
CLUSTERPROシステム構築ガイド:PP編
文書情報
会社 | 日本電気株式会社 |
文書タイプ | マニュアル |
言語 | Japanese |
フォーマット | |
サイズ | 612.52 KB |
概要
I.クラスタサーバOSアップグレード
このドキュメントは、CLUSTERPROクラスタシステムのOSアップグレード、設計、構築、運用、保守に関する情報を提供します。OSアップグレード手順を誤ると、フェイルオーバ発生やシステム損傷につながるため、セットアップカードに従った作業が必須です。特に、共有ディスクとミラーディスクシステムの構成は、構築・運用に影響を与えます。
1. アップグレード手順と注意事項
クラスタサーバのOSアップグレードは、手順を誤ると予期せぬフェイルオーバを引き起こし、最悪の場合、システムに深刻なダメージを与える可能性があります。そのため、アップグレード作業は、必ずセットアップカードに記載されている手順に厳密に従う必要があります。この手順書は、OSアップグレードにおけるリスクと、安全なアップグレードを実現するための具体的なステップを詳細に説明することを目的としています。特に、共有ディスクシステムとミラーディスクシステムでは、手順に違いがあるため、それぞれのシステム構成に適した手順を選択し、正しく実行することが重要です。 アップグレードプロセス全体を通して、システムの安定性を維持し、データの損失を防ぐことが最優先事項となります。そのため、各ステップにおけるチェックポイントを明確に示し、問題発生時の対処法についても解説することで、スムーズで安全なアップグレードを支援します。
2. クラスタ生成ガイド 共有ディスク ミラーディスク
CLUSTERPROのインストール後、システムを運用するために必要な環境設定手順を詳細に説明しています。このセクションでは、共有ディスクシステムとミラーディスクシステムの2種類のシステム構成に対応したガイドを提供しており、それぞれのシステム構成に最適化された設定方法を分かりやすく解説しています。共有ディスクとミラーディスクは、クラスタシステムにおけるデータの冗長化と可用性を確保するための重要な要素であり、それぞれの特性を理解した上で適切な設定を行う必要があります。このガイドでは、設定手順に加えて、各設定項目の意味や、設定ミスによって発生する可能性のある問題についても丁寧に解説しています。これにより、初心者であっても安心してクラスタシステムの構築を進めることが可能です。また、トラブルシューティングについても触れ、問題が発生した場合の対処法についても記述することで、より実践的なガイドとなっています。
3. 運用 保守編 障害発生時の対処とエラー一覧
クラスタシステムの運用・保守に必要な知識、障害発生時の対処方法、そして発生する可能性のあるエラーの一覧をまとめたドキュメントです。このセクションでは、日々の運用において直面する可能性のある様々な問題に対する解決策を提供します。具体的には、一般的なエラーメッセージとその原因、そして解決策を詳細に解説しています。また、定期的なメンテナンス手順や、システムパフォーマンスの監視方法についても説明することで、安定したシステム運用を支援します。さらに、クラスタシステムの初心者を対象に、基本的な運用知識から、より高度なトラブルシューティングまで、幅広い情報を網羅しています。これにより、システム管理者は、日々の運用業務を円滑に進め、障害発生時にも適切な対応をとることが可能となります。ドキュメントは、実践的な内容を重視し、具体的な手順や例を多く含むことで、理解度を高めるよう努めています。
II.クラスタシステム設計 構築
**クラスタシステム設計編(基本/共有ディスク、ミラーディスク)**では、システム構築に必要な情報を網羅しています。共有ディスク、ミラーディスクシステム両方の構築手順と注意事項を説明し、構築前の情報収集に役立ちます。CLUSTERPROの高度な機能を活用する場合は、クラスタシステム設計編(応用)を参照してください。ここでは、ホットスタンバイ、コールドスタンバイ、相互スタンバイ型、負荷分散/縮退運転型などの様々なフェイルオーバ構成について解説しています。
1. システム設計編 基本 共有ディスクとミラーディスクシステム
このセクションは、CLUSTERPROクラスタシステムの設計と構築において、ほとんどのシステムで必要となる基本事項を網羅したハウツー集です。共有ディスクシステムとミラーディスクシステムの両方に対応しており、それぞれのシステム構成における設計上の考慮点、構築手順、そして運用上の注意事項を詳細に説明しています。構築前に知っておくべき重要な情報や、構築にあたっての注意点などを具体例を交えて解説することで、システム設計段階における潜在的な問題を事前に回避し、安定したシステム構築を実現するための指針を提供します。特に、共有ディスクとミラーディスクそれぞれの特性を理解し、システムの要件に最適な構成を選択することが重要です。このセクションでは、その選択を支援するための情報を提供するとともに、それぞれの構成におけるメリットとデメリットについても解説しています。さらに、システム設計におけるベストプラクティスを示すことで、高可用性で堅牢なクラスタシステムを構築するための基礎知識を習得することができます。
