
内蔵無線LAN設定ガイド
文書情報
著者 | 富士通 |
会社 | 富士通 |
文書タイプ | マニュアル |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 1.44 MB |
概要
I.無線LAN接続と電波干渉への対策
本マニュアルは、コンピューター内蔵の無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n対応)の設定と、使用上の注意を説明します。特に、電波干渉を防ぐための重要な情報が含まれています。2.4GHz帯と5GHz帯の周波数帯、および使用するチャンネルの選択が無線LAN接続の安定性に大きく影響します。近隣の電子レンジや他の無線機器(構内無線局、特定小電力無線局など)からの電波干渉に注意し、必要に応じてチャンネル変更や設置場所の変更、あるいは電波の発信停止を行う必要があります。また、セキュリティ設定(WPA2-PSK、WEPなど)を適切に行うことで、通信内容の盗聴や改ざんを防ぎます。 アクセスポイントの設定も重要です。 本コンピューターは、高周波エネルギーを放射するため、人体への影響を最小限にするために、アンテナ部分への接触を避けてください。
1. 使用前の確認と電波干渉への対応
本コンピューターの使用前に、近隣で移動体識別用の構内無線局(免許を要する無線局)および特定小電力無線局(免許を要しない無線局)が運用されていないことを確認するよう指示されています。これは、これらの無線局との電波干渉を防ぐためです。万一、本コンピューターからこれらの無線局に対して電波干渉が発生した場合、直ちに電波の発射を停止し、連絡先に連絡して混信回避のための処置(パーティションの設置など)について相談するよう指示されています。本コンピューターの使用周波数帯では、電子レンジなどの産業・科学・医療用機器も使用されているため、これらの機器からの干渉にも注意が必要です。 具体的な連絡先については、マニュアルに記載されているものと思われますが、この抜粋部分からは明示されていません。 使用前に周囲の電波環境を確認することは、無線LANの安定した動作、そして近隣への影響を最小限に抑える上で極めて重要であることが強調されています。
2. 電波放射の人体と環境への影響
本コンピューターから放射される電波出力は、携帯電話よりもはるかに低いレベルに抑えられていますが、それでも人体への影響を考慮し、通常の動作中はアンテナ部分に極力触れないよう注意を促しています。この記述は、高周波安全基準および勧告のガイドラインに従って動作することを保証しており、科学界の統一見解を反映したものであると説明しています。また、本コンピューターは他の高周波デバイスと同様に高周波エネルギーを放出しますが、そのレベルは携帯電話などよりもはるかに低いと明記されています。この部分は、ユーザーが安心して製品を使用できるように、安全性の面を強調した記述となっています。 具体的な基準や勧告の詳細については、この抜粋部分からは明示されていませんが、科学的な根拠に基づいた安全設計であることが主張されています。 安全基準への準拠は、製品の信頼性とユーザーの安心感を高める重要な要素であると捉えられます。
3. 屋外使用と電波法への準拠
本コンピューターに内蔵されている無線LANは、電波法の規定に従い、5GHz帯のチャンネル(W52/W53)は屋外で使用できないと明記されています。W56チャンネルのみ屋外で使用可能ですが、屋外で使用する場合には、5GHz帯の電波を停止する必要があると注意喚起されています。これは法令遵守の観点から極めて重要です。5GHz帯の電波を停止する具体的な操作方法については、マニュアルの別の箇所に記載されていると推測されます。この記述は、法規制を遵守し、適切な使用方法を促すための重要な情報です。 電波法違反による罰則等については、この抜粋部分では言及されていませんが、法的リスクを回避するため、屋外での使用に関する注意点を理解し遵守する必要があることが強調されています。
4. 電波干渉に関する注意事項と対策
本コンピューターは高周波エネルギーを発生・使用・放射するため、マニュアルに従わない設定や使用は無線通信への有害な干渉を引き起こす可能性があると警告しています。ラジオやテレビへの干渉が発生した場合、本コンピューターの電源のオンオフで原因が特定できる場合は、機器間の距離を離すなどの対策を取るよう指示しています。 また、他の無線LAN機器とのチャンネル干渉が発生する可能性についても言及し、チャンネル間隔をあけるか、物理的に機器を3m以上離すなどの対策を提案しています。さらに、Bluetooth機器との2.4GHz帯の周波数帯重複による干渉についても注意喚起しています。この部分は、ユーザーが電波干渉を認識し、適切な対策を講じることで問題を回避できるよう、具体的な対策方法を示した記述となっています。 電波干渉は無線LANの利用において重大な問題となる可能性があり、その対策はユーザーにとって重要な情報であることを示しています。
II.最適な無線LAN環境の設定
安定した無線LAN接続を確保するには、周囲の電波状況を考慮したチャンネル選択が重要です。特に、複数の無線LANネットワークが同一フロアで使用されている場合は、チャンネルの重複による干渉が発生する可能性があります。この場合、電波干渉を避けるために、チャンネルを変更するか、機器間の距離を離す必要があります。 また、金属製の導体や強い電波を発する機器(電子レンジなど)からの影響も考慮し、コンピューターの設置場所を調整することが必要です。アクセスポイントとの距離、建物の構造、障害物なども通信速度や接続安定性に影響します。 推奨される最大通信距離は、IEEE 802.11a準拠の場合、見通し半径15m以内です。ただし、実際の通信距離は使用環境によって異なります。
