資源の現状

現状分析では、近隣市町村と比較して茅ヶ崎市の観光客誘引力が低いという課題が指摘されています。大岡越前祭、湘南祭、浜降祭、サザンビーチちがさき花火大会といった主要イベントは地域経済活性化に貢献していますが、更なる誘客増加には限界があると認識されています。 多くの素晴らしい観光資源が存在する一方、市内外での認知度や来訪者ニーズへの対応が不十分であることが課題として挙げられています。魅力的な観光資源や付加価値を高める可能性のある資源を特定し、市場分析に基づいた効果的なブランドイメージの醸成と発信強化が求められています。 既存のイベントに加え、新たなイベントの開発・開催による誘客増加を目指すには限界があり、より綿密な市場調査と、それに見合った発信スタイル・ビジネスモデルの構築が必要だとされています。

3. 基本方針と重点施策 シティセールス シティプロモーション

観光振興の推進のため、7つの基本方針が示されています。重点施策として、独自のシティセールスとシティプロモーションが位置づけられています。 これは、茅ヶ崎市が持つ真の魅力、「ちがさき力」を効果的に発信していくための戦略です。「ちがさき力」には、海や里山などの自然、歴史・文化・芸術、祭りやイベントなどが含まれ、これらを観光資源として最大限に活用し、人とモノを主役としたブランド世界を醸成することが目指されています。 このシティセールス・シティプロモーションは、近隣市町村との競争激化の中で、独自の誘引力を高めるために不可欠な戦略であり、今後数年間の観光振興において最も重要なポイントと位置づけられています。 高齢化の進展や「さがみ縦貫道路」の開通といった社会経済状況の変化を観光振興のチャンスと捉え、情報発信力の強化を図りながら、観光客の消費意欲を高める商品・サービスの開発も促進していく方針です。

4. 目指す姿 住んでよし 訪れてよし のまちづくり

ビジョンは、「住んでよし、訪れてよし」のまちづくりを目指しています。これは、首都圏や近隣市町村からの日帰り観光客だけでなく、「さがみ縦貫道路」を利用する観光客、そして増加するシニア層を含む市民の幅広いニーズに対応することを意味します。 魅力的な物産、食、サービスの開発・提供を通じ、観光客の消費意欲向上と地域経済の活性化を目指します。 また、「まちなか観光」の創出も重要な要素です。文化、教育、経済、健康、交流といった資源を活用し、まち歩きコースや体験交流プログラムなどを開発、消費と結びつけることで、観光客の満足度を高め、口コミによる情報発信を促進する仕組みを構築しようとしています。 単なる観光名所のPRではなく、茅ヶ崎で過ごす時間や空間、人との触れ合いといった「意義」を明確に発信し、新しい価値を創造することが強調されています。

II.現状と課題 魅力の再発見と発信強化

現状分析では、近隣市町村に比べ茅ヶ崎市観光客誘引力が低いことが課題として示されています。大岡越前祭湘南祭浜降祭サザンビーチちがさき花火大会などのイベントは賑わい創出に貢献していますが、更なる観光客誘致には限界があります。そのため、市民・事業者による観光資源の認知度向上、魅力の再発見、そしてそれらを効果的に発信するブランド戦略の構築が不可欠です。特に、**「ちがさき力」**をキーワードに、独自の観光スタイルを確立することが重要となります。

1. 観光客誘引力の現状と課題

茅ヶ崎市は、近隣市町村と比較して観光客誘引力が低いという現状に直面しています。大岡越前祭、湘南祭、浜降祭、サザンビーチちがさき花火大会など、地域を盛り上げるイベントは開催されていますが、それだけでは観光客の増加に限界があることが認識されています。 現状を打破するには、新たな観光客誘致のための戦略が求められています。単純にイベントを増やすだけでは不十分であり、より効果的な観光促進策の検討が必要です。 現状の課題として、市内外における観光資源の認知度が低い点が挙げられます。 多くの魅力的な観光資源を有しているにも関わらず、それらが十分に認知されていないため、観光客の増加に繋がりにくいという問題があります。そのため、観光資源の認知度向上のための戦略が不可欠です。