2. CLUSTERPROスクリプトと運用管理コマンド
CLUSTERPROクラスタシステムの運用管理において、スクリプトやコマンドラインインターフェースから実行可能なコマンドのリファレンスを提供しています。このセクションでは、CLUSTERPROが提供するスクリプト言語で記述できるコマンド、およびサーバやクライアントのコマンドプロンプトから実行できる運用管理コマンドについて、その構文、オプション、そして使用方法を詳細に説明しています。これにより、システム管理者は、自動化されたタスクの実行や、システムの状態監視、そして問題発生時の迅速な対処を行うことが可能となります。さらに、高度な運用管理を行うための高度なコマンドについても解説することで、システム管理者の効率性を向上させます。このリファレンスは、システム管理者にとって不可欠なツールとなり、クラスタシステムの効率的な運用・保守に貢献します。具体的なコマンドの例を豊富に掲載し、実践的な活用を支援するよう心がけています。
3. システム設計編 応用 高度な機能とスタンバイ構成
基本的なシステム設計編では触れられていない、CLUSTERPROのより高度な機能を使用する場合に必要な事項をまとめたノウハウ集です。特に、様々なスタンバイ構成、例えば、相互スタンバイ型(コールドスタンバイ複合型)、負荷分散/縮退運転型、そしてホットスタンバイ型について、その仕組みや設定方法、そして運用上の注意点などを詳細に解説しています。これらの高度な機能は、システムの可用性とパフォーマンスをさらに向上させるために不可欠です。このセクションでは、それぞれの構成の特性を理解し、システムの要件に最適な構成を選択するための情報を提供します。また、これらの構成を実現するために必要な設定手順や、スクリプトの記述方法についても具体例を示しながら説明することで、実践的な理解を深めることができます。さらに、高度な機能を使用する上での潜在的なリスクや、その対策についても解説することで、安全で安定したシステム運用を実現するための支援を行います。
III.フェイルオーバと高可用性
本ドキュメントでは、フェイルオーバメカニズムと高可用性を実現するための様々な方法を詳細に説明しています。 仮想IPアドレスの役割、TPBASE、TUXEDO、WebOTXなどのアプリケーションにおけるフェイルオーバ処理、そして切替パーティションの利用方法など、ホットスタンバイやコールドスタンバイといった具体的な手法も解説しています。 これらのアプリケーションは、共有ディスクやミラーディスクシステムと連携し、システム障害時における業務継続性を確保します。
1. 仮想IPアドレスとフェイルオーバ
このセクションでは、クラスタシステムにおけるフェイルオーバと高可用性を実現するための基盤となる仮想IPアドレスの役割について説明します。仮想IPアドレスは、フェイルオーバ発生時に、稼働中のノードに動的に割り当てられるIPアドレスであり、クライアントは常に同じIPアドレスに接続することで、サービスの中断を回避できます。この仕組みによって、システムのダウンタイムを最小限に抑え、高い可用性を確保することが可能となります。ドキュメントでは、仮想IPアドレスの割り当て方法、そしてフェイルオーバ発生時のIPアドレスの移行プロセスを詳細に解説しています。また、クライアント側の設定や、アプリケーションからの接続方法についても説明することで、スムーズなフェイルオーバを実現するための具体的な手順を示しています。特に、クライアントが、どのノードが現在アクティブであるかを意識することなく、常に同一のIPアドレス/サービス名で接続できる点が重要です。
2. TPBASE TUXEDO WebOTXにおけるフェイルオーバ処理
TPBASE、TUXEDO、WebOTXといった具体的なアプリケーションを例に、それぞれのシステムにおけるフェイルオーバ処理について解説しています。これらのアプリケーションは、共有ディスクまたはミラーディスク上に実行環境を保持することで、ノード障害発生時に、待機ノードへ処理が自動的に引き継がれるよう設計されています。このセクションでは、各アプリケーション固有のフェイルオーバメカニズム、そして設定方法について詳細な説明があります。例えば、TPBASEでは切り替えディスク上に実行環境を配置することで、フェイルオーバ時の復旧時間を短縮できること、また、TUXEDOやWebOTXでは共有ディスク上の構成ファイルを利用することで、クライアントへの影響を最小限に抑えられることが記述されています。さらに、スクリプトによる自動化や、運用管理ツールとの連携についても解説することで、フェイルオーバ処理全体を効率的に管理するための方法を示しています。これらのアプリケーションのフェイルオーバ処理を理解することで、システム全体の信頼性と可用性の向上に繋がります。