1. チャンネル選択と電波干渉の回避
無線LANの最適な環境設定において、チャンネル選択は非常に重要です。特に、複数の無線LANネットワークが同一フロアで運用されている場合、使用するチャンネルが重なると電波干渉が発生し、通信速度の低下や接続不良につながる可能性があります。そのため、使用可能なチャンネルの中から、干渉の少ないチャンネルを選択する必要があります。マニュアルでは、周囲の電波状況を確認し、他の無線局に干渉を与えないチャンネルを選択するよう推奨しています。 具体的なチャンネルの選定方法は、マニュアルの他のセクションに詳細な説明があるものと思われます。 また、IEEE 802.11b/gではチャンネル1~13が使用され、アクセスポイントによっては初期設定でチャンネル14が設定されている場合もあるため、注意が必要です。 干渉が解消されない場合は、他の無線LAN機器から3m以上離すなどの物理的な対策も有効な手段として挙げられています。
2. 設置場所と周辺機器の影響
コンピューターの設置場所も無線LANの通信性能に影響を与えます。周囲が金属などの導体でできている場所は、通信性能が低下する可能性があるため避けるべきです。また、電子レンジなどの強い高周波エネルギーを出す機器の近くでは、電波干渉の影響を受けやすく、正常に通信できない可能性があります。 そのため、これらの機器から離れた場所にコンピューターを設置することが推奨されています。 さらに、他の電気機器からも離して設置するよう指示があり、コンピューターと他の機器を近づけると通信不良や機器の障害を引き起こす可能性があることが説明されています。 バッテリ駆動中に無線LANを使用する場合は、バッテリ残量にも注意する必要があります。 設置場所の選定は、電波干渉や機器間の干渉を考慮し、安定した無線LAN環境を構築するために重要な要素であることが強調されています。
3. 通信距離と環境要因
コンピューターと通信相手の機器間の推奨最大通信距離は、無線LANの種類によって異なります。例えば、IEEE 802.11a準拠の場合、見通し半径15m以内とされています。しかし、これはあくまでも推奨値であり、建物の構造、材質、障害物、ソフトウェア、設置状況、電波状況などの使用環境によって通信距離は大きく変動する可能性があります。 通信速度の低下や通信不能となる可能性もあるため、予め理解しておく必要があります。 特に、建物の構造や材質、障害物の有無などは、電波の伝搬に大きな影響を与えるため、設置場所の選定に際してはこれらの要素を考慮する必要があります。 最適な無線LAN環境を実現するためには、通信距離だけでなく、周辺環境全体を考慮した上で設置場所を選定することが重要であると述べられています。
4. IEEE 802.11n接続とHT40機能
IEEE 802.11nで接続する場合は、パスフレーズ(PSK)をAESに設定する必要があると明記されています。また、IEEE 802.11nでは40MHz帯域幅システム(HT40)に対応していますが、HT40を利用するには無線LANアクセスポイントもHT40に対応している必要があります。さらに、HT40機能を有効にする場合は、周囲の電波状況を確認し、他の無線局に電波干渉を与えないことを事前に確認するよう注意喚起されています。万一、他の無線局に電波干渉が発生した場合は、直ちにHT40機能を無効にする必要があります。 このセクションは、IEEE 802.11n接続に関する具体的な設定方法と、HT40機能使用時の注意点について解説しています。 HT40機能は高速な通信速度を実現しますが、電波干渉のリスクも高まるため、慎重な運用が求められます。
III.セキュリティ設定と注意事項
無線LANを使用する際には、セキュリティ設定を適切に行うことが不可欠です。 初期状態ではセキュリティ設定が施されていない場合があるため、必ず無線LANアクセスポイントの取扱説明書に従って設定を行う必要があります。 セキュリティキーまたはパスフレーズ(PSK、WEPキー)の設定方法や、使用可能な文字数、暗号化方式(WEP、WPA2-PSKなど)についても説明があります。 不正な改造による電波干渉や、セキュリティ設定の不備による情報漏洩のリスクを理解し、自己責任において製品を使用してください。 航空機内や医療機関などでは、無線通信機能の使用が制限されている場合がありますので、必ず事前に確認してください。
1. 無線LANアクセスポイントのセキュリティ設定
無線LANアクセスポイント、および本コンピューターに内蔵されている無線LANは、セキュリティ機能を備えています。しかし、購入時の状態ではセキュリティ設定がされていない可能性があるため、必ずアクセスポイントに添付されている取扱説明書に従い、セキュリティに関するすべての設定を行う必要があります。 設定を行わないまま使用すると、通信内容の盗聴や改ざん、コンピューターウイルス感染などのリスクが高まります。 セキュリティ設定には、WPA2-PSK、WPA-PSK、WEP、EAP-TLS、PEAP-TLS、PEAP-MSCHAPv2などの暗号化方式があり、使用する方式によって設定方法が異なります。 また、セキュリティキーまたはパスフレーズ(PSKまたはWEPキー)に使用できる文字や文字数もセキュリティの種類によって異なるため、注意が必要です。 これらのセキュリティ設定を適切に行うことで、セキュリティリスクを軽減することができます。 ただし、無線LANの仕様上、特殊な方法でセキュリティ設定が破られる可能性もあることを理解した上で使用することが重要です。
