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健康情報活用基盤 通信仕様

文書情報

著者

厚生労働省

専攻 医療情報学
出版年 2014
文書タイプ 技術仕様書
言語 Japanese
フォーマット | PDF
サイズ 789.01 KB

概要

I.二次医療圏を超えた医療情報連携システムのインターフェース仕様

このドキュメントは、二次医療圏超えにおける医療情報の参照を可能にするシステムのインターフェース仕様とデータ通信方法を記述しています。具体的には、レジストリリポジトリ、そしてゲートウェイ間の連携に焦点を当て、IHE ITI規格に基づいたHL7 V3メッセージ(ストアドクエリ(ITI-18)文書セットの読出し(ITI-43)患者IDフィード(ITI-44)など)を用いたSOAPによるデータ通信方法を詳細に説明しています。 システムは、能登北部と能登中部地域間の医療機関を対象としており、地域IDと地域患者IDを用いた文書検索(ゲートウェイ間文書検索)や、EntryUUIDを用いた検索なども含まれます。 XDS (Cross-Enterprise Document Sharing) 標準に準拠した文書情報検索文書読出し手順についても解説しています。

1. 患者IDフィードと患者レジストリ

このセクションでは、HL7 V3版[ITI-44]を利用した患者IDフィードについて説明しています。具体的には、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』の「4.2.1.2.3. 患者レジストリ重複解決メッセージ(Patient Registry Duplicate Resolved)」と「4.2.1.2.4. 受諾応答メッセージ(Accept Acknowledgement)」を参照し、患者情報の送受信における重複解決や応答処理について解説しています。SOAP呼び出し例と返却例も示されており、患者IDの正確な連携と一意性の確保に重点が置かれています。 患者レジストリとの連携において、重複する患者情報の解決方法や、システム間のメッセージの送受信における成功・失敗の確認方法などが、具体的なSOAPメッセージの例を用いて詳細に説明されています。これらの情報は、システムの安定稼働とデータの信頼性を確保するために不可欠です。

2. ゲートウェイ間文書検索 地域IDと地域患者ID指定

このセクションは、能登北部と能登中部地域間の医療機関間における文書検索を説明しています。中部二次医療圏超え開始ゲートウェイと北部二次医療圏超え応答ゲートウェイ間の通信手順、そしてSOAP呼び出し例と返却例を提示しています。 検索には地域IDと地域患者IDが使用され、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』の「5.3.1.2.1. ストアドクエリメッセージ(Registry Stored Query)」 (表5-36参照) をベースとした具体的な手順が示されています。 この手順は、異なる医療圏にある医療機関間で、患者の診療情報を効率的に検索するための重要な基盤となります。 能登北部と能登中部という地理的制約を考慮した、地域特有のIDを用いた検索方法が、このシステムの特色と言えるでしょう。

3. 文書情報検索 地域IDと地域患者ID EntryUUID指定

このセクションでは、地域IDと地域患者ID、またはEntryUUIDを用いた文書情報検索について解説しています。北部および中部二次医療圏超え応答ゲートウェイから、それぞれのXDS Document Registryへの問い合わせ手順が示され、SOAP呼び出し例と返却例、そして参照すべき『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』のセクション(「5.3.1.2.1. ストアドクエリメッセージ(Registry Stored Query)」と「5.3.1.2.2. ストアドクエリ応答メッセージ(Registry Stored Query Response)」)が明記されています。HL7 V3版[ITI-18]のストアドクエリが利用され、効率的な文書検索を実現しています。 地域IDと地域患者IDによる検索に加え、EntryUUIDによる検索もサポートすることで、柔軟な検索方法を提供している点が特徴的です。 これは、様々な検索条件に対応し、システムの使い勝手を向上させる上で重要な要素と言えます。

4. ゲートウェイ間文書読出しと文書情報取得

このセクションでは、リポジトリユニークIDとドキュメントユニークIDを用いた文書の取得手順について説明しています。中部と北部のXDS Document Consumerから開始ゲートウェイへの要求、そしてゲートウェイ間の通信、最後にリポジトリからの文書取得という一連の流れが、詳細に示されています。 HL7 V3版[ITI-43]の文書セットの読出しと、[ITI-39]のゲートウェイ間文書読み出しが使用され、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』と『JAHIS地域医療連携のためのIHE ITI適用ガイド』を参照することで、詳細な手順を確認できます。 SOAP呼び出し例と返却例、そしてHTTP通信方法も明記されています。 このセクションは、実際に医療情報を取得する上で最も重要な部分であり、その詳細な手順と利用する規格が明確に示されています。

II.システム構成と技術仕様

システムは、Windows Server 2008 x64 R2 Standard Edition上で動作するJavaVM(jre 1.7)とApache HTTP Server 2.2.22、Apache Tomcat Ver 6.0.35を利用しています。外部からのアクセスはHTTPS(Port:443)で受け付けます。医療情報連携に必要なゲートウェイ(開始ゲートウェイと応答ゲートウェイ)、レジストリリポジトリ間の通信は、主にSOAP WebメソッドによるオブジェクトXMLデータ通信で行われます。具体的なサービスURL(例: http://10.224.54.70/xdsrepository/DocumentRepository.svc)も記載されています。認証方法はデータセンター内部処理のため不要です。