2. 観光資源の認知度向上と魅力の発掘

茅ヶ崎市には、独自の素晴らしい観光資源が数多く存在します。しかしながら、これらの資源が市内外でどれくらい認知されているのか、現状把握が不十分です。また、潜在的な観光客にとって、どのような観光資源が魅力的で、付加価値を高める可能性があるのかについてのニーズ調査も不足しています。 そのため、市場を分析し、他市町村との比較において茅ヶ崎市の優位性を明確にする必要があります。市民や事業者と協力し、茅ヶ崎市の優れたイメージを醸成し、それを効果的に発信していくことが大きな課題です。 具体的には、観光客の意識、意欲、動向を綿密に調査し、その結果に基づいて茅ヶ崎市独自のビジネスモデルを構築する必要があります。 観光客が求める魅力を的確に捉え、それに応える戦略を立てることが重要となります。 観光資源を単なる「点」としてではなく、「線」や「面」として捉え、全体として魅力的な観光体験を提供できるような枠組みを作ることも重要です。

3. 観光の成熟 への対応と新たな発信スタイル

近年の観光動向として、「観光の成熟」が訪れていると指摘されています。これは、観光客も観光を提供する側も、以前のような単純な「物見遊山」的な観光から、より深く、ゆっくりと味わう観光へと意識が変化していることを意味します。 従来の観光バスツアーのような大量消費型の観光は、もはや主流ではなくなってきており、個人旅行が主流となりつつある現状を踏まえる必要があります。 情報過多の時代において、消費者の心に響く、ゆっくりと「こころに沁みる」ような観光体験を提供することが重要です。 茅ヶ崎市独自の発信スタイルを確立するために、綿密な市場調査に基づき、観光客のニーズを的確に捉えた戦略を立てることが必要不可欠です。 従来型の観光訴求に埋もれない、独自の訴求方法の開発が求められます。

III.重点施策 ちがさき力の発信

平成27年度から平成32年度の重点施策は、シティセールスシティプロモーションです。**「ちがさき力」**とは、海、里山、歴史・文化・芸術、祭り・イベントなど、茅ヶ崎市が持つ多様な魅力の総体です。この力を効果的に発信することで、観光客の誘致と地域経済の活性化を目指します。具体的には、観光資源を活かした回遊プログラムの開発、魅力的な物産・食の提供、情報発信力の強化などを通じて、茅ヶ崎市のブランドイメージを向上させます。小津安二郎八木重吉開高健といった文化人とのゆかりも、観光資源として活用していきます。

1. シティセールス シティプロモーション戦略

重点施策として、平成27年度から平成32年度にかけて、シティセールスとシティプロモーションを展開することが明記されています。これは、茅ヶ崎市が持つ固有の魅力を効果的に外部へ発信し、観光客誘致と地域経済活性化を図るための戦略です。 具体的な取り組みとしては、茅ヶ崎市の真の魅力、深さ、奥行き、歴史に裏付けられた物語性を「ちがさき力」として捉え、これをブランド化し、効果的にPRしていくための広報戦略が重要視されています。 「ちがさき力」は、海や里山などの自然、歴史・文化・芸術、祭りやイベント、そして魅力を発信する事業者や物産などを含む、茅ヶ崎市の多様な魅力の総体です。これらの資源を最大限に活用し、人とモノを主役としたまちのブランド世界を醸成することが目指されています。 この戦略は、近隣都市との競争激化の中で、茅ヶ崎市が独自の誘引力を向上させるために不可欠な要素と位置付けられています。

2. ちがさき力 の定義と具体的な発信方法

「ちがさき力」とは、茅ヶ崎市に存在する真の魅力、深さ、奥行き、そして歴史に裏付けられた物語性を包括的に表現した言葉です。これは、観光客だけでなく、市民をも惹きつける力であり、観光振興の推進に欠かせない要素です。 この「ちがさき力」を構成する要素として、海や里山などの自然、歴史・文化・芸術、祭りやイベントなどが挙げられており、既存の観光資源に加え、魅力を発信する事業者や物産なども含まれます。これらの資源を統合的に捉え、効果的に発信していくことが重要視されています。 具体的な発信方法は、7つの基本方針を基に、市民と観光客の双方から共感を獲得できる、茅ヶ崎市独自のシティセールス・シティプロモーションを展開することです。 これにより、特定の名所・施設に限定されない、茅ヶ崎で過ごすこと自体に価値を見出すような観光促進を目指しています。 「こんどの週末、茅ヶ崎に行く」「一週間ほど茅ヶ崎でぶらぶらしてくる」といった、ゆったりとした滞在の豊かさを訴求していく戦略が示されています。