3. ホットスタンバイ コールドスタンバイ その他スタンバイ構成
このセクションでは、ホットスタンバイ、コールドスタンバイ、相互スタンバイ型(コールドスタンバイ複合型)、負荷分散/縮退運転型といった、様々なスタンバイ構成について、その特徴と適用例を説明しています。ホットスタンバイは、常に待機ノードも稼働状態を維持することで、フェイルオーバへの切り替え時間を短縮できます。一方、コールドスタンバイは資源消費を抑えられますが、切り替えに時間を要します。相互スタンバイ型や負荷分散/縮退運転型は、より複雑な構成ですが、より高い可用性と柔軟性を提供します。それぞれの構成におけるメリットとデメリットを比較検討することで、システムの要件に最適なスタンバイ構成を選択できるよう支援します。さらに、それぞれの構成における設定方法や、運用上の注意点についても解説することで、適切なシステム設計と運用を実現するための情報を提供します。これにより、システム管理者は、システムの可用性とリソース効率のバランスを考慮した上で、最適なスタンバイ構成を選択することが可能となります。
4. 切替パーティションと実行環境の引き継ぎ
フェイルオーバにおける重要な要素である切替パーティションと、その上での実行環境の引き継ぎについて解説します。切替パーティションは、現用系と待機系の双方からアクセス可能な共有ストレージ上の領域であり、アプリケーションの実行に必要なファイルや設定情報を格納する役割を持ちます。このセクションでは、切替パーティションの作成方法、そしてフェイルオーバ発生時に実行環境を待機系にシームレスに引き継ぐための手順を詳細に説明しています。特に、アプリケーションプログラムの頻繁な変更に対応するための工夫や、トランザクションログの適切な処理など、実用的な観点からの解説が充実しています。さらに、切替パーティションへのアクセス制御や、データの整合性を維持するための対策についても言及することで、安全で信頼性の高いフェイルオーバを実現するためのノウハウを提供します。これにより、システム管理者は、障害発生時にも迅速かつ安全にシステムを復旧させることが可能となります。
IV.運用 保守とスクリプト
運用/保守編では、クラスタシステムの運用に必要な知識、障害発生時の対処方法、エラー一覧などを提供しています。また、CLUSTERPROのスクリプト作成に関する詳細な情報を提供し、TPBASEなどのアプリケーションの起動・停止スクリプトの記述方法、およびフェイルオーバスクリプトの注意事項を説明しています。APIリファレンスは、CLUSTERPROのAPIを利用したアプリケーション開発者を対象としています。
1. クラスタシステムの運用と保守
このセクションでは、クラスタシステムの日常的な運用と保守に必要な知識を網羅的に解説しています。クラスタシステムを安定的に運用し続けるためには、日々の監視、定期的なメンテナンス、そして障害発生時の迅速な対応が不可欠です。このドキュメントでは、それらの業務を円滑に進めるための具体的な手順や、必要となる知識を詳細に説明しています。具体的には、システムパフォーマンスの監視方法、ログファイルの解析方法、そして定期的なバックアップ手順など、実践的な内容を重視しています。さらに、一般的なエラーメッセージとその原因、そして解決策を詳細に解説することで、トラブルシューティングを効率的に行うための支援を行います。また、システムの構成変更や、ソフトウェアのアップデートに伴う手順についても説明することで、システム管理者が安心して運用保守業務を進めることができるようサポートします。このセクションの情報は、クラスタシステムの安定稼働に大きく貢献し、システムダウンによるビジネスへの影響を最小限に抑えるために役立ちます。
2. 障害発生時の対処方法とエラー一覧
クラスタシステム運用において、障害は避けられないものです。このセクションでは、様々な障害発生時の対処方法を詳細に解説するとともに、発生する可能性のあるエラーの一覧を網羅的に提示しています。障害発生時には、迅速かつ的確な対応が求められるため、このドキュメントでは、エラーメッセージの種類、その原因、そして具体的な対処手順を体系的に説明しています。それぞれのエラーに対して、原因究明のためのチェックポイントや、解決策へのステップバイステップなガイドを提供することで、システム管理者の負担軽減に役立ちます。さらに、よくある障害事例や、それに対する解決策についても紹介することで、実践的な知識の習得を支援します。このセクションの情報は、障害発生時の混乱を最小限に抑え、迅速な復旧を実現するための重要な指針となります。これにより、システムのダウンタイムを短縮し、ビジネスへの影響を軽減することが期待できます。