2. セキュリティ設定と責任
本マニュアルでは、ユーザーがセキュリティ設定を行わずに使用した場合のリスクを十分に理解した上で、自己責任においてセキュリティ設定を行い、製品を使用するよう強く推奨しています。 これは、セキュリティ設定の不備によって生じる損害に関して、メーカーは責任を負わないという免責事項とも関連しています。 ユーザーは、不正アクセス、データ改ざん、ウイルス感染などのリスクを十分に理解し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。 特に、無線LANアクセスポイントの設定が正しく行われているかどうかの確認は、ユーザー自身の責任で行う必要があると明記されています。 安全な無線LAN環境を構築するためには、ユーザー自身の積極的なセキュリティ対策が不可欠であることが強調されています。
3. 無線LANの特性とセキュリティ上の制約
無線LANは電波を利用するため、電波の届く範囲であれば自由にLAN接続が可能という利点がありますが、その反面、電波は障害物を越えて広がるため、セキュリティ対策が不十分な場合、通信内容が盗み見られるリスクがあります。 このリスクを軽減するためには、前述の通り適切なセキュリティ設定を行うことが不可欠です。 また、特定の場所(空港など)では、無線デバイスの使用が制限されている場合があり、使用許可を得る必要があると注意喚起されています。 ユーザーは、無線LANの特性を理解し、セキュリティリスクを最小限に抑えるための適切な対策を講じる必要があります。 本コンピューターの不正な改造によってラジオやテレビへの干渉が発生した場合も、メーカーは責任を負わないと明記されています。
IV.トラブルシューティング
無線LAN接続に問題が発生した場合、原因と解決策を確認してください。 よくあるトラブルとして、他のコンピューターが表示されない、アクセスポイントに接続できない、通信速度が遅いなどが挙げられます。これらの問題に対処するために、IPアドレス設定、セキュリティ設定、チャンネル変更、設置場所の変更など、様々な解決策が提示されています。 電波干渉も接続不良の原因となるため、周囲の電波状況を確認し、必要に応じて対策を講じる必要があります。
1. アクセスポイント接続不良と解決策
インフラストラクチャ通信(無線LANアクセスポイント経由のネットワーク)において、アクセスポイントに接続できない場合のトラブルシューティングが記述されています。 コンピュータ起動時のネットワークドライブの再接続失敗は、クリックすることで解決できる場合があるとのことです。 また、アドホック通信の場合は、接続相手のコンピュータとの距離を縮めたり、障害物を除去することで接続できる可能性があります。 複数の無線LANネットワークが同一フロアで使用されている場合、使用チャンネルが重複し、IPアドレスが正常に取得できないことがあります。この場合は、セキュリティ設定がアクセスポイントと一致しているか、コンピュータのインターネットプロトコル(TCP/IP)設定を確認する必要があります。 ネットワークへのアクセス権限についてもネットワーク管理者への確認が推奨されています。 接続できない原因を特定し、適切な対処を行うことで、問題解決を目指せるように、具体的な手順が示されています。
2. ローミングによる接続不安定と対策
複数の無線LANアクセスポイントを同じSSID設定で使用している場合、コンピュータの設置場所によってはローミングが頻繁に発生し、接続が不安定になる可能性があります。 この問題に対する対策として、アクセスポイントの配置やSSID設定の見直しなどが考えられますが、マニュアルでは具体的な解決策は示されていません。 この問題は、複数のアクセスポイントを使用する環境特有の現象であり、接続の安定性を維持するために、設置場所やアクセスポイントの設定を適切に調整する必要があることを示唆しています。 より詳細な解決策は、別途専門家への相談や、アクセスポイントのメーカーへの問い合わせが必要となる可能性があります。
3. その他の接続問題と対処法
ネットワークコンピュータをクリックしても他のコンピュータが表示されない、もしくは表示されても接続できない場合の対処法についても触れられています。 この問題の原因は多岐に渡る可能性がありますが、マニュアルでは、IPアドレスの設定、セキュリティ設定の確認、アクセスポイントとの通信状態の確認などが挙げられています。 また、DHCPサーバーを使用している場合は、IPアドレスを自動的に取得する設定になっているかどうかも確認する必要があります。 ドメインへのログオン前にネットワークに接続したい場合、セキュリティ設定がWPA2-PSK(WPA-PSK)やWEPの場合は追加設定は不要ですが、EAP-TLS/PEAP-TLS/PEAP-MSCHAPv2を使用する場合は特殊な設定が必要となる旨が記されています。 これらのトラブルシューティング情報は、ユーザーが自ら問題解決を試みるための指針として役立つものとなっています。