3. 情報発信力の強化と多様なニーズへの対応

観光客の誘致には、情報発信力の強化が不可欠です。観光客の情報収集手段は多様であり、年齢層や環境によって大きく異なります。そのため、誰に、何を、どのように情報を発信するのかを綿密に検討する必要があります。 今後数年間は、情報発信力の強化期間と位置付け、シティセールスとシティプロモーションを積極的に展開していきます。 情報発信においては、単なる観光情報の羅列ではなく、「茅ヶ崎で過ごすということの意義」を明確に示し、潜在的な観光客の心に響くような、説得力のある発信を行うことが重要です。 首都圏や近隣市町村からの日帰り客だけでなく、さがみ縦貫道路の開通によって増加が見込まれる観光客、そして増加するシニア層など、幅広い層のニーズに対応する必要があります。 各事業者が単独または連携して、魅力的な物産、食、サービスなどを開発し、消費および市内調達率の向上を目指します。

IV.観光資源 多様な魅力の活用

茅ヶ崎市には、サザンビーチちがさき烏帽子岩高座郡衙などの歴史的・自然的観光資源が豊富にあります。さらに、サザン通り商店街茅ヶ崎市美術館開高健記念館などの文化施設やイベント(ほのぼのビーチフェスティバル茅ヶ崎アロハマーケットなど)も重要な観光資源です。これらの観光資源を効果的に組み合わせ、回遊性の高い観光プログラムを開発することで、観光客の滞在時間と消費額の増加を目指します。

1. 茅ヶ崎市の多様な観光資源

茅ヶ崎市は、自然と文化が融合した多様な観光資源を有しています。代表的なものとして、サザンビーチちがさきをはじめとする海岸線、里山、そして歴史的建造物や文化施設が挙げられます。 具体的には、サザンビーチちがさき花火大会、大岡越前祭、湘南祭、浜降祭といったイベント、サザン通り商店街、茅ヶ崎市美術館、開高健記念館などの魅力的なスポット、そして烏帽子岩などの自然景観が観光客を惹きつけます。 さらに、小津安二郎、八木重吉、開高健といった著名な文化人とのゆかりも、重要な観光資源として位置づけられています。これらの資源は、それぞれが独立した「点」ではなく、互いに関連付け、統合的に活用することで、より大きな魅力を生み出す可能性を秘めています。 歴史的な高座郡衙の遺跡なども、観光資源として活用できる可能性を秘めています。これらの資源を効果的に組み合わせることで、観光客の満足度を高めることができます。

2. 観光資源のネットワーク化と回遊性の向上

観光資源を単独で活用するのではなく、それらを有機的に繋ぎ合わせることで、観光客の滞在時間と消費額の増加を目指します。 観光客の「回遊性」を高めるための戦略が重要です。これは、複数の観光スポットを効率的に巡ることができるような、魅力的なルートやプログラムを開発することを意味します。 例えば、「まちなか観光」の創出として、まち歩きコースや体験交流プログラムなどを開発し、商店街などの活性化にも繋げていく計画です。 これらのプログラムには、消費行動を促す要素も組み込むことで、観光客の滞在時間を長くし、消費額を増やす効果が期待できます。 観光資源のネットワーク化は、観光客にとっても、地元住民にとっても、より豊かな観光体験を提供することに繋がります。

3. 魅力的な物産 食の提供とビジネスモデルの確立

観光客の消費意欲を高める魅力的な物産や食の提供は、観光振興に不可欠です。観光客をターゲットとした商業、農業、漁業等の取り組みを強化し、茅ヶ崎市ならではのビジネスモデルを確立していく必要があります。 地元の食材を使った加工品や、地域独特の料理などを開発することで、観光客に特別な体験を提供し、消費額の増加を促すことができます。 サザン通り商店街などの地域資源を活用した取り組みなども重要となります。 また、観光客のニーズを踏まえ、商品やサービスの開発を行うことで、より多くの観光客を呼び込み、地域経済の活性化を図ることが期待されます。 単に観光資源をアピールするだけでなく、それらを活用したビジネスモデルを構築することで、観光振興を持続可能なものにすることができます。

文書参照

  • 茅ヶ崎市観光振興ビジョン「茅ヶ崎、動く」 (茅ヶ崎市経済部産業振興課観光担当)