3. CLUSTERPROスクリプト作成と運用管理
CLUSTERPROクラスタシステムの運用管理を効率化するためのスクリプト作成方法について、詳細な情報を提供しています。このセクションでは、CLUSTERPROで利用可能なスクリプト言語の構文、関数、そして使用方法を具体例を用いて解説しています。特に、アプリケーションの起動・停止、そしてフェイルオーバ処理といった、クラスタシステムの運用において重要なタスクを自動化するためのスクリプト作成方法に重点を置いています。また、スクリプト作成におけるベストプラクティスや、潜在的な問題とその回避策についても説明することで、安全で信頼性の高いスクリプトを作成するための知識を提供します。さらに、サーバやクライアントからのコマンドプロンプトによる運用管理コマンドについても解説することで、システム管理者は、柔軟で効率的なシステム運用を実現できます。このセクションの知識を習得することで、システム管理者は、より高度な運用管理を実現し、システムの安定性と効率性を向上させることが可能です。
4. APIリファレンス CLUSTERPRO APIの活用
CLUSTERPROが提供するAPIを利用して、クラスタシステムと連携したアプリケーションを作成する場合に役立つリファレンスです。このセクションは、APIの機能、使用方法、そして具体的なコード例などを提供することで、開発者がCLUSTERPROクラスタシステムとシームレスに連携したアプリケーションを開発できるよう支援します。各API関数の引数、戻り値、そしてエラー処理について詳細な情報を提供することで、開発者は効率的にAPIを統合したアプリケーションを開発できます。さらに、高度なAPI機能を活用するためのサンプルコードや、ベストプラクティスについても解説することで、高品質なアプリケーション開発を促進します。このリファレンスは、開発者にとって重要なドキュメントであり、CLUSTERPROクラスタシステムの機能を最大限に活用したアプリケーション開発を支援します。APIの仕様の変更などにも迅速に対応できるよう、最新の情報が常に提供されるよう努めます。
V.ハードウェア構築
ハードウェア構築編では、Expressサーバ本体、共有ディスク、ミラーディスクなどのハードウェア仕様・諸元について解説しています。CLUSTERPROクラスタシステムの物理的な構築に関する情報を網羅しています。
1. Expressサーバと共有ディスクの仕様 諸元
このセクションでは、CLUSTERPROクラスタシステムのハードウェア構築に必要な、Expressサーバ本体と共有ディスクに関する仕様と諸元を詳細に説明しています。安定したクラスタシステムを構築するためには、ハードウェアの選定が非常に重要です。このドキュメントでは、サーバのCPU、メモリ、ストレージ容量などの主要なスペックに加え、ネットワークインターフェース、電源、冷却システムといった、システムの安定性に影響を与える要素についても詳細な情報を提供します。また、共有ディスクシステムにおいては、ディスクの種類、容量、そしてI/Oパフォーマンスに関する情報を提供しています。ミラーディスクシステムについても同様の情報が記載されており、システムの要件に最適なハードウェアを選択するための判断材料となります。それぞれのハードウェア構成におけるメリット・デメリットについても解説することで、より適切なハードウェア選定を支援します。さらに、将来的なシステム拡張を見据えた上で、スケーラビリティについても考慮したハードウェア選定のポイントも解説しています。
2. 共有ディスクシステムとミラーディスクシステムのハードウェア構成
このセクションでは、共有ディスクシステムとミラーディスクシステムのそれぞれのハードウェア構成について、具体的な例を挙げて解説しています。共有ディスクシステムは、複数のノードで同一のディスクを共有する構成であり、ミラーディスクシステムは、データの冗長性を確保するために、ディスクをミラーリングする構成です。このドキュメントでは、それぞれのシステム構成におけるハードウェア要件、そして具体的な接続方法を図解を用いて分かりやすく説明しています。また、ハードウェアの選定にあたり、考慮すべき重要なポイント、例えば、ディスクのアクセス速度、ネットワークの帯域幅、そして各ノード間の通信遅延などについても詳細に解説することで、システムパフォーマンスに悪影響を与えない適切なハードウェア構成を設計するための支援をします。さらに、コストパフォーマンスの観点からの検討事項についても触れることで、システム要件と予算のバランスを考慮したハードウェア選定が可能となります。この情報は、最適なハードウェア環境を構築し、システムの安定性とパフォーマンスを最大限に高めるために不可欠です。