1. サーバー環境とミドルウェア

システムの基盤となるサーバー環境とミドルウェアの仕様が記述されています。オペレーティングシステムはWindows Server 2008 x64 R2 Standard Edition、Java仮想マシン(JavaVM)はjre 1.7が使用されています。WebサーバーにはApache HTTP Server 2.2.22、WebアプリケーションサーバーにはApache Tomcat Ver 6.0.35が採用されています。これらの技術選定は、システムの安定性と互換性を確保するために重要であり、システム全体の動作を支える基盤技術となっています。 外部からのアクセスはHTTPSプロトコルを用いて、ポート443で受け付けるように設定されています。セキュリティと通信の信頼性を確保するための重要な設定であり、外部からの不正アクセスを防止する役割を担っています。このセクションでは、システムの安定した運用に必要なハードウェアとソフトウェア環境の構成が明確に示されています。

2. 通信環境とデータ通信方法

システムの通信環境とデータ通信方法について説明しています。外部からの要求はHTTPS(Port:443)で受け付けることが必須要件として挙げられています。これは、セキュリティを確保するためにHTTPS通信が必須であることを示しています。データ通信方法としては、SOAP Webメソッドを用いたオブジェクトXMLデータ通信が採用されています。 これは、医療情報のような構造化されたデータを安全かつ効率的に交換するための標準的な方法であり、システム間のデータ連携を円滑に行うための重要な要素となっています。 認証方法は、データセンター内部の処理であるため不要とされています。このことは、システムの内部ネットワークのセキュリティが確保されていることを前提としています。 このセクションは、システムの通信に関する重要な技術仕様を明確に記述しています。

3. インターフェース仕様とサービスURL

システムのインターフェース仕様と、具体的なサービスURLが提示されています。 サービスURLの例としてhttp://10.224.54.70/xdsrepository/DocumentRepository.svcが挙げられています。このURLは、システム外部からアクセスする際に使用するアドレスであり、システムへのアクセスを制御する上で重要な情報となります。 このセクションは、システムの外部との接続点を明確にすることで、システムの利用方法を具体的に示す重要な役割を果たしています。 システムのインターフェース仕様は、他のシステムとの連携を円滑に行うための基盤となります。 そのため、この仕様が明確に定義されていることは、システム全体の設計と運用において非常に重要です。このセクションでは、システムの具体的な接続方法とアクセス方法について説明しています。

III.具体的なメッセージ交換手順 例

ドキュメントでは、ゲートウェイ間文書検索文書情報検索ゲートウェイ間文書読出しといった主要な処理手順について、SOAPの呼び出し例と返却例を、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』を参照しながら詳細に説明しています。これらの手順は、ストアドクエリメッセージ(Registry Stored Query)文書セットの読出し要求メッセージ(RetrieveDocumentSet) といったIHE ITIプロファイルに準拠しています。 能登北部と能登中部地域間の医療機関間の医療情報連携を円滑に行うための具体的な手順が示されています。

1. ゲートウェイ間文書検索手順 地域IDと地域患者IDによる検索

このセクションでは、能登北部と能登中部地域間の医療情報連携における、ゲートウェイ間文書検索の手順を説明しています。中部XDS Document Consumerから中部二次医療圏超え開始ゲートウェイ、そして北部二次医療圏超え応答ゲートウェイへの一連の通信手順が示されています。検索条件には、能登北部または能登中部の地域IDと地域患者IDが使用されます。各ステップにおけるSOAP呼び出し例と返却例が提示されており、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』の「5.3.1.2.1. ストアドクエリメッセージ(Registry Stored Query)」 (表5-36参照) を参照することで、詳細なメッセージ内容を確認できます。 この手順は、異なる医療圏にまたがる文書検索を可能にする重要なプロセスであり、その詳細な手順とSOAPメッセージの例によって、システムの動作を明確に理解することができます。

2. 文書情報検索手順 地域IDと地域患者ID EntryUUIDによる検索

このセクションでは、地域IDと地域患者ID、またはEntryUUIDを用いた文書情報検索の手順を説明しています。二次医療圏超え応答ゲートウェイからXDS Document Registryへの問い合わせ、そしてその応答処理について、詳細な手順が記述されています。 SOAP呼び出し例と返却例は、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』の「5.3.1.2.1. ストアドクエリメッセージ(Registry Stored Query)」と「5.3.1.2.2. ストアドクエリ応答メッセージ(Registry Stored Query Response)」 (表5-36, 表5-38参照) を参照することで確認できます。HL7 V3版[ITI-18]のストアドクエリが利用されていることが明記されています。 地域IDと地域患者ID、EntryUUIDのいずれの検索方法でも、効率的な文書検索を実現するための手順が提示されています。

3. ゲートウェイ間文書読出し手順

このセクションは、リポジトリユニークIDとドキュメントユニークIDを用いた文書読出し手順を説明しています。中部XDS Document Consumerから中部二次医療圏超え開始ゲートウェイ、そして北部二次医療圏超え応答ゲートウェイ、最後に北部XDS Document Repositoryへの一連の通信と文書取得手順を示しています。 HL7 V3版[ITI-43]の文書セットの読出し、そして[ITI-39]のゲートウェイ間文書読み出しが用いられており、『JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド本編 Ver.1.0』と『JAHIS地域医療連携のためのIHE ITI適用ガイド』の該当箇所を参照することで、より詳細な情報が得られます。 SOAP呼び出し例と返却例、HTTP通信方法も具体的に記述されています。 この手順は、実際に医療文書を取得する上で最も重要な部分であり、その詳細な手順と利用する規格が明確に示されています。